ニューヨークでコンドミニアムを購入したい。そう考えたとき、最初に突き当たるのは「何から始めて、いくら必要で、日本からでも買えるのか」という3つの疑問ではないでしょうか。
結論から申し上げると、コンドミニアムは外国籍・非居住のままでも購入でき、手順さえ正しく踏めば日本にいながら完結させることも可能です。
当社はニューヨーク現地で、駐在の方の実需購入から投資目的の取得まで数多くご支援してまいりました。
本日は、ニューヨークのコンドミニアム購入について、相場、手順、費用、注意点の順で見ていきましょう。
CONTENTS
1. コンドミニアムとコープは何が違うのか

ニューヨークの分譲集合住宅には、コンドミニアム(Condo)とコープ(Co-op)の2種類があります。コンドミニアムは部屋そのものの所有権を取得する形態で、日本の分譲マンションに近い仕組みです。
一方のコープは建物を所有する法人の株式を取得する形態で、理事会による厳格な入居審査があります。外国からの購入では、審査のないコンドミニアムが第一候補になります。
両者の違いはコンドとコープの違いの解説記事とガイドで詳しくまとめています。
コープの審査に挑む場合はボード審査の解説記事をご参照ください。
2. エリア別の価格相場

コンドミニアムの価格は、1平方フィートあたりの単価で語られます。それでは、主要エリアの目安を表で見ていきます。
| エリア | 1平方フィート単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ミッドタウン | 1,500〜2,500ドル | 通勤利便・賃貸需要が厚い |
| ビリオネアズロウ | 3,000〜5,000ドル | 超高級タワー群 |
| ダウンタウン | 1,800〜3,000ドル | トライベッカは最高価格帯 |
| ロングアイランドシティ | 1,200〜1,800ドル | 新築が多く駐在の方に人気 |
| ブルックリン主要部 | 1,200〜2,000ドル | エリア差が大きい |
※上記は、2026年時点の市場データに基づく当社の目安です。個別物件の価格は階数・眺望・築年で大きく変わります。
例えば70平米強(約780平方フィート)の1ベッドルームであれば、ミッドタウンでおよそ120万ドルから190万ドル(約1億8,600万円から2億9,500万円、2026年8月現在、1ドル=155円換算)が目安になります。
エリアごとの詳しい解説はロングアイランドシティやトライベッカなど各エリア記事を、高級タワーはビリオネアズロウ主要タワーの比較をご覧ください。
3. 購入の手順と期間

コンドミニアム購入は、オファーが受理されてからクロージングまで、現金購入で6週間から8週間、ローン利用で8週間から12週間が標準的です。
大まかな流れは以下の通りです。
①予算設計と担当者選び。買主側につく担当者の役割はバイヤーエージェントの解説記事にまとめています。②物件探しと内見。日本からのリモート内見も可能です。③オファーと交渉。④弁護士によるデューデリジェンス。管理組合の財務確認は財務書類チェックの記事参照。⑤契約署名と頭金10パーセントの預託。⑥ローン手続き。⑦クロージング(決済・引き渡し)。
ニューヨークの売買では、日本と異なり買主・売主それぞれに弁護士が付いて契約書を交渉するのが標準です。ステップごとの詳細はニューヨーク不動産の買い方とニューヨーク不動産の購入ガイドで解説しています。
4. 費用と購入後の注意点

物件価格のほかに、クロージングコストとして物件価格の3パーセントから6パーセント程度を見込みます。内訳はタイトル保険、弁護士費用、登記費用などで、100万ドル以上の物件には1パーセントから始まるマンションタックスが加わります。
ローンを使う場合は抵当権登録税も発生します。費用の詳細は、ご相談の際にお客様のご条件に合わせて個別にご提示いたします。
購入後は、管理費(コモンチャージ)と固定資産税が毎月かかります。将来賃貸に出す予定があるなら、建物の賃貸規約も契約前に確認しておくべき項目です。
新築を検討される場合は新築コンドとスポンサーユニットの解説記事を、ローンはアメリカの住宅ローンのガイド(駐在と非居住者向け)をご参照ください。
5. 主要コンドミニアムの実際の売出価格
相場を平均値で語っても判断材料になりません。以下は当社がCityRealtyの各建物ページから集計した、2026年8月時点で実際に売りに出ている住戸の数字です。
| 建物 | エリア | 1sqftあたり中央値 | 売出価格帯 |
