キューガーデンズは、クイーンズ中部、フォレストヒルズの東隣にある区域です。1910年代から1920年代に鉄道の駅を中心として計画的に造られた住宅地で、当時の街並みが今も残っています。
この地区を取り上げるのは、戦前コープと戸建てが同じ区域に混在し、どちらを選ぶかで買える名義まで変わるからです。エリアの紹介だけでなく、名義と税務の設計まで書きます。
1. 概要と住宅の種類

キューガーデンズの住宅は二層に分かれます。ひとつはレフォーツブルバードとオースティンストリート沿いの集合住宅で、1920年代から1930年代に建てられた六階建て前後の戦前コープが中心です。天井が高く、部屋の区切りがはっきりした間取りです。
もうひとつが、駅の南側に広がる戸建ての区域です。チューダー様式とコロニアル様式の家が並び、その一部はキューガーデンズ歴史地区として市の指定を受けています。指定範囲では外観の変更に許可が要ります。コンドミニアムは数が少なく、選択肢は限られます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置 | クイーンズ中部、フォレストヒルズの東、ジャマイカの西 |
| 主な住宅形態 | 戦前コープ、歴史地区を含む戸建て、少数のコンドミニアム |
| 価格帯の目安 | コープは1平方フィートあたり300ドルから480ドル、戸建ては95万ドルから200万ドル |
| 通勤 | E・F線でミッドタウンまで約25分、LIRRでペンステーションまで約20分 |
| 地区の性格 | 駅を中心に計画的に造られた住宅地 |
クイーンズ全体の位置関係はクイーンズのエリア案内に、西隣の街並みはフォレストヒルズの記事にまとめてあります。
2. 価格の位置づけ

コープの実勢は、1平方フィートあたり300ドルから480ドルです。1ベッドルームのおおむね750平方フィートで23万ドルから33万ドル、2ベッドルームの1,050平方フィートで33万ドルから48万ドルの帯に集まります。マンハッタンの同じ間取りの六分の一から七分の一の水準です。
戸建ては95万ドルから200万ドルです。延床2,000平方フィート前後、敷地0.1エーカーの標準的な家が120万ドルから150万ドルに集まります。歴史地区の中にある大型の物件、区画が広い物件はこれを上回ります。
コンドミニアムは1平方フィートあたり550ドルから750ドルの水準ですが、売り出しの数がかぎられます。この地区で価格を分けるのは駅からの距離と、住宅の形態そのものです。安く見える部分は、後で書くとおり買える人が限られる部分と重なります。
3. 賃料と維持費の釣り合い

賃貸に出した場合、1ベッドルームで月2,100ドルから2,700ドル、2ベッドルームで月2,800ドルから3,600ドルが目安です。コンドミニアムの購入価格に対する表面利回りは、おおむね5%前後になります。マンハッタンの3%と比べれば高い水準です。
ここから共益費と固定資産税が引かれます。コンドミニアムの共益費は1平方フィートあたり月0.7ドルから1.2ドル、固定資産税は1平方フィートあたり年8ドルから13ドルが目安です。2ベッドルームで月1,300ドル前後になり、手取りの利回りは3%前後に落ち着きます。
戸建てを貸す場合は月4,000ドルから6,500ドルの水準ですが、固定資産税が年8,000ドルから16,000ドル、これに保険と修繕と庭の手入れが乗ります。手取りの利回りは3%前後です。共益費の中身はコモンチャージと管理費の考え方にまとめてあります。
4. 購入の実務と名義の設計
戸建てとコンドミニアムは、外国籍でも非居住でも購入できます。理事会の面接はなく、名義は個人、LLC、信託のいずれも選べます。これに対して集合住宅の大半を占めるコープは理事会の審査があり、米国内の収入と資産の証明を求められるため、非居住の方はほとんど通りません。この地区で安く見えるのはコープなので、実際の選択肢は戸建てと少数のコンドミニアムになります。前提はコープの審査と外国籍の壁で確認できます。
賃料を得る場合、非居住者は賃料総額の30%の源泉徴収が原則で、確定申告を選ぶと経費を引いた純額への課税に切り替えられます。LLC名義で保有する場合の税務はLLC名義での保有と税務で、売却時のFIRPTAの源泉徴収も同じ流れで確認できます。
個人名義のまま非居住者が亡くなると、米国の遺産税は基礎控除が6万ドルしかなく、最高税率40%が超過分にかかります。名義の設計は、購入後に変えると譲渡税がかかるため、契約前に決めます。取引の際には、その時点の最新の税務を、契約書と書面で確認してください。
5. まとめ
キューガーデンズは、駅から歩ける戸建てを1億円台の後半で持てる区域です。集合住宅の大半はコープで買える対象から外れるため、探し方は戸建てと少数のコンドミニアムに絞られます。購入の全体の流れはニューヨーク不動産の購入ガイドに、日本にいながら進める手順は日本からの遠隔購入にまとめてあります。
売り出し状況と、非公開で動いている住戸のご案内も承っております。
よくある質問
キューガーデンズの物件は外国籍でも購入できますか。
戸建てとコンドミニアムであれば購入できます。理事会の面接はなく、名義は個人、LLC、信託から選べます。集合住宅の大半を占めるコープは理事会の審査があり、非居住の方が承認を得るのは難しいのが実情です。
歴史地区の家は自由に改装できますか。
キューガーデンズ歴史地区の指定範囲では、外観の変更にニューヨーク市の景観保存委員会の許可が要ります。窓、玄関扉、屋根の仕上げ、外壁が対象です。購入前に、その番地が指定範囲に入っているかを確認してください。
マンハッタンまでの通勤時間はどのくらいですか。
E・F線のキューガーデンズ・ユニオンターンパイク駅からミッドタウンまで約25分です。ロングアイランド鉄道のキューガーデンズ駅を使えば、ペンステーションまで約20分になります。二つの路線が使える点はこの地区の利点です。
戸建てとコンドミニアムのどちらを選ぶべきですか。
遠隔で保有するならコンドミニアムのほうが手間は少なくなります。共用部の修繕は管理組合が担うためです。戸建ては敷地と建物の自由度がある代わりに、修繕の判断も費用もすべて所有者に来ます。管理委託の費用を織り込んで比べてください。
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