ホーボーケンやジャージーシティの価格に手が届かない。それでもマンハッタンまでの通勤時間は30分以内に収めたい。この条件でご相談をいただいたとき、当社が候補に挙げるのがユニオンシティ(Union City)です。
ハドソン川沿いのホーボーケンやウィーホーケンから、パリセーズと呼ばれる崖を登った丘の上にある街です。川沿いの街に比べて知名度は高くありませんが、過去5年の価格上昇率は40.1%で、ハドソン川沿いの主要都市の中で最も大きく動きました。
投資の観点でも、実需の観点でも、いま確認しておく価値のあるエリアです。ここでは物件の構成、通勤手段、税負担の注意点を順にご説明します。
1. ユニオンシティとはどのようなエリアか

ユニオンシティはニュージャージー州ハドソン郡の都市で、面積は約1.3平方マイルです。そこに約6万8,000人が住んでおり、全米で最も人口密度の高い都市のひとつに数えられます。
街の性格を決めているのは地形です。ハドソン川沿いのウィーホーケンから崖を登った台地の上にあり、東側の縁からはマンハッタンのミッドタウンが正面に見えます。この標高差が、川沿いの洪水リスクから距離を取れる理由にもなっています。
南北に走るバーゲンライン・アベニュー(Bergenline Avenue)が中心の商店街です。食料品店、パン屋、飲食店が数十ブロックにわたって続き、地元の生活はこの通りで完結します。
移民が担ってきた商店街の歴史がそのまま残っており、個人経営の飲食店と食料品店の多さに表れています。
公立学区は、限られた予算で学力を改善した事例として全米の教育研究で取り上げられてきた学区です。お子様連れで検討される方には確認しておく価値のある材料になります。
2. 物件のタイプと構成

ユニオンシティの物件で中心になるのは、2世帯から4世帯のマルチファミリーです。細長い敷地に建物が詰まって並び、1棟の中に独立した住戸が上下に重なる構成が基本形です。
この構成は投資と実需の両方に向きます。1戸に自分が住み、残りを貸して住宅ローンの返済に充てるという持ち方が現実的に成立します。アメリカでは自己居住を含む物件に対して有利な融資条件が使えるため、初めての物件として選ばれることの多い形です。
次に多いのがコンドミニアムです。近年の新築は東側の崖に近い区画に集まり、マンハッタンの眺望が価格に反映されます。
川沿いのホーボーケンやウィーホーケンに並ぶような大型のタワーは、街の面積と地形の制約からほとんどありません。高層タワーを求める方には向かず、1棟を持って運用したい方に向く市場だと整理してください。
3. 物件価格と賃貸相場

Zillowの住宅価格指数(ZHVI)と観測家賃指数(ZORI)で見た2026年6月時点の水準です。ハドソン川沿いの近隣都市と並べます。
| 都市 | 中位住宅価格 | 過去5年の上昇率 | 月額家賃の目安 | 表面利回り |
|---|---|---|---|---|
| ユニオンシティ | 569,523ドル(約8,543万円) | 40.1% | 2,421ドル(約36万円) | 5.10% |
| ウエストニューヨーク | 469,253ドル(約7,039万円) | 31.5% | 2,635ドル(約40万円) | 6.74% |
| ジャージーシティ | 665,140ドル(約9,977万円) | 14.1% | 3,182ドル(約48万円) | 5.74% |
| ウィーホーケン | 883,170ドル(約1億3,248万円) | 22.9% | 3,793ドル(約57万円) | 5.15% |
| ホーボーケン | 883,215ドル(約1億3,248万円) | 4.8% | 3,941ドル(約59万円) | 5.35% |
1ドル150円で換算しています。表面利回りは年間家賃を物件価格で割ったグロスの数字で、固定資産税、保険、修繕費は含みません。
読み取っていただきたいのは2点です。
ひとつは、ユニオンシティの上昇率40.1%が近隣で最も大きいことです。ホーボーケンが4.8%でほぼ止まっている間に、丘の上の街に需要が移動しました。川沿いの価格が上がりきった結果として、通勤時間が同程度で価格が3割から4割安い場所が選ばれた形です。
もうひとつは、上昇した結果として利回りは5.10%まで下がっていることです。隣のウエストニューヨークは6.74%で、価格が4割上がる前のユニオンシティに近い位置にあります。利回りを最優先されるなら比較対象に入れてください。
4. 交通アクセスと日常の利便性