|---|---|---|---|
| 220 Central Park South | ミッドタウン | 12,637ドル | 75.0〜75.0百万ドル |
| 15 Central Park West | セントラルパークウエスト | 9,810ドル | 33.0〜45.0百万ドル |
| 111 West 57th | ミッドタウン | 7,161ドル | 24.5〜55.9百万ドル |
| 432 Park Avenue | ミッドタウン | 6,551ドル | 7.9〜90.0百万ドル |
| セントラルパークタワー | ミッドタウン | 5,797ドル | 7.0〜128.0百万ドル |
| マンダリン オリエンタル | ミッドタウン | 3,975ドル | 1.8〜15.0百万ドル |
| 56 Leonard | トライベッカ | 3,330ドル | 5.0〜16.9百万ドル |
| One57 | ミッドタウン | 3,309ドル | 3.9〜22.5百万ドル |
| 15 ハドソンヤーズ | ハドソンヤーズ | 2,614ドル | 2.4〜19.9百万ドル |
| 53 West 53rd | ミッドタウン | 2,469ドル | 2.8〜64.7百万ドル |
| 130 William | ダウンタウン | 2,200ドル | 1.4〜18.0百万ドル |
| ワン・マンハッタン・スクエア | ローワーイーストサイド | 2,039ドル | 1.2〜6.5百万ドル |
| ワン・ウォールストリート | ダウンタウン | 2,034ドル | 1.0〜8.8百万ドル |
| スカイラインタワー | クイーンズ | 1,920ドル | 0.9〜2.7百万ドル |
| ブルックリンタワー | ブルックリン | 1,857ドル | 1.0〜16.8百万ドル |
※上記は当社がCityRealtyの建物ページから2026年8月に集計した売出中の住戸の実数です。在庫は日々入れ替わります。
同じ「ニューヨークのコンドミニアム」でも、1平方フィートあたり1,500ドル台から12,000ドル台まで8倍の開きがあります。セントラルパークに面する最上位のタワーと、ダウンタウンやブルックリンの新築とでは、まったく別の商品だとお考えください。
1,500ドルから2,500ドル台のブルックリン、ダウンタウン、クイーンズの物件は、賃貸に回したときの利回りが成立しやすい価格帯です。一方で5,000ドルを超える建物は利回りでは説明がつかず、資産の置き場所として持つという判断になります。どちらを選ぶかで、名義も税務の設計も変わります。
6. どの名義で持つかは購入前にしか決められない
コンドミニアムは外国籍でも購入できますが、誰の名義で持つかを決めないまま契約に進む方が少なくありません。ここが最も金額に効きます。
非居住者が個人名義で保有した場合、押さえるべき点は次の通りです。
①売却時、FIRPTAにより売買代金の15パーセントが源泉徴収されます。②相続では、非居住者の米国内財産に対する連邦遺産税の基礎控除が6万ドルにとどまり、超過分に最高40パーセントが課されます。③日本側でも相続税が課され、外国税額控除で調整するとしても手続きは長期化します。④遺産の名義変更が終わるまで売却できないため、納税資金を物件から作ることができません。
以上で見て来たように、数億円の住戸を個人名義のまま持つことは避けるべきです。法人で持つのか、トラストを使うのか、日米相続税条約の適用を前提に組むのか。買った後に名義を移すと、その移転自体が課税対象になります。判断は購入前にしかできません。
コープを選ばずコンドミニアムを選ぶ理由も、実はここにあります。コープは法人名義やトラスト名義での保有を認めない建物がほとんどで、名義の設計そのものができません。審査の通りやすさだけの問題ではないということです。
税務の全体像はアメリカ不動産の税金に関する記事を、利回りと置き場所の考え方は利回りで選ぶか置き場所で選ぶかの記事をあわせてご覧ください。
個人名義と法人名義のどちらで持つべきかの具体的な損益分岐は法人名義で買うべきかの解説記事で詳しく扱っています。
購入前の確認項目はアメリカで家を買うときにつまずきやすい点に、手付金を守るエスクローの仕組みはエスクローの解説記事にまとめています。
まとめ

ニューヨークのコンドミニアム購入は、制度としては外国籍のままでも完結できる開かれた市場です。勝負を分けるのは、エリアと建物の見立て、そして費用を含めた資金設計です。
相場観をつかんだら、実際の売出し物件で具体的に検討を進めてください。
