マンハッタンで2025年10月から2026年9月までに売れたコンドミニアム(以下コンド)とコープは1万1,392件で、100万ドル未満は43.8%でした。ブルックリンは4,806件のうち61.2%、クイーンズは5,303件のうち93.3%が100万ドル未満です。
値段の分かれ方には、はっきりした段差があります。マンハッタンで99万ドルから100万ドル未満で売れたのは180件、100万ドルから101万ドル未満は7件でした。100万ドル以上の住宅を買うと、買主が価格の1%のマンションタックスを払うためです。
- マンハッタンのコンドとコープの43.8%は100万ドル未満で売れています。コープでは58.6%、コンドでは28.3%です
- 100万ドルの手前の1万ドルに180件が集まり、すぐ上の1万ドルは7件でした。ブルックリンも90件と3件です
- 100万ドル未満の取引が多いのは、ミッドタウン・イースト、アッパーイーストサイド、マレーヒルなどです
- 200万ドル以上はニューヨーク市の追加の税が段階的に上がります。予算は税と費用を含めた総額で組みます
本日は予算ごとにニューヨークのマンションがどのくらい売れているかについて見ていきましょう。
1. 価格帯ごとの成約の割合

マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ
ニューヨーク市財務局のローリングセールスから、コンド(建物区分12・13・15)とコープ(09・10)の成約を数えました。1万ドル未満の取引と、同じ日に同じ街区で同じ価格が並ぶ一括の取引は除いています。
| 価格帯 | マンハッタン | ブルックリン | クイーンズ |
|---|---|---|---|
| 50万ドル未満 | 1,448件(12.7%) | 1,319件(27.4%) | 3,305件(62.3%) |
| 50万〜100万ドル | 3,542件(31.1%) | 1,625件(33.8%) | 1,644件(31.0%) |
| 100万〜200万ドル | 2,957件(26.0%) | 1,256件(26.1%) | 321件(6.1%) |
| 200万〜500万ドル | 2,551件(22.4%) | 576件(12.0%) | 33件(0.6%) |
| 500万ドル以上 | 894件(7.8%) | 30件(0.6%) | 0件 |
| 合計 | 1万1,392件 | 4,806件 | 5,303件 |
2025年10月〜2026年9月の成約。コンドとコープの合計。
コンドとコープで分けると差が大きく出ます。マンハッタンのコンドの中央値は169万5,000ドルで、100万ドル未満は28.3%でした。コープは中央値84万3,440ドルで、58.6%が100万ドル未満です。コープは建物の理事会の審査があり、買い方の条件も建物ごとに違います(コンドとコープの違いの記事)。
2. 100万ドルの手前に成約が集まる

99万ドル台に180件、100万ドル台の最初の1万ドルは7件
| 成約価格 | マンハッタン | ブルックリン | クイーンズ |
|---|---|---|---|
| 95万〜100万ドル未満 | 433件 | 211件 | 100件 |
| うち99万〜100万ドル未満 | 180件 | 90件 | 29件 |
| 100万〜101万ドル未満 | 7件 | 3件 | 4件 |
| 100万〜105万ドル未満 | 58件 | 28件 | 25件 |
条件は1と同じ。
州税務財務局の不動産譲渡税の案内によると、100万ドル以上の住宅には価格の1%のマンションタックスがかかり、買主が払います。100万ドルで買えば1万ドルの税がかかり、99万9,999ドルならかかりません。売主と買主が100万ドルの手前で値段を合わせていることが、件数の段差に表れています。
100万ドルを少し超える住戸は、売主が100万ドルを切るところまで下げるかどうかの交渉になりやすい価格帯です。買う側は、その差額と税の1%を並べて比べます。交渉の考え方は価格交渉の記事にまとめています。
3. 100万ドル未満の成約が多い地区

マンハッタンはミッドタウン・イーストが545件
| 地区 | 成約件数 | 100万ドル未満 | 割合 | 中央値 |
