ニューヨーク市では、2024年1月1日以降に申請された7階未満の新築で、建物の中でガスなどの化石燃料を燃やす設備が原則として使えません。市の地方法2021年第154号による決まりで、7階以上の建物は2027年7月2日以降の申請から対象になります。新しく建つ建物は、コンロも暖房も電気が前提になっていきます。
一方、今ガスを使っている建物には別の義務があります。2027年1月1日までに住戸ごとにガス検知器を付けることと、建物のガス配管を4年ごとに点検することです。新築を買う方、ガスのある建物を借りる方、貸している方のそれぞれに関わります。
- 7階未満の新築は2024年1月1日以降の申請から、7階以上は2027年7月2日以降の申請から、建物の中でガスを燃やせません
- 今ある建物のガスコンロを外す義務はありません。対象は新築と、新築扱いになる大きな改修です
- 集合住宅などの所有者は、2027年1月1日までに住戸ごとにガス検知器を付けます
- 1〜2世帯住宅を除く建物は、4年ごとに資格のある配管工がガス配管を点検します
本日はニューヨークの住まいのガスの決まりについて見ていきましょう。
1. 新築はガスを燃やせない。地方法2021年第154号

申請の日付と建物の高さで決まる
市の建築局の地方法2021年第154号の通知によると、建物の中で化石燃料を燃やすことを制限する規則は、建築局へ申請した日付で当てはまります。
| 申請の日付 | 対象の建物 |
|---|---|
| 2024年1月1日以降 | 7階未満の新築(給湯の設備を除く)と、1〜2世帯住宅 |
| 2025年12月31日以降 | 7階未満の手ごろな価格の住宅(給湯の設備を除く) |
| 2027年7月2日以降 | 手ごろな価格の住宅を除く、7階以上のすべての建物 |
| 2027年12月31日以降 | 7階以上の手ごろな価格の住宅 |
建築局の2023年12月13日の通知をもとに作成しました。既存の部分を残して新築として扱われる工事も含みます。
使ってよい例外
通知は例外として、発電や蒸気をつくる公益事業者の建物、市の環境保護局の下水や生ごみの処理施設のほか、建物の中でも製造、研究所、コインランドリー、病院、火葬場、業務用の厨房、非常用と予備の電源のための場所を挙げています。住宅の台所のガスコンロは例外に入りません。
州にも新築の電化を求める法律がありますが、施行の時期は裁判の行方で動いています。本記事では、すでに市で適用されている地方法第154号を扱います。
2. ガス検知器。2027年1月1日までに住戸ごとに

所有者が付けて、入居者が保つ
市の住宅局(HPD)のガス検知器の規則によると、地方法2016年第157号で、集合住宅と一部の1〜2世帯住宅の所有者は、煙と一酸化炭素の警報器に加えて、住戸ごとにガス検知器を付けることになりました。期限は2025年の法改正で2027年1月1日に延び、電池式の機器をつくる会社が足りない場合は2029年1月1日まで延びることがあります。
所有者は検知器を保守し、寿命が来たら取り替え、入居者に義務の内容を知らせます。各住戸の大人1人には、ガス漏れの危険、検知器の点検の方法、警報が鳴ったときの対応、検知器の寿命を伝えます。
入居者の負担には上限がある
所有者が電池式の警報器を付けた住戸の入居者は、その費用を所有者に払うことになっています。上限は、煙とガスの一体型なら1台50ドル、煙と一酸化炭素とガスの一体型なら1台75ドルで、入居者には付けた日から1年の支払いの猶予があります。
ガスのにおいがしたら、火をつけず、照明や家電のスイッチにも触らずに、まず建物の外に出ます。通報は外に出てから911にします。検知器が鳴ったときの対応は、所有者が入居者に伝える情報にも含まれます。
3. ガス配管の点検。4年ごとに資格のある配管工が

