レッドフックは、ブルックリン西部、アッパーニューヨーク湾に突き出した区域です。19世紀に港湾と倉庫の街として造られ、その建物が今も街並みの骨格になっています。
この地区を取り上げるのは、価格が周辺より低いことに明確な理由があり、その理由が保険料と資産価値に直接効いてくるからです。エリアの紹介だけでなく、名義と税務の設計まで書きます。
1. 概要と住宅の種類

レッドフックの住宅は、二階建てから三階建ての木造とレンガ造りの低層住宅が中心です。19世紀の労働者向け住宅がそのまま残り、その間に倉庫を転用した集合住宅が点在します。高層の建物はほとんどなく、空が広く見えるのがこの地区の特徴です。
交通の条件が他の区域と大きく違います。地下鉄の駅がなく、バスかフェリーで移動します。ニューヨーク市のフェリーでウォール街まで約20分、車ならブルックリンバッテリートンネル経由でマンハッタンに直結します。この不便さが価格に織り込まれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置 | ブルックリン西部、キャロルガーデンズの南西、アッパーニューヨーク湾に面する |
| 主な住宅形態 | 低層の木造・レンガ造り住宅、倉庫からの転用集合住宅 |
| 価格帯の目安 | 一戸建て・二世帯住宅は110万ドルから200万ドル、集合住宅は1平方フィートあたり700ドルから950ドル |
| 通勤 | フェリーでウォール街まで約20分、地下鉄の駅はない |
| 注意点 | 大部分が連邦の洪水危険区域に指定されている |
隣接する地区との比較は、北東のキャロルガーデンズ、北のコブルヒルの記事と並べて見ると分かりやすくなります。
2. 価格の位置づけ

一戸建てと二世帯住宅の実勢は110万ドルから200万ドルです。延床1,800平方フィート前後の標準的な建物が130万ドルから160万ドルの帯に集まります。集合住宅は1平方フィートあたり700ドルから950ドルで、2ベッドルームなら70万ドルから95万ドルです。
北東隣のキャロルガーデンズが1平方フィートあたり1,100ドルから1,400ドルであることを考えると、三割から四割低い水準です。この差の大部分は、地下鉄がないことと、洪水危険区域に入っていることで説明できます。
2012年の高潮では、この地区の広い範囲が浸水しました。以後、住宅の設備を上階に移す改修や、建物のかさ上げが行われています。購入前に、その建物がどの高さで設計され、機械設備がどこに置かれているかを確認してください。
3. 賃料と維持費の釣り合い

賃貸に出した場合、1ベッドルームで月2,700ドルから3,300ドル、2ベッドルームで月3,500ドルから4,400ドルが目安です。集合住宅の購入価格に対する表面利回りは、おおむね5.3%になります。数字だけを見れば周辺より高く出ます。
ここで他の地区と決定的に違うのが保険です。連邦の洪水危険区域に入る建物は、通常の火災保険に加えて洪水保険が必要になり、年に2,000ドルから6,000ドル、条件によってはそれ以上かかります。金額は建物の基礎の高さと機械設備の位置で変わります。
共益費と固定資産税に洪水保険を加えると、手取りの利回りは3%前後まで下がります。数字を見るときは、必ず保険料の見積もりを取ってから計算してください。共益費の中身はコモンチャージと管理費の考え方に、保険の考え方は不動産の保険にまとめてあります。
4. 購入の実務と名義の設計
一戸建て、二世帯住宅、コンドミニアムのいずれも、外国籍でも非居住でも購入できます。理事会の面接はなく、名義は個人、LLC、信託のいずれも選べます。この地区に少数あるコープは理事会の審査があり、米国内の収入と資産の証明を求められるため、非居住の方はほとんど通りません。前提はコープの審査と外国籍の壁で確認できます。
賃料を得る場合、非居住者は賃料総額の30%の源泉徴収が原則で、確定申告を選ぶと経費を引いた純額への課税に切り替えられます。LLC名義で保有する場合の税務はLLC名義での保有と税務で、売却時のFIRPTAの源泉徴収も同じ流れで確認できます。
個人名義のまま非居住者が亡くなると、米国の遺産税は基礎控除が6万ドルしかなく、最高税率40%が超過分にかかります。名義の設計は、購入後に変えると譲渡税がかかるため、契約前に決めます。取引の際には、その時点の最新の税務を、契約書と書面で確認してください。
5. まとめ
レッドフックは、価格が低いことに理由がはっきりある地区です。地下鉄がないこと、洪水危険区域に入ること、保険料が上乗せされること。この三つを織り込んだうえでなら、水辺の低層住宅という他にない資産になります。購入の全体の流れはニューヨーク不動産の購入ガイドに、日本にいながら進める手順は日本からの遠隔購入にまとめてあります。
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よくある質問
レッドフックの物件は外国籍でも購入できますか。
一戸建て、二世帯住宅、コンドミニアムのいずれも購入できます。理事会の面接はなく、名義は個人、LLC、信託から選べます。少数あるコープだけは理事会の審査があり、非居住の方が承認を得るのは難しいのが実情です。
洪水保険はどのくらいかかりますか。
建物の条件によりますが、年2,000ドルから6,000ドル、場合によってはそれ以上です。基礎の高さと、暖房や電気の機械設備がどの階にあるかで金額が変わります。購入を決める前に、その物件で見積もりを取ってから収支を計算してください。
地下鉄がないと不便ではありませんか。
移動はバスとフェリーが中心になります。ニューヨーク市のフェリーでウォール街まで約20分、車ならトンネル経由でマンハッタンに直結します。この交通条件が価格に織り込まれており、周辺より三割から四割低い水準になっています。
購入前に建物の何を確認すべきですか。
基礎の高さ、機械設備の設置階、2012年の高潮後に行われた改修の内容の三点です。設備が地下にあるままの建物は、保険料も将来の被害の可能性も高くなります。検査を入れて書面で確認してください。
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