|---|---|---|---|---|
| ミッドタウン・イースト | 872件 | 545件 | 62.5% | 83万ドル |
| アッパーイーストサイド(79〜96丁目) | 1,140件 | 514件 | 45.1% | 117万7,500ドル |
| アッパーイーストサイド(59〜79丁目) | 1,268件 | 506件 | 39.9% | 146万ドル |
| アッパーウエストサイド(59〜79丁目) | 904件 | 312件 | 34.5% | 142万7,775ドル |
| マレーヒル | 446件 | 276件 | 61.9% | 78万2,500ドル |
| アッパーウエストサイド(79〜96丁目) | 759件 | 258件 | 34.0% | 146万ドル |
| グラマシー | 348件 | 189件 | 54.3% | 93万2,500ドル |
| ミッドタウン・ウエスト | 526件 | 189件 | 35.9% | 148万1,500ドル |
| セントラル・ハーレム | 240件 | 184件 | 76.7% | 67万2,500ドル |
| チェルシー | 529件 | 178件 | 33.6% | 160万ドル |
コンドとコープの合計。地区は財務局の区分。40件以上売れた地区のうち、100万ドル未満の件数が多い順。
件数で見ると、100万ドル未満の住戸はミッドタウン・イーストとアッパーイーストサイドに集まります。割合では、インウッド98.6%、ワシントンハイツの北部91.2%など、マンハッタン北部の地区が高くなります。
ブルックリンで100万ドル未満の成約が多いのは、ベイリッジ(212件)、シープスヘッドベイ(179件)、フラットブッシュの中央部(148件)、ベッドフォード・スタイベサント(137件)でした。ブルックリンハイツでも48.7%が100万ドル未満です。地区ごとの価格はマンハッタンとブルックリンの成約価格のページで毎週更新しています。
4. 予算を組むときの注意

税と管理費を含めた総額で考える
- 100万ドル以上は価格の1%のマンションタックス。200万ドル以上はニューヨーク市の追加の税が0.25%から段階的に加わり、合わせて価格の1.25%から3.9%になる
- 弁護士、登記、ローンの費用などのクロージング費用を、価格とは別に用意する(クロージング費用の記事)
- 毎月の管理費(コンドのコモンチャージ、コープのメンテナンス)と固定資産税を、月々の支出に入れる(管理費の記事)
- コープは理事会が借入の割合や購入後の資金を見る。条件は建物ごとに違う
| 名義と住まい | 買うときの税 | 持っている間 |
|---|---|---|
| 日本に住む個人 | マンションタックスは住む国に関係なく買主が払う | 貸して家賃を受け取ると、届け出をしなければ総額の30%が源泉される |
| 米国に住む個人 | 同じ | 主たる住居にすれば、コンドとコープの固定資産税の減額の対象になり得る |
| LLCなどの法人 | 同じ | 減額の条件(所有者の主たる住居)を満たすかを個別に確かめる |
減額の条件は財務局のコープ・コンドの減額の案内による。
まとめ

マンハッタンの4割強は100万ドル未満。値段は税の線に合わせて決まる
直近1年にマンハッタンで売れたコンドとコープの43.8%は100万ドル未満で、ブルックリンは61.2%、クイーンズは93.3%でした。100万ドルの手前の1万ドルには180件が集まり、すぐ上は7件です。買主が払う1%の税が、値段の付け方を変えています。
予算は、価格に税、クロージング費用、管理費と固定資産税を足した総額で組みます。一般論はここまでで、予算に合う地区と建物の選び方、名義の組み方はご相談ください。
よくある質問
ニューヨークで100万ドル未満のマンションはどのくらい売れていますか。
2025年10月から2026年9月に、マンハッタンで売れたコンドとコープ1万1,392件のうち43.8%が100万ドル未満でした。ブルックリンは61.2%、クイーンズは93.3%です。
なぜ99万ドル台の成約が多いのですか。
ニューヨーク州では、100万ドル以上の住宅の購入に価格の1%のマンションタックスがかかり、買主が払います。マンハッタンでは99万〜100万ドル未満の成約が180件、100万〜101万ドル未満は7件でした。