対象と手続き
建築局のガス配管の定期点検の案内では、1〜2世帯住宅を除くすべての建物で、ガス配管を少なくとも4年に1回、免許を持つ配管工(マスタープラマー)が点検します。手続きは次のとおりです。
- 配管工が点検し、30日以内に所有者へ報告書を渡します。ガス漏れなど直ちに直すべき不具合があれば、配管工はすぐに所有者、ガス会社、建築局に知らせます
- 所有者は点検から60日以内に、点検の証明書を建築局へ出します
- 直す箇所があれば、直したことの証明書を120日以内に出します(延長を求めた場合は180日以内)
- 期限までに証明書を出さないと、5,000ドルの民事罰の対象になります
点検の年は地区で決まる
| コミュニティ地区の番号 | 2回目の点検の年 | 3回目の点検の年 |
|---|---|---|
| 1、3、10 | 2024年 | 2028年 |
| 2、5、7、13、18 | 2025年 | 2029年 |
| 4、6、8、9、16 | 2026年 | 2030年 |
| 11、12、14、15、17 | 2027年 | 2031年 |
5つの区のどれでも、地区の番号で年が決まります。建物の地区の番号は市の都市計画局のサイトで住所から調べられます。
4. 買う方、借りる方、貸す方が確かめること

新築を買う、借りるとき
新しい建物では、IHコンロ、電気式の暖房と給湯が前提になります。ガス代がかからない代わりに、電気代が住まいの光熱費の中心になります。電気代の内訳と目安はニューヨークの電気代にまとめています。
- 新築なら、コンロ、暖房、給湯がすべて電気か、給湯だけガスか
- 古い建物なら、住戸のガス検知器が付いているか
- 建物のガス配管の点検の証明書が、期限どおりに出されているか
- 過去に配管の不具合で建物全体のガスが止まったことがないか
日本から持って貸している方
コンドの1戸を貸している場合、配管の点検は建物の管理組合の仕事ですが、点検のときに住戸に入れるよう入居者と日程を合わせる必要があります。ガス検知器を建物と住戸のどちらが付けるかは、管理組合に確かめておきます。暖房の義務はアパートの暖房はいつから何度かに、2030年からの冷房の義務は賃貸のエアコンの義務にまとめています。コンドを買う流れはコンドミニアム購入ガイドをご覧ください。
まとめ

新築は電気、今ある建物は検知器と点検
ニューヨーク市では、7階未満の新築は2024年1月1日以降の申請から、7階以上は2027年7月2日以降の申請から、建物の中でガスを燃やせません。今ある建物のガスコンロを外す義務はありません。
ガスを使う建物には、2027年1月1日までの住戸ごとのガス検知器と、4年ごとの配管の点検の義務があります。買う方はコンロと給湯の方式を、貸す方は検知器の設置と点検の日程を、先に確かめておくと安心です。
よくある質問
ニューヨークでは新築にガスコンロを付けられないのですか。
市の地方法2021年第154号で、2024年1月1日以降に申請された7階未満の新築と1〜2世帯住宅は、建物の中で化石燃料を燃やす設備を原則使えません。7階以上の建物は2027年7月2日以降の申請から対象です。業務用の厨房や非常用の電源などは例外ですが、住宅の台所のガスコンロは例外に入りません。
今住んでいるアパートのガスコンロは使えなくなりますか。
地方法第154号の対象は新築と、新築として扱われる大きな改修です。今ある建物のガスコンロを外す義務はこの法律にはありません。ただしガスを使う建物には、住戸ごとのガス検知器と4年ごとの配管の点検の義務があります。
ガス検知器はいつまでに付ける必要がありますか。
地方法2016年第157号と2025年の改正で、集合住宅などの所有者は2027年1月1日までに住戸ごとにガス検知器を付けます。電池式の機器の供給が足りない場合は2029年1月1日まで延びることがあります。所有者は保守と取り替え、入居者への通知も行います。
ガス配管の点検はどの建物に必要ですか。
1〜2世帯住宅を除くすべての建物で、少なくとも4年に1回、免許を持つ配管工が点検します。所有者は点検から60日以内に証明書を建築局へ出し、出さないと5,000ドルの民事罰の対象になります。点検の年はコミュニティ地区の番号で決まります。
本ページの相場、利回り、所要時間などの数値は、一般に公開されているデータや当社の取引経験にもとづく目安です。物件、時期、条件によって実際とは異なる場合があり、当社が正確性および最新性を保証するものではありません。犯罪発生状況はニューヨーク市警などの公的機関が地区ごとの統計を公開しているため、そちらの数字をご確認ください。当社は入居者や購入者の国籍、人種、出身、宗教、家族構成によって物件やエリアをお勧めすることはいたしません。本ページの内容は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や税務助言には当たりません。
















