ブッシュウィックは、ブルックリン北部、ウィリアムズバーグの東隣にある区域です。かつて醸造所と工場が集まっていた場所で、その建物が住宅と店舗に転用されてきました。
この地区を取り上げるのは、ブルックリンの中で価格の上昇が最も長く続いている一方、買える在庫の性格が隣の地区とまったく違うからです。エリアの紹介だけでなく、名義と税務の設計まで書きます。
1. 概要と住宅の種類

ブッシュウィックの住宅在庫は三つに分かれます。ひとつは1900年前後に建てられた三階建てから四階建ての多世帯住宅で、地区の骨格をなしています。もうひとつは工場や倉庫を住宅に転用した建物、そして三つ目が2010年代以降に新築された中層のコンドミニアムです。
転用された建物は天井が高く、窓が大きく、柱と梁が現しになっていることがあります。一方で断熱や配管が新築と同じ水準とはかぎりません。新築のコンドミニアムはジェファーソンストリートやモーガンアベニューの周辺に多く、屋上の共用スペースを備えたものが目立ちます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置 | ブルックリン北部、ウィリアムズバーグの東、クイーンズ境に接する |
| 主な住宅形態 | 多世帯住宅、倉庫からの転用住宅、2010年代以降のコンドミニアム |
| 価格帯の目安 | コンドミニアムは1平方フィートあたり800ドルから1,100ドル、多世帯住宅は130万ドルから250万ドル |
| 通勤 | L線でユニオンスクエアまで約25分、J・M・Z線でミッドタウンまで約30分 |
| 地区の性格 | 工場と倉庫の建物が住宅と店舗に転用されてきた |
隣接する地区との比較は、西のウィリアムズバーグ、北のグリーンポイントの記事と並べて見ると分かりやすくなります。
2. 価格の位置づけ

コンドミニアムの実勢は、1平方フィートあたり800ドルから1,100ドルです。1ベッドルームのおおむね700平方フィートで58万ドルから78万ドル、2ベッドルームの1,000平方フィートで82万ドルから110万ドルの帯に集まります。ウィリアムズバーグの水準より二割から三割低い位置にあります。
多世帯住宅は、三世帯で130万ドルから200万ドル、四世帯以上で200万ドルから250万ドルです。転用建物の住戸はばらつきが大きく、面積あたりの単価だけで比べると判断を誤ります。天井高と窓の向きが同じ面積の価値を変えるからです。
この地区で価格を分けるのは、L線のジェファーソン駅かモーガン駅までの距離です。徒歩5分の圏内と、15分歩く圏内では、同じ面積で二割前後の開きが出ます。地区の平均ではなく、駅からの動線で見てください。
3. 賃料と維持費の釣り合い

賃貸に出した場合、1ベッドルームで月2,900ドルから3,500ドル、2ベッドルームで月3,800ドルから4,800ドルが目安です。コンドミニアムの購入価格に対する表面利回りは、おおむね5%前後になります。マンハッタンの3%と比べれば高い水準です。
ここから共益費と固定資産税が引かれます。共益費は1平方フィートあたり月0.7ドルから1.1ドル、固定資産税は減免の有無で大きく振れます。新築の集合住宅には期限つきの減免がついていることがあり、終わったあとの月額は数倍になります。契約前に残り年数と終了後の見込み額を書面で取り寄せてください。
減免が効いている間の手取りの利回りは3.5%前後、終了後は2%台に落ちる例があります。共益費の中身と、そこに何が含まれているかはコモンチャージと管理費の考え方にまとめてあります。
4. 購入の実務と名義の設計
コンドミニアムと多世帯住宅は、外国籍でも非居住でも購入できます。理事会の面接はなく、名義は個人、LLC、信託のいずれも選べます。多世帯住宅は賃貸事業としての性格が強いため、LLC名義を検討する場面が多くなります。この地区に少数あるコープは理事会の審査があり、非居住の方はほとんど通りません。前提はコープの審査と外国籍の壁で確認できます。
賃料を得る場合、非居住者は賃料総額の30%の源泉徴収が原則で、確定申告を選ぶと経費を引いた純額への課税に切り替えられます。LLC名義で保有する場合の税務はLLC名義での保有と税務で、売却時のFIRPTAの源泉徴収も同じ流れで確認できます。
個人名義のまま非居住者が亡くなると、米国の遺産税は基礎控除が6万ドルしかなく、最高税率40%が超過分にかかります。名義の設計は、購入後に変えると譲渡税がかかるため、契約前に決めます。取引の際には、その時点の最新の税務を、契約書と書面で確認してください。
5. まとめ
ブッシュウィックは、ブルックリンの中では利回りが取れる一方、建物ごとの当たり外れが大きい地区です。転用建物は面積あたりの単価では比べられず、減免の残り年数が手取りを左右します。購入の全体の流れはニューヨーク不動産の購入ガイドに、日本にいながら進める手順は日本からの遠隔購入にまとめてあります。
売り出し状況と、非公開で動いている住戸のご案内も承っております。
よくある質問
ブッシュウィックの物件は外国籍でも購入できますか。
コンドミニアムと多世帯住宅であれば、外国籍でも米国に住んでいなくても購入できます。理事会の面接はなく、名義は個人、LLC、信託から選べます。少数あるコープだけは理事会の審査があり、非居住の方が承認を得るのは難しいのが実情です。
倉庫から転用された住戸は、購入前に何を確認すべきですか。
用途変更が行政の手続きを経て完了しているか、建物の使用許可の記載が住宅になっているかを確認してください。あわせて断熱、配管、暖房設備の更新時期、天井高と窓の向きを見ます。面積あたりの単価だけで他の住戸と比べると判断を誤ります。
マンハッタンまでの通勤時間はどのくらいですか。
L線でユニオンスクエアまで約25分、J・M・Z線でミッドタウンまで約30分です。L線のジェファーソン駅とモーガン駅の徒歩圏かどうかで、同じ面積でも価格に二割前後の差が出ます。
税の減免が終わると手取りはどう変わりますか。
新築の集合住宅にある期限つきの減免は段階的に縮小して終わります。終了後の固定資産税は数倍になることがあり、手取りの利回りが3.5%前後から2%台に落ちる例があります。残り年数と終了後の見込み額を契約前に確認してください。
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