マンハッタンで100万ドル未満の住戸が多い地区はどこですか。
件数ではミッドタウン・イースト(545件)、アッパーイーストサイドの79〜96丁目(514件)と59〜79丁目(506件)が多く、割合ではインウッドやワシントンハイツの北部など北の地区が9割を超えます。
200万ドルを超えると税はどう変わりますか。
ニューヨーク市の住宅は、200万ドル以上で追加の税が段階的に上がり、マンションタックスと合わせて価格の1.25%から3.9%になります。いずれも買主が払います。
PRACTICE取得・保有・出口の実務(147件)
買うとき
- 物件の探し方 — 情報の仕組みと在庫の実際
- 日本から買う — 内見から送金までの実務
- 米国のローン — LTVとレバレッジの考え方
- アメリカの住宅ローン — 駐在・非居住者でも借りられる条件と金利
- ニューヨークシティのコンドミニアム購入 — 価格相場と手順、費用と名義の決め方
- DSCRローン — 収入証明なしで組む条件
- 法人名義で買うか — 個人所有との損益分岐
- タイトル保険 — 日本の登記制度との違い
- 不動産会社の選び方 — 確認すべき5点
- 失敗は5つに集まる — 契約前に確認できる項目
- 海外不動産のデメリット4つ — 対処できるものとできないものを分ける
- 新築と中古 — 価格・交渉・維持費で比べる
- プレコンストラクション — 竣工前に買う判断
- タウンハウス一棟 — 管理組合のない所有
- 借りるか買うか — 高金利下の損益分岐
- オファーの条件をどこまで外すか — 手付金10%を賭ける判断
- 住みながら買う — 賃貸を続ける場合との比較
- 買付前に揃える資金証明 — 海外資産をどう示すか
- 購入資金を日本から動かす — 送金の手順と証跡の残し方
- 価格を交渉する — 売主が実際に見ている条件
- 新築か中古か — 費用構造から比べる
- ペントハウスとは何か — 名称の実態と価値の見極め方
- Airbnb前提で買わない — 30日ルールの実際
- アメリカ不動産の買い方 — 手続き・費用・注意点
- アメリカで家を買うときにつまずきやすい点 — 準備の順序で結果が変わる
- 利回りか、資産の置き場所か — ニューヨークを選ぶ理由の分かれ目
- コンドとコープの違い — 審査・費用・売りやすさ
- 賃貸と購入の総費用 — 税制とリスクまで含めて比べる
- オフマーケット物件 — 情報が回る経路と紹介を受ける準備
- バイヤーエージェント — 買主側につく担当の役割
- アトーニー(弁護士) — 契約と決済で担う役割
- 購入前のデューデリジェンス — 確認すべき書類と手順
- インスペクション — 何を見て、いくらかかるか
- 価格はどう決まるか — 鑑定と成約事例の読み方
- 買うのに何ヶ月かかるか — オファーから鍵の受け取りまで
- クロージング費用 — 内訳と節約できる項目
- マンションタックスと譲渡税 — 100万ドルを超えると変わること
- エスクロー — 仕組みと流れ、日本との違い
- タイトル保険の費用 — 必要な理由と保険料の決まり方
- 新築コンドのスポンサーユニット — 仕組みと交渉
- SSNなしで組むローン — 3つの方法を比べる
- 学区と価格の関係 — コンドミニアム相場の読み方
- 一軒家の値段 — 5区の成約価格の中央値
- 中古マンションの値段 — 築年数で見る成約価格
- 郊外の一軒家 — 値段と固定資産税を郡で比べる
- 億ションは年に何件売れるか — 1億円を超える成約の数
- 駐在中に家を買うか — 帰任までの年数で変わる税金と売り方
- 2世帯・3世帯住宅の値段 — 5区の成約価格と1戸あたり
- アパート一棟の値段 — 家賃の規制で1戸あたりが半分以下に
- 現金で買われる割合 — 登記で数えた住宅ローンの有無
- 登記の記録を調べる — ACRISで所有者と売買価格を見る
- 上の階はいくら高いか — 同じ建物の成約を階数で比べる
持っているあいだ
- 管理費は月いくらか — 区別の実額と安い建物の落とし穴
- 不動産にかける保険 — 所有形式で必要な補償が変わる
- 買った後の管理 — 海外に住みながら所有を続ける