ユニオンシティにPATHの駅はありません。通勤手段は主に2つです。
ひとつはバスです。NJトランジットと民間の路線バスがリンカーントンネルを抜けてマンハッタンのポートオーソリティ・バスターミナルへ向かいます。所要時間は20分から30分程度ですが、トンネルの渋滞に左右されるため、朝の時間帯は余裕を見る必要があります。
もうひとつはハドソン・バーゲン・ライトレールです。バーゲンライン・アベニュー駅はエレベーターで崖の下の駅とつながっており、そこからホーボーケンへ出てPATHやフェリーに乗り換えます。乗り換えは増えますが、渋滞の影響を受けません。
このPATHの駅がないという点が、川沿いの街との価格差の主な理由です。裏を返せば、鉄道が延伸するような話が出れば価格が動く要素にもなります。
生活面はバーゲンライン・アベニューで完結します。駐車は路上が中心で、住民向けの許可制の区域があります。車をお持ちの場合は駐車場付きの物件を条件に入れることをおすすめします。
5. 購入時の注意点と資産価値の考え方

確認しておくべき点が3つあります。
ひとつめは固定資産税です。ニュージャージー州の固定資産税は全米で最も重く、州平均の実効税率は2.2%前後です。57万ドルの物件で年間1万2,000ドル前後、日本円で約180万円が毎年かかる計算になります。税率と課税評価額は自治体ごと、物件ごとに違うため、検討中の物件の税額を必ず実額で確認してください。表面利回り5.10%からこの負担を引くと、実質は3%を割ることがあります。
ふたつめはマルチファミリー特有の実務です。複数の住戸を持つ以上、入居者の入れ替わりも修繕も戸数分発生します。築年数の古い建物が多い市場なので、屋根、給排水、電気系統の更新履歴を購入前に確認してください。ニュージャージー州は借主の保護が比較的強く、退去の手続きに時間がかかる点もあわせて把握しておく必要があります。
みっつめは上昇後の水準であることです。過去5年で40%上がった後の価格です。この上昇は川沿いとの価格差が埋まる過程で起きたものなので、同じ勢いが続く前提で計算するのは危険です。家賃収入で回る数字になっているかを軸に判断してください。
資産価値の支えは、面積の制約と人口密度です。1.3平方マイルの市域に新しい住戸を大量に供給する余地がないため、需要が増えたときに価格が下方向へ崩れにくい構造があります。
地元で通われている店と公共空間

