申告は年に一度の総点検
米国の不動産を持つ非居住者には、毎年の申告義務が付いてきます。連邦、州、そして日本。それぞれの期限と書式、必要な番号と資料。1年のカレンダーとして整理し、初年度に整えるべき体制をまとめました。
このガイドでわかること
- 申告は連邦・州・日本の三層です。期限も書式も別々に走ります
- 納税者番号(ITIN/EIN)が全手続きの前提です。最初に取得します
- 賃貸の純額課税は、毎年申告を続けることで維持されます
- 売却の年は源泉の精算と還付が加わり、書類は取得時まで遡ります
初年度に整える体制
1年目の準備が、以後の毎年を軽くします。
納税者番号を取得します
個人はITIN、法人はEIN。申告・源泉の減免・還付のすべてに必要です。取得には時間がかかるため、物件取得と並行して進めます。
申告を任せる専門家を決めます
非居住者の申告は書式も判断も特殊で、日米両方を見られる税務専門家に任せるのが標準です。報酬は経費になります。
記帳の型を作ります
賃料、経費、送金、レート。月次で1か所に集まる仕組みを作れば、申告期は集計を渡すだけになります。管理会社の月次報告を土台にするのが実務です。
賃貸なら課税方式を選択します
純額課税の選択とW-8ECIの提出を、貸し始める前に済ませます。順序を誤ると初年度の賃料から総額源泉が引かれます。
毎年やること
賃貸に出している場合の、通常年の申告です。
連邦申告(1040-NR等)
賃料収入から経費と減価償却を差し引いた純額を申告します。申告を続けることが純額課税の選択を維持する条件で、空白の年を作らないことが重要です。
州・市の申告
ニューヨーク州の所得申告が加わります。物件が複数州にあれば、州ごとに申告が走ります。
日本側の申告
日本にお住まいの方は、米国の賃料を日本の不動産所得としても申告します。米国で納めた税は外国税額控除の対象になり得ますが、両国の書類が揃って初めて機能します。
貸していない年も判断が要ります
自宅・二拠点として使うだけの年は米国側の申告義務が生じない場合もありますが、州や滞在日数の状況で変わります。毎年、申告要否そのものを専門家と確認するのが安全です。
売却の年に起きること
売却の年は、通常年に精算の工程が重なります。
源泉徴収と精算
売却時に総額基準で源泉(FIRPTA)が引かれ、申告で実際の譲渡益に基づく税額と精算します。源泉が上回っていれば還付されます。
過去の償却の取り戻し
保有中に取った減価償却は、売却時に取り戻し課税の対象です。過去の申告書と償却の記録がここで必要になります。
取得時からの資料を使います
取得価額、改修の資本的支出、按分の根拠、各年のレート。売却年の申告は、取得時まで遡る書類仕事です。資料は保有中ずっと保管が原則です。
日本側の譲渡申告
円換算の譲渡損益を日本でも申告します。購入時と売却時のレート差が損益を大きく動かすため、送金ごとのレート記録が効いてきます。
年間カレンダーの目安
通常年の大まかな流れです。期限は年により動くため、実際の日付は毎年確認してください。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1〜2月 | 前年の賃料・経費の集計。管理会社の年次報告と源泉関係の書類を受領 |
| 2〜4月 | 日本の確定申告(2〜3月)。米国連邦・州の申告準備 |
| 4〜6月 | 米国申告の提出(非居住者は6月期限のパターンあり。延長制度も) |
| 年間随時 | 四半期ごとの予定納税が必要な場合の納付 |
| 12月 | 翌年に向けた損益の見直し。修繕・支出のタイミング調整 |
日本の申告期と米国の申告期は数ヶ月ずれて連続します。書類を一度整理すれば両方に使えるため、1〜2月の集計がその年の山になります。
よくある質問
申告のご相談で実際に多い質問です。
申告しないとどうなりますか
赤字でも申告は必要ですか
専門家の費用はどのくらいですか
夫婦共有で持っている場合の申告は
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まずはご相談ください
保有の状況をお知らせいただければ、必要な番号と書類、年間の申告カレンダー、記帳の型までを整理します。申告の実務は提携する日米の税務専門家と連携して進めます。
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