ご予算とご希望条件をお聞かせいただければ、候補物件のご提案から内見手配、クロージングまで一貫してご支援いたします。
TRACK RECORD
実際にご支援した取引と、お客様の声
記事の内容がご自身のケースに当てはまるかどうかは、実際の事例をご覧いただくのが早いと思います。
購入後に毎年かかる固定資産税の水準はアメリカの固定資産税は年いくらかに、保有したまま相続が起きた場合の扱いはアメリカ相続税の記事にまとめています。
よくある質問
外国籍・非居住者でもコンドミニアムを買えますか。
買えます。コンドミニアムの購入に国籍や居住地の制限はありません。一方コープは理事会審査があり、非居住者の購入は難しいケースがほとんどです。
コンドミニアムとコープはどちらが投資に向きますか。
コンドミニアムです。転貸の制限が緩く、法人名義でも保有できます。コープは転貸が理事会の承認制で、賃貸運用の自由度が低くなります。
名義はいつ決めるべきですか。
購入前です。個人か法人か、どの器で持つかは契約後には変えられず、税務の結果に直結します。物件を探し始める段階で名義の方針を固めるのが順序です。
マンションタックスはいくらからかかりますか。
100万ドルちょうどからです。100万ドル以上の物件に1%から3.9%の8段階でかかります。99万9,000ドルの物件にはかかりません。
English guides on reinventny.com
PRACTICE取得・保有・出口の実務(117件)
買うとき
- 物件の探し方 — 情報の仕組みと在庫の実際
- 日本から買う — 内見から送金までの実務
- 米国のローン — LTVとレバレッジの考え方
- アメリカの住宅ローン — 駐在・非居住者でも借りられる条件と金利
- ニューヨークシティのコンドミニアム購入(この記事)
- DSCRローン — 収入証明なしで組む条件
- 法人名義で買うか — 個人所有との損益分岐
- タイトル保険 — 日本の登記制度との違い
- 不動産会社の選び方 — 確認すべき5点
- 失敗は5つに集まる — 契約前に確認できる項目
- 海外不動産のデメリット4つ — 対処できるものとできないものを分ける
- 新築と中古 — 価格・交渉・維持費で比べる
- プレコンストラクション — 竣工前に買う判断
- タウンハウス一棟 — 管理組合のない所有
- 借りるか買うか — 高金利下の損益分岐
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- 住みながら買う — 賃貸を続ける場合との比較
- 買付前に揃える資金証明 — 海外資産をどう示すか
- 購入資金を日本から動かす — 送金の手順と証跡の残し方
- 価格を交渉する — 売主が実際に見ている条件
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- ペントハウスとは何か — 名称の実態と価値の見極め方
- Airbnb前提で買わない — 30日ルールの実際
- アメリカ不動産の買い方 — 手続き・費用・注意点
- アメリカで家を買うときにつまずきやすい点 — 準備の順序で結果が変わる
- 利回りか、資産の置き場所か — ニューヨークを選ぶ理由の分かれ目
- コンドとコープの違い — 審査・費用・売りやすさ
- 賃貸と購入の総費用 — 税制とリスクまで含めて比べる
- オフマーケット物件 — 情報が回る経路と紹介を受ける準備
- バイヤーエージェント — 買主側につく担当の役割
- アトーニー(弁護士) — 契約と決済で担う役割
- 購入前のデューデリジェンス — 確認すべき書類と手順
- インスペクション — 何を見て、いくらかかるか
- 価格はどう決まるか — 鑑定と成約事例の読み方
- 買うのに何ヶ月かかるか — オファーから鍵の受け取りまで
- クロージング費用 — 内訳と節約できる項目
- マンションタックスと譲渡税 — 100万ドルを超えると変わること
- エスクロー — 仕組みと流れ、日本との違い
- タイトル保険の費用 — 必要な理由と保険料の決まり方
- 新築コンドのスポンサーユニット — 仕組みと交渉
- SSNなしで組むローン — 3つの方法を比べる
- 学区と価格の関係 — コンドミニアム相場の読み方
持っているあいだ
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- 不動産にかける保険 — 所有形式で必要な補償が変わる
