Due Diligence Guide

買う前に読む書類、見る場所

ニューヨークの購入前調査は、住戸の検査だけではありません。管理組合の財務諸表、議事録、オファリングプラン、外壁検査の記録。書類の調査が本体で、物理的な検査はその一部です。何をどの順番で確認するのかをまとめました。

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このガイドでわかること

  • コンド・コープの調査は書類が本体です。弁護士が読み、買主が判断します
  • 財務諸表と議事録から、将来の値上げと一時金はおおよそ読めます
  • 住戸のインスペクションは、集合住宅では限定的、タウンハウスでは必須です
  • 書類は取り寄せる権利があります。遠慮した確認は後で費用になって返ります
Documents

取り寄せる書類の一覧

契約前のデューデリジェンス期間に、弁護士を通じて確認する書類です。

書類読み取ること
オファリングプラン(修正含む)名義の制限、賃貸規約、譲渡税の負担者、修繕計画
直近2期の財務諸表修繕積立の残高、建物借入、収支の健全性
理事会・管理組合の議事録検討中の工事、住民間の紛争、値上げの議論
規約と管理規則法人名義の可否、ペット・改装・賃貸の制限
使用証明(C of O)現在の用途が正式に認められているか
外壁検査の報告市の定期検査での指摘と対応状況
係属中の訴訟の有無建物・分譲主に関する紛争

議事録は建物の本音が書かれている書類です。財務諸表に出る前の値上げや工事の議論が、ここに先に現れます。

Financials

財務の読み方。将来の月額を推定する

今の月額ではなく、5年後の月額を読むのが財務調査の目的です。

修繕積立の水準を見ます

大規模修繕(外壁・屋根・エレベーター・配管)に耐える残高があるか。積立が薄い建物では、工事のたびに一時金(アセスメント)が住戸に請求されます。過去の一時金の頻度と金額も履歴で確認します。

建物の借入を見ます

コープにはアンダーライング・モーゲージ(法人としての借入)があり、返済が月額に乗っています。残高、金利、借り換えの時期が、将来の月額を左右します。金利上昇局面での借り換えは値上げに直結します。

月額の推移を遡ります

直近5年でどれだけ上がったか、理由は運営費か税か借入か。値上げの内訳まで読むと、運営の質が見えます。

収入構造も確認します

商業区画の賃料収入がある建物では、テナントの退去が住民の負担増につながります。収入の何割を商業に依存しているかを見ます。

Physical

物理的な検査。集合住宅で見るべき箇所

コンド・コープの住戸検査は、戸建てのような全面検査ではなく、的を絞った確認になります。

水回りと水漏れの痕跡天井と壁のシミ、バスルームの目地。上階からの漏水履歴は議事録でも確認します
窓とサッシ開閉、気密、結露の痕跡。ランドマーク指定の建物では交換に審査が要る点も含めて確認します
電気容量と設備の年式ブレーカーの容量、空調・給湯の製造年。更新が近い設備は費用として見積もりに乗せます
害虫・騒音・臭気書類に出ない生活の質の項目です。時間帯を変えた内見で確認します

検査で見つかった問題は、価格交渉の材料か、売主負担での修繕の交渉材料になります。見つけること自体が目的ではなく、条件に変換することが目的です。

Townhouse

タウンハウスは別物です

一棟を買うタウンハウスでは、建物全体の責任を買主が引き受けます。検査の重さが変わります。

エンジニアによる全面検査

構造、屋根、外壁、基礎、配管、電気、ボイラー。集合住宅の共用部にあたる部分をすべて自分で持つため、専門家による全面検査が前提です。

法的な戸数の確認

多くのタウンハウスは法的に2〜4家族用です。使用証明(C of O)の戸数と実際の使われ方が一致しているかを確認します。不一致は融資にも保険にも売却にも響きます。

賃借人と賃料規制

賃借人が入っている場合、規制対象の賃借か、リースの残期間はどうか。引き渡し条件(空室か居住中か)は契約の重要条項です。

歴史地区の制約

ブラウンストーンの多くは歴史地区にあり、外観の工事は市の審査対象です。改修の計画がある場合、可否と期間を契約前に確認します。

FAQ

よくある質問

購入前調査のご相談で実際に多い質問です。

調査の期間はどのくらいですか
書類が揃ってから1〜2週間が目安です。オファー受け入れから契約までの間に行うため、この期間の速さが取引全体の速さを決めます。書類の取り寄せを先回りで始めるのが実務です。
調査の費用は誰が払いますか
書類調査は買主側弁護士の業務に含まれ、弁護士費用(定額が多い)の中で行われます。タウンハウスのエンジニア検査は買主負担で、別途数百〜千数百ドル程度が目安です。
問題が見つかったら契約をやめられますか
契約書に署名する前であれば、理由を問わず降りられます。ニューヨークでは書類調査は署名前に行うのが標準の順序なので、調査結果を見てから契約するかを決められます。
新築でも調査は必要ですか
必要です。対象がオファリングプランと分譲主の記録に変わるだけで、読むべき書類はむしろ多くなります。引き渡し前の内覧(ウォークスルー)での指摘リスト作成も新築特有の工程です。

まずはご相談ください

検討中の物件の書類取り寄せから、財務の読み解き、検査の手配までご一緒します。契約書の確認は提携弁護士と連携して進めます。

不動産サービスはR New Yorkとしてのサービス提供となります。