バーゲンライン・アベニューには、家族経営のパン屋と食料品店が今も並んでいます。カリブ料理や中南米料理の店が多く、価格帯も地元向けの水準です。
公共空間としては、崖の縁に沿ったウォッシントン・パークが街の南端にあり、ユニオンシティとホーボーケンの境界にまたがっています。ミッドタウンの摩天楼を正面に見ながら歩ける場所です。
街の中心部にはファース・パークがあり、遊具とスポーツコートが整備されています。実際にご覧いただく際は、平日の夕方と週末の両方で街の様子を見比べていただくことをおすすめしています。
マンハッタンへの通勤圏としての比較や、ニューヨーク側での購入をお考えの場合はニューヨーク不動産の購入ガイドとニューヨークシティのコンドミニアム購入のガイド(価格相場と手順、費用)もあわせてご覧ください。
まとめ
ユニオンシティは、ハドソン川沿いの価格に手が届かない方に対して、通勤時間をあまり延ばさずに3割から4割安い水準で検討できるエリアです。
物件はマルチファミリーが中心で、1戸に住みながら残りを貸すという持ち方が現実的に成立します。過去5年で40.1%という近隣最大の上昇を見せた一方、その結果として利回りは5.10%まで下がっています。
固定資産税の重さと、PATHの駅がないという構造は、購入前に必ず数字に織り込んでください。そのうえで、供給余地のない市域と高い人口密度は、長く持つうえでの下支えになります。
ユニオンシティの物件をご検討されている方は、ご予算と通勤先、自己居住か投資かをお知らせいただければ、条件に合う物件と、契約までにかかる実費をまとめてお出しします。
よくある質問
ユニオンシティの過去5年の価格上昇率はどの程度ですか。
ユニオンシティの過去5年間の価格上昇率は40.1%であり、ハドソン川沿いの主要都市の中で最も大きく動いたエリアです。この急激な上昇は川沿いの価格が上がりきった結果として、通勤時間が同程度で価格が安い場所への需要移動によって起きた現象と整理されています。
ユニオンシティの物件構成で中心となるタイプは何ですか。
ユニオンシティの物件構成で中心となるのは2世帯から4世帯のマルチファミリーです。細長い敷地に建物が詰まり、1棟の中に独立した住戸が上下に重なる基本形は、自己居住を含む物件に対して有利な融資条件が使えるため、初めての物件として選ばれることが多い形となっています。
ユニオンシティの固定資産税負担はどの程度になりますか。
ニュージャージー州の固定資産税は全米で最も重く、州平均の実効税率は2.2%前後です。57万ドルの物件では年間1万2,000ドル前後、日本円で約180万円が毎年かかる計算になり、表面利回りからこの負担を引くと実質は3%を割ることがあります。
ユニオンシティからマンハッタンへの通勤手段には何がありますか。
ユニオンシティにはPATHの駅がなく、通勤手段は主にバスとハドソン・バーゲン・ライトレールの2つです。バスはリンカーントンネルを抜けてポートオーソリティへ向かい、ライトレールはホーボーケンで乗り換える必要がありますが、渋滞の影響を受けません。
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NEIGHBOURHOODSニューヨークの街と、他都市との比較(97件)
マンハッタンの街
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- カーネギーヒル — 美術館の並びに住む
- ヨークビル — 地下鉄新線が変えた買い場
- タートルベイ — 国連の街の静かな買い場
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- フラットアイアン — ロフトの広さと価格
- ノマド — マンハッタン中央部の相場
- チェルシー — ハイライン沿いのレジデンス
- ウエストヴィレッジ — 石畳の歴史地区
- グリニッチビレッジ — 低層の街と戦前コープ
- ノーホー — 数ブロックのロフト一等地
- ソーホー — ロフト市場の実態
- ロウアーイーストサイド — 変わり続ける街の値段
- 金融地区 — ウォール街に暮らす
- ハーレム — ブラウンストーン1棟と賃料規制
- リンカーンスクエア — 公園と劇場に挟まれた一角
- レノックスヒル — 戦前コープと新築コンドの差
- キップスベイ — 価格を抑えて名義を設計する
- マレーヒル — ミッドタウン東の住み替え先
- サットンプレイス — イーストリバー沿いの静かな一角
- モーニングサイドハイツ — 大学に囲まれた区域で持つ
- アッパーイーストサイド — 学区とコープ審査、物件価格
- トライベッカ — 最高価格帯のロフトと新築
- ノリータ — 小さな街区と低層の街並み
- イーストビレッジ — ダウンタウンで家賃を抑える
- ヘルズキッチン — ミッドタウン至近の家賃
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- ミッドタウンイースト — 通勤10分圏の家賃と物件選び
- バッテリーパークシティ — 借地権という落とし穴
ブルックリンの街
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- コブルヒル — ランドマーク地区のブラウンストーン
- キャロルガーデンズ — 住みながら貸す二戸建て
- ボーラムヒル — 学区の境界は住所ごとに違う
- フォートグリーン — コープが多い地区で海外から買う
- プロスペクトハイツ — 固定資産税の減税が切れる日
- ダウンタウンブルックリン — 供給が集中した地区の出口
- ダンボ — 倉庫街から高級住宅地へ
- グリーンポイント — 水辺エリアの家賃相場
- ウィリアムズバーグ — 水辺の新築と倉庫改装
- ブッシュウィック — 倉庫街から住宅地へ
- クラウンハイツ — ブラウンストーンと大型コープ
- ベッドフォードスタイベサント — ブラウンストーン1棟の持ち方
- レッドフック — 洪水リスクと保険で見る水辺
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クイーンズとブロンクスの街
- ロングアイランドシティ — 水辺のタワーと1駅の距離
- アストリア — 低層の街と二世帯住宅
- フォレストヒルズ — 戦前コープとガーデン地区
- ジャクソンハイツ — 歴史地区に残るコープ
- レゴパーク — 大型コープと戸建てが混ざる
- フラッシング — 7号線の終点に建つ新築コンド
- サニーサイド — 地下鉄一本で出られる低層の街
- ウッドサイド — 二世帯住宅を持つという選択
- キューガーデンズ — 戦前コープと戸建てが混ざる
- リバーデール — ハドソン川を見下ろす戸建て
ウエストチェスターの街
- スカーズデール — 村の税と戸建ての価格帯
- ブロンクスビル — 1平方マイルの村に建つコープ
- ライ — 湾に面した戸建ての価格帯
- ホワイトプレーンズ — 郡庁所在地の高層コンド
- ハリソン — 駅前と丘側で異なる区域
- イーストチェスター — 町の中の2村で税が変わる
- ママロネック — 町と村にまたがる住所
- ラーチモント — 湾に面した戸建てと通勤
- ペラム — 二つの村に分かれた町の税負担
- ニューロシェル — 再開発の高層コンドと湾岸の戸建て
ロングアイランドの街
- ナッソー郡 — 郡全体の価格と固定資産税
- グレートネック — LIRRの3駅と戸建ての価格帯
- ポートワシントン — 港と商店街、支線の終点
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