建物の財務が、住戸の未来を決める
住戸がどれだけ良くても、建物の財務が壊れていれば月額は上がり、一時金が飛んできます。財務諸表、修繕積立、建物の借入、議事録。購入前に取り寄せられる書類から、5年後の月額を予測する読み方をまとめました。
このガイドでわかること
- 見るべきは4点。積立の残高、一時金の履歴、借入、収支の構成です
- 議事録には、財務諸表に出る前の値上げと工事の議論が先に現れます
- コープの借入(アンダーライング・モーゲージ)は借り換え時期が月額を左右します
- 商業区画の収入に依存する建物は、テナント退去が住民の負担増になります
最初に見る4つの数字
直近2期の財務諸表から、この4点を拾います。
修繕積立の残高
外壁・屋根・エレベーター・配管の大規模修繕に耐える水準か。建物の規模と年式に対して積立が薄ければ、将来の工事は一時金として住戸に来ます。
一時金(アセスメント)の履歴
過去に何回、いくらの一時金があったか。頻発している建物は、積立で賄えない運営が常態化している証拠です。現在進行中・予定の一時金は、価格交渉の材料にもなります。
収支の構成
管理費収入と支出の均衡、滞納の水準、商業区画の賃料収入への依存度。収入の柱が1本のテナントに依存している建物は、その退去で住民の負担が跳ねます。
月額の推移
直近5年の値上げ幅と、その理由(運営費か、税か、借入か)。値上げの内訳まで読むと、運営の質が見えます。
コープ特有の項目
コープの財務には、コンドにない構造が2つあります。
アンダーライング・モーゲージ
コープ法人としての建物全体の借入です。残高、金利、満期を確認します。金利上昇局面で借り換えを迎える建物は、メンテナンスの値上げがほぼ確実です。逆に、借入は一時金の平準化装置でもあるため、残高ゼロが常に良いわけではありません。
メンテナンスの分解
コープの月額には固定資産税と借入返済が内包されています。コンドと比べる際は、運営費・税・借入に分解し、同じ定義に揃えてから並べます。
議事録は建物の本音
財務諸表は過去の結果、議事録は未来の予告です。直近1〜2年分を読みます。
立ち止まるべきサイン
次のサインが複数重なる建物は、価格が魅力的でも慎重に扱います。
| サイン | 何を意味するか |
|---|---|
| 積立が極端に薄い | 将来の工事が一時金として来る |
| 一時金が数年おきに発生 | 計画的な積立ができていない運営 |
| 滞納率が高い | 住民の支払い能力か、運営への不信 |
| 管理費が周辺相場より不自然に安い | 必要な支出の先送りの可能性 |
| 監査済み財務諸表がない | 運営の透明性そのものに問題 |
| 訴訟を複数抱えている | 費用・保険料・融資への波及 |
融資を使う場合、建物の財務は買主だけでなく金融機関も審査します。財務の悪い建物は買主のローンが通りにくく、それは将来の売却時に買い手が付きにくいことも意味します。
よくある質問
建物財務のご相談で実際に多い質問です。
書類はどうやって手に入れますか
積立はどのくらいあれば十分ですか
新築でも財務は見るべきですか
財務の悪い建物は買ってはいけませんか
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まずはご相談ください
検討中の建物の財務諸表と議事録を取り寄せ、5年後の月額の見立てまで整理してお出しします。数字の裏付けを持って価格交渉に臨めます。
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