ウッドサイドは、クイーンズ西部、サニーサイドの東隣にある住宅地です。7号線の高架とロングアイランド鉄道のウッドサイド駅が交差し、二つの路線でマンハッタンに出られます。
この地区を取り上げるのは、マンハッタンの集合住宅とはまったく違う資産、つまり複数世帯の住宅を、現実的な価格で持てる場所だからです。エリアの紹介だけでなく、名義と税務の設計まで書きます。
1. 概要と住宅の種類

ウッドサイドの住宅在庫は、二世帯または三世帯の住宅が中心です。1920年代から1950年代に建てられた二階建てから三階建てのレンガ造りが並び、一階を所有者が使い、上階を貸すという持ち方が古くから続いています。敷地の間口は5.5メートルから7.5メートル前後です。
集合住宅は、クイーンズブルバードと高架沿いに六階建て前後のコープがあります。コンドミニアムはごく少なく、2000年代以降に建った小規模なものが点在する程度です。つまりこの地区で選べるのは、住宅そのものを一棟買うか、数少ないコンドミニアムを買うかのどちらかになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置 | クイーンズ西部、サニーサイドの東、ジャクソンハイツの西 |
| 主な住宅形態 | 二世帯・三世帯住宅、戦後のコープ、少数のコンドミニアム |
| 価格帯の目安 | 二世帯住宅は95万ドルから140万ドル、三世帯は130万ドルから180万ドル |
| 通勤 | 7号線でグランドセントラルまで約18分、LIRRでペンステーションまで約13分 |
| 地区の性格 | 低層の住宅地に商店街が重なる |
クイーンズ全体の位置関係はクイーンズのエリア案内に、東隣の街並みはジャクソンハイツの記事にまとめてあります。
2. 価格の位置づけ

二世帯住宅の実勢は95万ドルから140万ドルです。延床2,000平方フィート前後、間口6メートルほどの標準的な建物が、105万ドルから125万ドルの帯に集まります。三世帯になると130万ドルから180万ドルで、間口が広い物件や角地はこれを超えます。
コープは1平方フィートあたり350ドルから500ドルで、2ベッドルームなら35万ドルから50万ドルです。コンドミニアムは1平方フィートあたり650ドルから850ドルの水準で、売り出しの数がかぎられています。
この地区で価格を分けるのは、駅までの距離と、賃貸に出している住戸に入居者がいるかどうかです。既存の賃貸契約が残っている物件は、その条件がそのまま引き継がれます。売買の前に、各住戸の賃料と契約期間を書面で確認してください。
3. 賃料と維持費の釣り合い

二世帯住宅の各階は、月2,400ドルから3,200ドルで貸せる水準です。両階を貸せば年間およそ6万ドルから7万ドルになり、購入価格115万ドルに対する表面利回りはおよそ5.5%になります。マンハッタンの集合住宅の3%と比べれば高い水準です。
ここから固定資産税、火災保険、暖房と給湯設備の保守、屋根と外壁の修繕が引かれます。二世帯住宅の固定資産税は年8,000ドルから14,000ドルの範囲が目安です。経費を引いた手取りの利回りは、おおむね3.5%前後になります。
複数世帯の住宅は、集合住宅と違って管理組合がありません。修繕の判断も入居者の対応もすべて所有者に来ます。遠隔で保有するなら管理を委託することになり、その費用を先に見込んでおく必要があります。集合住宅側の費用構造はコモンチャージと管理費の考え方と比べてみてください。
4. 購入の実務と名義の設計
二世帯・三世帯住宅とコンドミニアムは、外国籍でも非居住でも購入できます。理事会の面接はなく、名義は個人、LLC、信託のいずれも選べます。とくに複数世帯の住宅は賃貸事業としての性格が強いため、LLC名義を検討する場面が多くなります。コープは理事会の審査があり、非居住の方はほとんど通りません。前提はコープの審査と外国籍の壁で確認できます。
賃料を得る場合、非居住者は賃料総額の30%の源泉徴収が原則で、確定申告を選ぶと経費を引いた純額への課税に切り替えられます。LLC名義で保有する場合の税務はLLC名義での保有と税務で、売却時のFIRPTAの源泉徴収も同じ流れで確認できます。
個人名義のまま非居住者が亡くなると、米国の遺産税は基礎控除が6万ドルしかなく、最高税率40%が超過分にかかります。名義の設計は、購入後に変えると譲渡税がかかるため、契約前に決めます。取引の際には、その時点の最新の税務を、契約書と書面で確認してください。
5. まとめ
ウッドサイドは、賃料の入る住宅を一棟持てる地区です。集合住宅の一室とは、管理の手間も税務の組み立ても変わります。買う前に、各住戸の賃貸契約と固定資産税の実額を確認してください。購入の全体の流れはニューヨーク不動産の購入ガイドに、日本にいながら進める手順は日本からの遠隔購入にまとめてあります。
売り出し状況と、非公開で動いている住戸のご案内も承っております。
よくある質問
ウッドサイドの二世帯住宅は外国籍でも購入できますか。
購入できます。理事会の面接はなく、名義は個人、LLC、信託から選べます。賃貸事業としての性格が強いため、LLC名義を検討する場面が多くなります。コープだけは理事会の審査があり、非居住の方が承認を得るのは難しいのが実情です。
入居者がいる状態で購入した場合、契約はどうなりますか。
既存の賃貸契約は、そのままの条件で新しい所有者に引き継がれます。賃料も期間も自動では変わりません。契約前に、各住戸の賃料、契約の残期間、家賃規制の対象かどうかを書面で確認してください。
マンハッタンまでの通勤時間はどのくらいですか。
7号線でグランドセントラルまで約18分、ロングアイランド鉄道のウッドサイド駅からペンステーションまで約13分です。二つの路線が使えるため、片方が止まっても通勤の代替が利きます。
賃貸に出した場合の利回りはどのくらいですか。
二世帯住宅で両階を貸した場合、表面利回りはおおむね5.5%です。固定資産税、保険、設備の保守、修繕を引いた手取りは3.5%前後になります。管理組合がないため、遠隔保有なら管理委託の費用も見込んでください。
本ページの相場、利回り、所要時間などの数値は、一般に公開されているデータや当社の取引経験にもとづく目安です。物件、時期、条件によって実際とは異なる場合があり、当社が正確性および最新性を保証するものではありません。犯罪発生状況はニューヨーク市警などの公的機関が地区ごとの統計を公開しているため、そちらの数字をご確認ください。当社は入居者や購入者の国籍、人種、出身、宗教、家族構成によって物件やエリアをお勧めすることはいたしません。本ページの内容は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や税務助言には当たりません。

















