Attorney & Title Guide

弁護士とタイトルの仕組みを理解する

ニューヨークの不動産取引では、エスクロー会社ではなく弁護士が取引を進めます。買主と売主にそれぞれ弁護士が付き、権利の瑕疵にはタイトル保険で備えます。日本の取引と役割分担が根本的に違うため、誰が何を守るのかを最初に整理しておきます。

ホーム  ›  ニューヨーク不動産ガイド  ›  弁護士とタイトル保険

このガイドでわかること

  • ニューヨークは弁護士州です。契約書の作成・確認は弁護士の仕事です
  • 買主側弁護士は書類調査、契約交渉、クロージングまでを担います
  • タイトル調査で権利の履歴を洗い、残った見えないリスクを保険で覆います
  • エージェントと弁護士は役割が別です。両方が必要です
Roles

取引に登場する人と役割

日本の取引と対応させると、役割の違いが見えます。

役割誰が担うか何を守るか
物件探しと交渉買主側エージェント買主の利益(価格・条件)
契約書の作成・確認双方の弁護士契約条件の法的な整合
書類のデューデリジェンス買主側弁護士建物と権利のリスク
手付金の保管売主側弁護士のエスクロー口座取引の安全
権利の調査と保証タイトル会社・タイトル保険所有権の確実性
決済の実行弁護士とタイトル会社資金と権利の同時交換

売主側の弁護士は売主の利益のために働きます。買主に弁護士が付かないという選択は、実務上ありえません。

Attorney

買主側弁護士の仕事

オファーが受け入れられた瞬間から、弁護士の工程が始まります。

契約書の交渉

売主側が作った契約書の条項を買主の利益で直します。ローン条項の有無、引き渡し条件、付帯物の扱い、解除条件。署名後は動かせないため、ここが弁護士の最初の山場です。

書類のデューデリジェンス

オファリングプラン、財務諸表、議事録、規約を読み、建物のリスクを洗います。判断材料は買主に説明され、契約に進むかを決めるのは買主です。

クロージングの実行

精算書の確認、送金の指示、権利書類への署名、登記の手配。遠隔購入では委任状により弁護士が当日を代理します。

費用は定額が主流です

住宅取引の買主側弁護士費用は定額の事務所が多く、契約前に総額を確認できます。時間課金の場合は見積もりの前提を先に確認してください。

Title

タイトル調査とタイトル保険

ニューヨークには日本の登記のような国家保証の仕組みがありません。権利の確実性は、調査と保険の二段構えで作ります。

タイトル調査で履歴を洗います

過去の所有者の連鎖、担保権、税金の滞納、判決による差し押さえの有無。クロージング前にタイトル会社が公的記録を遡って調査します。

見つかった問題はクロージング前に解消します

売主のローン残債の完済、古い担保権の抹消、滞納の精算。解消されない問題が残る物件は、そもそも決済に進みません。

残るリスクを保険で覆います

偽造された過去の書類、記録の誤り、調査で発見できない権利の主張。こうした見えないリスクに備えるのがタイトル保険です。保険料は取得時に一度だけ払い、保有中ずっと有効です。

担保範囲と例外を読みます

保険には除外事項があります。何が担保され何が除外されるかは証券に明記されており、弁護士が内容を確認します。

Choosing

弁護士の選び方

選ぶ基準は肩書きではなく、取引の型との一致です。

不動産取引が主業務であることニューヨークの住宅取引は独特の実務です。不動産を日常的に扱う事務所を選びます
海外の買主の経験委任状、国際送金、非居住者の税務連携。遠隔購入の段取りに慣れているかで、体験が大きく変わります
応答の速さニューヨークの取引は速さが競争力です。返信が遅い弁護士は、それだけで機会損失になります
言語の体制ご本人が英語の契約書を読み切れない場合、日本語で要点が共有される体制を最初に確認します
FAQ

よくある質問

弁護士とタイトルに関するご相談で実際に多い質問です。

弁護士はいつ決めればよいですか
物件探しと並行して決めておきます。オファーが通ってから探し始めると、契約書の交渉開始が数日遅れ、その間に取引が流れるリスクを負います。
タイトル保険は必須ですか
法律上の義務ではありませんが、慣行上ほぼ必須です。ローンを使う場合は金融機関が自らの分の付保を求め、買主自身の分(オーナーズポリシー)も同時に掛けるのが標準です。なおコープは不動産の登記を伴わないため、タイトル保険は原則不要です。
弁護士費用とタイトル保険料の目安は
買主側弁護士は住宅取引で数千ドルの定額が多く、タイトル保険は物件価格の0.4〜0.5パーセント前後が目安です。いずれもクロージング費用の一部として最初から予算に入れておきます。
日本の弁護士に頼めますか
ニューヨークの不動産取引はニューヨーク州の資格を持つ弁護士の業務です。日本側の税務や相続と連携が必要な場合は、両国の専門家をつなぐ形で進めます。

まずはご相談ください

海外からの購入に慣れた弁護士・タイトル会社との体制づくりからご一緒します。契約書と保険証券の確認は提携弁護士と連携して進めます。

不動産サービスはR New Yorkとしてのサービス提供となります。