ニューヨーク市財務局がコンドミニアム(以下コンド)に付けている市場価値(Market Value)は、実際の成約価格よりずっと低く出ます。マンハッタンで2025年10月から2026年9月までに売れたコンド5,480件では、市場価値は成約価格の中央値で24.4%でした。ブルックリンは2,714件で22.8%です。
この値は、固定資産税と、2026年に始まった主たる住居ではない住宅への追加税(ピエダテール税)の基準です。コンドの追加税は市場価値100万ドルから始まり、市場価値が100万ドル前後の住戸の成約価格は、中央値で477万5,000ドルでした。
- マンハッタンのコンドの市場価値は、成約価格のおよそ4分の1です(中央値24.4%)
- 高い住戸ほど割合は下がり、500万ドル以上の成約では15.9%でした
- 市場価値が100万ドル前後の住戸は、成約価格の中央値が477万5,000ドルです。マンハッタンのコンドの住戸の9.3%が市場価値100万ドル以上でした
- 候補の住戸の市場価値は、買う前に財務局の評価のページで確かめられます
本日は財務局の市場価値と成約価格の関係について見ていきましょう。
1. 市場価値は成約価格の約4分の1

コンドは賃貸の建物として評価する決まり
財務局の市場価値の説明によると、州法により、コンドとコープは賃貸の建物であるかのように評価します。建物の家賃収入と経費を推計して値を出すため、分譲の売買価格よりかなり低くなります。
財務局のローリングセールスのコンドの成約を、2026/27年度の確定評価の市場価値(NYC Open Dataの不動産評価データ)と住戸ごとに突き合わせました。1万ドル未満の取引と一括の取引は除いています。
| 成約価格 | マンハッタン 件数 | 市場価値の割合 | 市場価値100万ドル以上 | ブルックリン 件数 | 市場価値の割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 50万〜100万ドル | 1,351件 | 29.8% | 0.1% | 956件 | 25.5% |
| 100万〜200万ドル | 1,636件 | 25.1% | 0.9% | 1,012件 | 21.3% |
| 200万〜500万ドル | 1,568件 | 21.8% | 12.9% | 486件 | 19.4% |
| 500万ドル以上 | 707件 | 15.9% | 75.0% | 27件 | 17.6% |
| 全体 | 5,480件 | 24.4% | 13.9% | 2,714件 | 22.8% |
2025年10月〜2026年9月の成約。割合は市場価値÷成約価格の中央値。50万ドル未満の成約は値の幅が大きいため行を設けていない(全体には含む)。
評価が家賃収入にもとづくため、売買価格との差は高い住戸ほど大きく出ています。マンハッタンでは、2015年以降に建った建物の住戸が20.2%、2014年以前の建物が25.4%でした。新しい建物ほど、売買価格に比べて低く評価されています。
2. ピエダテール税の100万ドルは成約でいくらか

市場価値100万ドル前後の住戸は、成約の中央値で477万5,000ドル
財務局の追加税の案内によると、2026/27年度と2027/28年度のコンドとコープの住戸は、市場価値100万ドル以上で4.0%、300万ドル以上で5.25%、500万ドル以上で6.5%です。主たる住居として使われていない住戸にかかります。
| 項目 | マンハッタン | ブルックリン |
|---|---|---|
| 市場価値90万〜110万ドルの住戸の成約価格(中央値) | 477万5,000ドル(325件) | 370万ドル(39件) |
| 同じく真ん中の半分 | 352万〜600万ドル | 235万〜495万ドル |
| 直近1年の成約のうち市場価値100万ドル以上 | 13.9% | 1.7% |
条件は1と同じ。
税額は市場価値の全額に税率を掛けて出します。市場価値120万ドルの住戸なら、4.0%で年4万8,000ドルです。成約価格で見ると、350万ドルから600万ドルの住戸が、この税の線のあたりに並んでいます。
住戸の数でも見ました。財務局が2026年7月24日に公表した補足の評価名簿では、マンハッタンのコンドの住戸12万643戸のうち1万1,210戸(9.3%)が市場価値100万ドル以上で、300万ドル以上は686戸でした。ブルックリンは5万5,337戸のうち614戸(1.1%)です。対象と免除の仕組みはピエダテール税の記事にまとめています。
3. 買う前に市場価値を確かめる

評価通知と財務局の評価のページ
- 候補の住戸の区画番号(ブロックとロット)を、物件の資料か財務局の地図で調べる
- 財務局の評価のページで、その住戸の市場価値と税区分を見る。毎年1月に届く評価通知(Notice of Property Value)にも同じ値が載る
- コンドとコープの評価額は、市場価値の45%が基準になる。ただし増加の上限や段階的な反映があり、実際の評価額は違うことがある
- 主たる住居にしない予定なら、市場価値が100万ドル以上かどうかで追加税の有無が分かれる
評価が高すぎると考えるときは、税務委員会に不服を申し立てられます。期限と手順は固定資産税の不服申立ての記事、税額の仕組みは固定資産税の記事で見ています。
4. 住む人と名義で変わること

減額と追加税は、誰が住むかで決まる
| 使い方 | コンドとコープの減額 | 追加税(ピエダテール税) |
|---|---|---|
| 所有者本人が主たる住居にする | 対象になり得る。1月5日までに買った住戸が、翌7月からの年度の対象 | かからない |
| 日本に住み、滞在用に空けておく | 対象外 | 市場価値100万ドル以上ならかかる |
| 賃借人に貸して住んでもらう | 対象外 | 賃借人の主たる住居ならかからない |
| 法人名義で、持分の過半を持つ個人が住む | 条件を個別に確かめる | かからない |
財務局のコープ・コンドの減額の案内と追加税の案内による。
名義を重ねても、住む人が変わらなければ追加税は変わりません。日本に住みながら滞在用に持つ方は、成約価格ではなく市場価値で、税の線を確かめておくことが大切です。
まとめ

財務局の市場価値は成約の約4分の1。100万ドルの線は成約で約478万ドル
マンハッタンのコンドの市場価値は、成約価格の中央値で24.4%でした。市場価値が100万ドル前後の住戸は、成約価格の中央値が477万5,000ドルで、ピエダテール税の線は成約ではこのあたりに来ます。マンハッタンのコンドの住戸の9.3%が、市場価値100万ドル以上です。
候補の住戸の市場価値は、買う前に財務局のページで確かめられます。一般論はここまでで、使い方と名義を合わせた税の見通しはご相談ください。
よくある質問
ニューヨーク市財務局の市場価値は、実際の売買価格の何割ですか。
マンハッタンで2025年10月から2026年9月に売れたコンド5,480件では、市場価値は成約価格の中央値で24.4%でした。ブルックリンは22.8%です。州法によりコンドとコープは賃貸の建物として評価されるため、売買価格より低く出ます。
ピエダテール税の市場価値100万ドルは、成約価格でいくらくらいですか。
マンハッタンで市場価値が90万〜110万ドルのコンドの成約価格は、中央値で477万5,000ドルでした(325件)。真ん中の半分は352万ドルから600万ドルです。ブルックリンは370万ドルでした。
自分の住戸の市場価値はどこで確かめられますか。
毎年1月に財務局が出す評価通知(Notice of Property Value)か、財務局の評価のページで確かめられます。2026年7月24日には、追加税に関係する補足の評価名簿も公表されています。
市場価値が100万ドル以上なら必ず追加税がかかりますか。
かかりません。所有者本人、賃借人、近親者、法人の持分の過半を持つ個人などが主たる住居にしていれば対象外です。日本に住み、滞在用に空けている住戸は原則として対象になります。
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