コンドミニアムを買う手順のすべて
ニューヨークのコンドミニアム購入は、日本の分譲マンションとは手続きの順番も関係者も違います。エージェントと弁護士の役割、オファーから契約までの動き、理事会の確認、クロージングで払う費用。日本にお住まいのまま進める場合の段取りも含め、実務の順番でまとめました。
このガイドでわかること
- 購入の流れはオファー、契約、理事会確認、クロージングの4段階です
- 買主側のエージェントと弁護士は役割が別で、両方が必要です
- 契約時に価格の10パーセントを手付金としてエスクローに預けます
- コンドの理事会は先買権の確認のみで、コープのような審査はありません
物件を見る前に決めておくこと
ニューヨークの良い物件は動きが速く、迷っている間に消えます。先に決めておくべきことは3つです。
名義をどうするか
個人名義か、LLCなどの法人名義か、トラストか。コンドミニアムはいずれも選べますが、法人を使う場合は設立に数週間かかります。物件が出てから作り始めると契約に間に合いません。
資金の形を決める
現金か、ローンを使うか。ローンの場合は事前承認(プリアプルーバル)を取っておきます。非居住者向けのローンは扱う金融機関が限られるため、この確認だけで数週間を見ておきます。
予算は総額で組む
物件価格に加えて、100万ドル以上ならマンションタックス、弁護士費用、タイトル保険、ローンなら記録税がかかります。目安として価格の2〜4パーセントを閉じる費用として上乗せしておきます。
順番がすべてです
名義と資金が決まっていれば、物件が出た当日にオファーを出せます。ニューヨークの購入は、判断の速さがそのまま取得の可否になります。
物件の探し方と内見
公開物件はオンラインで誰でも見られます。差が付くのは、公開前の情報と、内見で何を見るかです。
公開物件
主要なポータルで、価格・管理費・固定資産税・過去の取引履歴まで公開されています。気になる物件は過去に何度売りに出たか、価格をどう変えてきたかまで見ます。
エージェント経由の情報
売り出し前の物件や、公開せずに売りたい売主の物件は、エージェントの間で先に回ります。買主側のエージェントを早く決めるほど、この情報に触れる期間が長くなります。
遠隔での内見
日本からの購入では、ビデオ内見と現地代理の内見を組み合わせます。写真で分からないのは天井高、窓からの実際の景色、騒音、共用部の管理状態です。この4点を必ず確認してもらいます。
内見では住戸だけでなく建物を見ます。ロビーの管理状態、エレベーターの更新時期、掲示板の貼り紙。建物の運営の質は、共用部に表れます。
オファーと交渉
ニューヨークのオファーは口頭ではなく書面で出します。価格と同じくらい、条件の付け方が結果を左右します。
オファーに含めるもの
希望価格、資金の証明(現金なら残高証明、ローンなら事前承認書)、希望するクロージング時期、そして買主の簡単な紹介です。資金証明のないオファーは、売主側でまず読まれません。
交渉で動くのは価格だけではありません
クロージングの時期、家具の扱い、修繕の負担、ローン条項(融資が下りなかった場合に解約できる条項)の有無。売主の事情によっては、価格より時期の柔軟さが効くことがあります。
合意はまだ契約ではありません
オファーが受け入れられても、契約書に双方が署名するまで法的な拘束力はありません。この間に別の買主がより良い条件を出してくると、話が覆ることもあります。合意から契約までを速く進めることが防御になります。
契約とデューデリジェンス
ここから弁護士の仕事です。ニューヨークの不動産取引では、買主と売主それぞれに弁護士が付きます。
弁護士が確認する書類
オファリングプラン(分譲の計画書)、管理組合の直近2期の財務諸表、理事会の議事録、規約。建物に大きな修繕の予定がないか、訴訟を抱えていないか、賃貸の制限はどうなっているかを、ここで読み切ります。
契約書への署名と手付金
内容に問題がなければ契約書に署名し、価格の10パーセントを手付金として売主側弁護士のエスクロー口座に預けます。この時点から契約は拘束力を持ちます。
ローン条項の有無
融資が承認されなかった場合に手付金を取り戻して解約できる条項です。現金購入では不要ですが、ローンを使うなら付けるかどうかを弁護士と決めます。付けないオファーは売主に強く映る一方、融資が崩れた場合のリスクを買主が負います。
書類は全部取り寄せられます
財務諸表も議事録も、購入検討者は取り寄せて読む権利があります。遠慮して省略した確認は、購入後に費用として返ってきます。
理事会の確認と先買権
コンドミニアムの理事会は、コープの取締役会とは役割が違います。ここを混同すると、必要以上に身構えることになります。
クロージングと引き渡し
最後に残代金を払い、権利の書類に署名して鍵を受け取ります。当日に慌てないよう、費用の内訳を先に押さえます。
| 費用 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| マンションタックス | 価格の1〜3.9% | 100万ドル以上の住宅取得。価格帯で税率が上がります |
| タイトル保険 | 価格の0.4〜0.5%前後 | 権利の瑕疵に備える保険。買主負担が通例です |
| 買主側弁護士費用 | 数千ドル | 定額の事務所が多く、契約前に確認できます |
| ローン記録税 | 借入額の約1.8〜1.925% | ローンを使う場合のみ。現金購入では不要です |
| 管理費等の精算 | 日割り | 管理費・固定資産税の未経過分を売主と精算します |
新築分譲では、州と市の譲渡税を買主が負担する契約が一般的で、上記に加わります。誰から買うかで費用の構造が変わる点は、契約前に必ず確認してください。
よくある質問
購入のご相談で実際に多い質問をまとめました。
日本に住んだまま購入できますか
購入までどのくらいかかりますか
エージェントの費用は誰が払いますか
コープとどちらを買うべきですか
買った後の維持費は何がかかりますか
まずはご相談ください
ご予算と目的、名義のご希望をお知らせいただければ、購入可能な建物の絞り込みと、契約までにかかる実費の見積もりからご一緒します。名義と税務の設計段階からご相談いただけます。
不動産サービスはR New Yorkとしてのサービス提供となります。