- 管理会社の選び方 — 費用と契約前の確認事項
- テナント管理 — 賃料回収と契約更新の実務
- 収益改善の手法 — プロパティマネジメントの実際
- アメリカの固定資産税は年いくらか — 州別の実効税率と物件価格別の年額
- 減価償却で税を前倒しする — 建物比率と、個人名義・法人名義の違い
- 4年償却は使えるのか — 2020年改正後の正しい姿
- 改正後に残った節税の道 — 個人の損益通算と法人名義の分かれ目
- 土地の権利とゾーニング — 何が建てられるかの規制
- 保証人と保証会社 — 収入40倍の壁を越える
- 賃貸収入の税務 — 非居住者の源泉徴収と純額課税の選択
- 非居住者の確定申告 — オーナーの年間カレンダー
- 価格の推移 — 10年・5年・直近1年を都市別に見る
- 駐在員の確定申告 — 日米どちらに出すか、FBARの1万ドルの線
- 賃料の日本での申告 — 円換算のレート、償却の制限、外国税額控除
- 国外財産調書と財産債務調書 — 5,000万円と3億円の線
- 法人名義と日本の合算課税 — LLCは日本では外国法人。20%と27%の線
- 日本にいながら賃貸を回す — 管理会社の選び方と契約で決めること
- 家賃を払わない入居者 — 貸主にできることと、できないこと
- 買った翌年に税額が変わる — 減免の残存年数で年2万ドルの差
- 固定資産税の不服申立 — 3月1日と3月15日という期限
- 州を固定資産税で選ぶ前に — 同じ州でも郡と学区で倍変わる
- マルチファミリー投資 — 収益構造と融資、見落としやすいリスク
- 賃料規制物件を買うと — レントスタビライゼーションの実際
- リノベーション — 管理組合の承認と工事の実際
- コストセグリゲーション — 償却を前倒しする調査の中身
- 不動産プロフェッショナル(REPS) — 給与所得の課税を下げる仕組み
- IRSの税務調査 — 備えておく書類
- 売らずに積み上げる — 担保に次を買い、課税を繰り延べる
- 商業不動産への投資 — 住宅との違いと市場の特徴
- 買った後に増える税と費用 — 減税の終了、評価額、排出規制
- W-8BENとW-8ECI — 家賃の30%源泉と純額での申告
- ニューヨーク州の所得税 — 非居住者の家賃と売却益
- Form 5472 — 外国人が持つLLCの報告書と2万5,000ドルの罰金
- 1042-S — 引かれた30%を米国と日本の申告で使う
- ピエダテール税 — 日本に住む所有者のコンドは対象か
- 家賃凍結 — 貸している物件に効くのはどの住戸か
- 国外送金等調書 — 100万円を超える送金と受け取り
- 日本の法人で持つと支店利益税 — 30%と条約の5%
- 家賃収入の日本での申告 — 20万円の線と住民税、国民健康保険料
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出すときと税務
- 売るときの流れ — 海外にいながら決済まで
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- QOF(適格機会基金) — 譲渡益の課税を繰り延べる
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- FIRPTAと外国税額控除 — 対象は確定税額。控除の年がずれる
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- FBAR・FATCA — 海外金融口座の報告義務
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- C-Corp と LLC — 形態ごとの課税の違い
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- 相続したときの名義の移り方 — 検認と納税証明の順番
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- 資産の種類で変わる相続 — 米国株・米国債・預金・不動産
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