建物の保険と自分の保険は別物
コンドやコープには建物全体の保険がありますが、それは住戸の中と、あなたの賠償責任を守りません。水漏れで階下に被害を出したときに払うのは所有者です。建物保険との境界線、住戸で掛ける範囲、賃貸・不在時の特約までをまとめました。
このガイドでわかること
- 建物の保険は共用部まで。住戸の中と賠償は所有者の保険の領域です
- 集合住宅の最大リスクは水漏れです。階下への賠償まで掛けます
- 賃貸に出すなら家主向けの形に、長期不在なら不在特約を確認します
- 建物側の保険証券は取り寄せられます。境界線を読んでから設計します
どこまでが建物、どこからが自分か
管理組合が掛けるマスターポリシーの範囲を先に確認します。境界の引き方は建物ごとに違います。
マスターポリシーの型を確認します
躯体と共用部のみを覆う型と、住戸内の造作(壁・床の仕上げ等)の一部まで覆う型があります。証券は管理会社から取り寄せられます。
窓とガラスの責任区分
窓が共用部扱いなら費用は組合、専有部扱いなら所有者です。特注ガラスの建物では、この線がどちらにあるかで住戸の保険設計が変わります。
建物の免責額に注意します
マスターポリシーの免責額が大きい建物では、事故のたびに免責分が当事者や組合に落ちてきます。住戸側の保険で、この分を受ける特約を検討します。
住戸の保険で掛ける範囲
集合住宅の住戸向け保険(HO-6型)で設計する主な項目です。
| 項目 | 何を守るか |
|---|---|
| 住戸内の造作・改装部分 | キッチン・浴室・床など、自分の負担で直す範囲 |
| 家財 | 家具・家電・衣類。高額品は明記が必要な場合あり |
| 個人賠償責任 | 水漏れ等で階下・第三者に与えた損害。集合住宅の核心です |
| 代替住居費用 | 事故で住めない間の滞在費 |
| 建物免責の受け皿(ロスアセスメント) | 建物側の事故の負担金が住戸に割り当てられた場合 |
賠償の限度額は、階下の住戸の内装水準まで想定して決めます。高額物件の階下はやはり高額物件です。限度額の桁を落とさないことが、集合住宅の保険設計の要点です。
使い方で変わる設計
同じ住戸でも、使い方によって必要な保険の形が変わります。
自宅・二拠点
長期不在がある使い方では、不在時の担保条件を確認します。一定日数以上の空室で担保が制限される契約があり、二拠点利用は加入時に申告しておくのが安全です。水回りの元栓・暖房の設定と、定期的な室内確認が保険の前提になることもあります。
賃貸運用
家主向けの形(貸主用の建物・賠償・家賃損失の担保)に切り替えます。借主には借主用の保険(レンターズ保険)への加入をリース契約で義務付けるのが実務の定石です。
水辺・低層階
洪水は標準の保険では対象外が通常で、連邦の洪水地図の区分によっては別建ての洪水保険を検討します。建物側の水害対応も証券で確認します。
事故が起きたときの動き
海外にお住まいの場合、初動を仕組みにしておくことが被害額を決めます。
一次対応の連絡網を作っておきます
建物の管理、管理会社、保険会社、現地代理。水漏れは初動の数時間が被害を分けます。誰が最初に動くかを決めておきます。
記録を残します
写真、修理の見積もり、やり取りの記録。保険金請求は記録で決まります。修理を急ぐ場合も、着手前の状態を必ず撮ります。
建物側との切り分けを確認します
原因が共用部(縦配管など)か専有部かで、どちらの保険が先に動くかが変わります。管理会社と保険会社の双方に、切り分けの判断を早い段階で求めます。
よくある質問
保険のご相談で実際に多い質問です。
保険料はどのくらいですか
日本の保険会社で掛けられますか
ローンを使う場合、保険は義務ですか
保険でカバーされない代表例は何ですか
あわせて読みたい
まずはご相談ください
建物側の保険証券の取り寄せから、使い方に合わせた住戸保険の設計、事故時の連絡網づくりまでご一緒します。付保の実務は現地の保険代理店と連携して進めます。
不動産サービスはR New Yorkとしてのサービス提供となります。