Negotiation Guide

交渉は価格だけでは動かない

ニューヨークの価格交渉は、値切りの技術ではなく条件の設計です。売主が実際に見ているのは価格、確実性、時期の3点で、この組み合わせで決まります。オファーの組み立て、競合時の動き方、成約データの使い方をまとめました。

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このガイドでわかること

  • 売主が見るのは価格・確実性・時期の3点セットです
  • 資金証明のないオファーは、価格が良くても読まれません
  • 根拠は成約データで組みます。ニューヨークは成約価格が公開されています
  • 競合時は価格の上乗せより、条件の確実性で勝てることがあります
Seller

売主は3つの軸で見ている

最高値のオファーが選ばれるとは限りません。売主側の判断を分解します。

価格

手取りの額です。譲渡税や残債を引いた後の数字で考えているため、買主側の細かい条件要求は手取りの計算を複雑にし、心証を下げます。

確実性

契約まで到達し、決済まで崩れない見込みです。現金か、融資条項の有無、買主の準備の整い方。ここで劣るオファーは、価格で上回っても選ばれないことがあります。

時期

売主には事情があります。次の購入の決済が迫っている、賃借人の退去に合わせたい、年内に終えたい。時期の柔軟さが、価格の差を埋めることがあります。

売主の事情はエージェント経由で相当程度わかります。なぜ売るのか、いつまでに売りたいのかを聞くことが、交渉の最初の一手です。

Building

オファーの組み立て

オファーは価格の数字ではなく、ひとまとまりの提案書です。

資金証明を必ず付けます

現金なら残高証明、ローンなら事前承認書。これのないオファーは検討の土俵に乗りません。海外の口座の場合は、英文の残高証明を事前に用意しておきます。

条項の付け外しで強さを調整します

融資条項(ローンが下りなければ解約できる)を外せばオファーは強くなり、外した分のリスクは買主が負います。付けるか外すかは、資金の確実性と相談して決めます。

時期を売主に合わせます

クロージング時期の希望を売主側に確認し、可能な範囲で合わせます。費用のかからない譲歩で、確実性の印象を大きく上げられる項目です。

買主の紹介を一言添えます

コープでは特に、どんな買主かが審査の通りやすさに直結します。コンドでも、実需の買主であることや準備の整い方を短く伝えることが、同額競合での差になります。

Data

根拠の作り方。言い値と戦わない

交渉の相手は売主の言い値ではなく、市場の実勢です。実勢はデータで示せます。

同じ建物の成約を並べます

ニューヨークは成約価格が公的記録として公開されています。同じ建物・同じ間取りの直近成約が、最も強い比較対象です。

売り出しからの経過日数を見ます

市場に長く残っている物件は、価格が実勢とずれている証拠です。値下げの履歴と合わせて、売主側の焦りの度合いが読めます。

面積単価は定義を揃えて比べます

表示面積の数え方は物件で異なります。単価比較は、同じ定義に揃えてから行います。

価格の境目を使います

マンションタックスは価格帯で税率が変わります。境目をまたぐかどうかで買主の総負担が変わるため、境目の直下への着地は、双方に説明のつく妥協点になります。

Competing

競合したときの動き方

人気物件では複数オファーが並びます。ここでの動きは事前に決めておきます。

上限を先に決めておく競り上がりの中で決めた価格は、ほぼ確実に高すぎます。参加する前に、降りる価格を決めておきます
確実性で差を付ける価格の上乗せ余地がないときは、融資条項の扱い、手付金の増額、時期の柔軟さで差を作ります
最高額提示の要求(ベストアンドファイナル)各買主に最終条件を一度で出させる方式です。駆け引きではなく、自分の上限をそのまま出すのが定石です
降りる勇気ニューヨークには次の物件が必ず出ます。競り勝つことが目的化した取引は、ほぼ例外なく高値掴みです
FAQ

よくある質問

交渉のご相談で実際に多い質問です。

どのくらい値引きできるものですか
相場との乖離と売主の事情次第で、一律の目安はありません。適正に値付けされた人気物件は満額でも競合し、長く残った物件には交渉余地があります。値引き幅ではなく、実勢に対して妥当かで判断します。
新築の分譲価格は交渉できますか
表示価格が動きにくい一方、譲渡税の負担、付帯設備、管理費の一定期間負担といった形の歩み寄りはあり得ます。分譲主の在庫状況を読んで、価格以外の項目を土俵に載せます。
オファーを出してから返事はどのくらいで来ますか
通常は数日以内です。返事までの間に他の買主が現れることもあるため、オファーには有効期限を付けて出すのが一般的です。
一度断られた物件に再オファーできますか
できます。市場に残り続けている物件なら、時間の経過そのものが交渉材料になります。最初のオファーで悪印象を残さず降りておくことが、再挑戦の余地を残します。

まずはご相談ください

検討中の物件があれば、成約データに基づく実勢の分析と、オファーの組み立てまでご一緒します。上限の設計から降り際まで、感情ではなく数字で進めます。

不動産サービスはR New Yorkとしてのサービス提供となります。