- 買った後の管理 — 海外に住みながら所有を続ける
- 管理会社の選び方 — 費用と契約前の確認事項
- テナント管理 — 賃料回収と契約更新の実務
- 収益改善の手法 — プロパティマネジメントの実際
- アメリカの固定資産税は年いくらか — 州別の実効税率と物件価格別の年額
- 減価償却で税を前倒しする — 建物比率と、個人名義・法人名義の違い
- 4年償却は使えるのか — 2020年改正後の正しい姿
- 改正後に残った節税の道 — 個人の損益通算と法人名義の分かれ目
- 土地の権利とゾーニング — 何が建てられるかの規制
- 保証人と保証会社 — 収入40倍の壁を越える
- 賃貸収入の税務 — 非居住者の源泉徴収と純額課税の選択
- 非居住者の確定申告 — オーナーの年間カレンダー
- 価格の推移 — 10年・5年・直近1年を都市別に見る
- 駐在員の確定申告 — 日米どちらに出すか、FBARの1万ドルの線
- 賃料の日本での申告 — 円換算のレート、償却の制限、外国税額控除
- 国外財産調書と財産債務調書 — 5,000万円と3億円の線
- 法人名義と日本の合算課税 — LLCは日本では外国法人。20%と27%の線
- 日本にいながら賃貸を回す — 管理会社の選び方と契約で決めること
- 家賃を払わない入居者 — 貸主にできることと、できないこと
- 買った翌年に税額が変わる — 減免の残存年数で年2万ドルの差
- 固定資産税の不服申立 — 3月1日と3月15日という期限
- 州を固定資産税で選ぶ前に — 同じ州でも郡と学区で倍変わる
- マルチファミリー投資 — 収益構造と融資、見落としやすいリスク
- 賃料規制物件を買うと — レントスタビライゼーションの実際
- リノベーション — 管理組合の承認と工事の実際
- コストセグリゲーション — 償却を前倒しする調査の中身
- 不動産プロフェッショナル(REPS) — 給与所得の課税を下げる仕組み
- IRSの税務調査 — 備えておく書類
- 売らずに積み上げる — 担保に次を買い、課税を繰り延べる
- 商業不動産への投資 — 住宅との違いと市場の特徴
出すときと税務
- 売るときの流れ — 海外にいながら決済まで
- 売却の手続きと税金 — 必要書類まで
- 売却の戦略 — 市場を見て出口を決める
- 非居住者のキャピタルゲイン税 — 1040NRの申告手順
- 1031エクスチェンジ — 譲渡益を繰り延べる仕組み
- 出口の使い分け — 源泉徴収・1031・セクション121
- QOF(適格機会基金) — 譲渡益の課税を繰り延べる
- オポチュニティゾーン — 繰延制度の中身
- FIRPTAの源泉徴収 — 売却代金の15%と還付の手続き
- 贈与税はいくらから — 非居住者は生涯控除ゼロ
- アメリカの相続税 — 連邦と州、非居住者の場合分け
- 非居住者の遺産税 — 基礎控除6万ドルの壁
- 不動産をトラスト名義にする — プロベートは避けられるが遺産税は消えない
- 日本の相続税評価 — 鑑定評価、TTB換算、小規模宅地の特例
- FIRPTAと外国税額控除 — 対象は確定税額。控除の年がずれる
- 売却の為替差益 — 取得日と売却日のTTMで譲渡所得が変わる
- ニューヨーク州の遺産税 — 控除を5%超えると全部消える
- 持分を毎年贈与するか — 取得費が引き継がれるか、時価に置き換わるか
- 信託(トラスト) — 種類・税務・債権者保護
- 複数人で持つ — 共有の形式で相続の結果が変わる
- 遺言書 — 手続きと費用、税務上の注意
- FBAR・FATCA — 海外金融口座の報告義務
- 駐在員の確定申告 — 日米の税金と控除
- 日米の税制の要点 — 法人設立の前に押さえる
- 日米租税条約 — 軽減されるもの、されないもの
- 富裕層の節税の型 — 実際に使われている7つ
- 資産をどこに置くか — 富裕層の配分と、不動産が選ばれる理由
- C-Corp と LLC — 形態ごとの課税の違い
- 1031と日本の課税 — 米国で繰り延べても日本では課税される
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- プロベートの費用と期間 — 回避する方法
- 資産の種類で変わる相続 — 米国株・米国債・預金・不動産
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市場を読む
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