Land Lease Guide

建物の下の土地は誰のものか

ニューヨークには、建物の下の土地が第三者所有の物件が一定数あります。価格は同条件の土地所有物件より安く、その差額には理由があります。借地契約の読み方、改定リスク、バッテリーパークシティのような公的借地との違いをまとめました。

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このガイドでわかること

  • 借地物件は同条件より安く、その差額は将来のリスクの対価です
  • 確認の要点は、満了年、改定の方式、買い取りの権利の3つです
  • 地主が公的機関か民間かで、条件の透明性がまったく違います
  • 融資は扱う金融機関が限られます。現金比率を高めに設計します
Structure

借地物件の構造

住戸を買っても、建物の下の土地は別の所有者に残る形です。

建物の法人が地主に借地料を払います

コープ・コンドの法人が地主と長期の借地契約を結び、借地料(グラウンドレント)を払います。この費用は住民の月額に乗ります。

月額は土地所有物件より重くなります

同じ建物条件なら、借地料の分だけ月額が高くなります。その代わり購入価格は抑えられ、取得時の負担と保有中の負担のバランスが逆になります。

契約は登記で確認できます

借地かどうか、契約の当事者と期間は公的記録で確認できます。販売情報に書かれていなくても、調査で必ず分かる情報です。

Reset Risk

改定という時限装置

借地契約の核心は、借地料がいつ、どう変わるかです。

改定方式を契約書で読みます

定額スケジュールで決まっている契約と、改定時の土地評価で再計算される契約があります。後者は、地価が上がった分だけ借地料が跳ねる構造です。

再計算型の実例があります

土地評価連動の改定で借地料が数倍になり、月額が急騰して住戸価格が大きく下がった建物が実際にあります。ワンサットンプレイスサウスの事例は、この構造の教材です。

満了は最終の時限です

契約が更新されずに満了すると、建物の権利関係そのものが変わります。満了が遠い契約でも、売却する頃の残存期間で買い手がどう見るかまで考えます。

今の月額ではなく、次の改定後の月額

借地物件の判断基準はこの一点です。次の改定年と方式が読めない物件は、安くても値段が付けられない物件です。

Public vs Private

地主が誰かで、リスクの質が変わる

同じ借地でも、契約の相手によって読みやすさが違います。

公的機関が地主

バッテリーパークシティのように公的機関が地主の場合、契約条件と改定の枠組みが公開され、政治的にも急激な変更が起きにくい構造です。読みやすい借地の代表です。

民間の地主

相対契約で条件の透明性が低く、改定交渉も地主の意向に左右されます。地主側の相続や売却で方針が変わることもあります。読みにくさの分だけ、価格の割引が深くなければ釣り合いません。

買い取りの権利

コープ法人が土地を買い取る選択権を持つ契約もあります。権利の有無と行使価格の決め方は、リスクの出口があるかどうかの分かれ目です。

Judgement

買ってよい条件、避けるべき条件

借地は一律に避けるものではありません。条件で仕分けます。

買ってよいのは改定まで十分に長く、方式が契約書で読め、想定保有期間の出口でも次の買い手が受け入れられる条件が残っている場合
避けるべきなのは改定が近く方式が土地評価連動、あるいは契約内容が確認できない場合。安さは理由ごと引き受けることになります
融資の前提借地物件への融資は扱う金融機関が限られ、非居住者向けはさらに狭まります。現金比率高めの資金計画が前提です
出口の割引自分が買うときに受けた割引は、売るときに次の買い手へ渡す割引でもあります。値上がり益は期待せず、利用価値と月額で判断します
FAQ

よくある質問

借地物件のご相談で実際に多い質問です。

どのくらい安く買えるのですか
残存期間と改定条件によって割引の深さはまったく異なり、一律の目安はありません。重要なのは割引率ではなく、その割引が引き受けるリスクに見合うかです。改定後の月額を試算して比べます。
借地の物件かどうかはどこで分かりますか
登記の記録とオファリングプランで確認できます。販売情報に明記されていない場合もあるため、月額が周辺より不自然に高い、価格が不自然に安い物件では、最初に土地の権利を確認します。
バッテリーパークシティは買っても大丈夫ですか
公的借地として条件が公開されており、読める借地の代表です。それでも判断の手順は同じで、借地料と満了(現行は2069年に向けた枠組み)を踏まえ、保有期間と出口の時点での残存を確認して決めます。
借地権付きでも相続や売却はできますか
できます。売買も承継も通常の手続きで行えます。ただし出口の買い手も同じ借地条件を引き受けるため、売却のしやすさは残存期間に依存します。承継の設計では、この読みにくさも織り込んでおきます。

まずはご相談ください

検討中の物件の土地権利を登記で確認し、改定後の月額まで試算して、割引がリスクに見合うかを数字で整理します。

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