気に入った物件が見つかったとき、その場で動けるかどうかを決めるのが資金証明です。
ニューヨークでは、買付を出す段階で資金の裏付けを示すのが通例です。書類が揃っていない買主のオファーは、売主側で真剣に検討されません。
そして、この準備には日数がかかります。日本の金融機関から英文の書類を取り寄せる場合、数日から数週間を見ておく必要があります。
本日は、何をどう揃えるのかについて見ていきましょう。
1. 買付の段階で求められる書類

買付と同時に提出するのは、資産と負債を一枚にまとめた書類と、その裏付けとなる残高の証明です。
現金で購入される場合は、購入代金と諸費用を合わせた金額が用意できることを示します。融資を使う場合は、頭金の部分に加えて、金融機関の事前承認書を添えます。
具体的には、次のものが求められます。
①資産と負債の一覧。現金、証券、不動産、借入を並べた書類です。所定の様式が用意されていることが多くあります。
②残高証明。金融機関が発行する、英文で日付の入ったものです。
③融資の事前承認書。融資を使う場合のみです。
④身分証明。パスポートの写しが一般的です。
まとめると、書類は英文で、日付が新しいものが必要です。数か月前のものは受け付けられないことがあります。
2. 日本の資産をどう示すか

日本にある資産を示す場合、実務でつまずきやすい点があります。
まず、日本の金融機関は英文の残高証明を標準では発行していないことがあります。窓口で英文の証明を依頼すると、発行までに日数がかかり、手数料も発生します。
次に、円建ての残高をどの為替で換算するかという論点があります。提出時点のレートで換算した金額を併記しておくと、先方の確認が進みます。
そして、複数の金融機関に分散している場合は、すべての残高証明を揃えることになります。物件を探し始めた段階で、まとめて手配しておくのが確実です。
証券や不動産を含める場合、評価額の根拠を添えます。日本の不動産であれば、評価の分かる書類とその英訳です。
3. 資金の出所を説明する

金額の証明とは別に、その資金がどこから来たのかを説明する場面があります。決済に近い段階や、法人名義で購入される場合に求められます。
説明の材料になるのは、次のようなものです。
・事業からの収入であれば、決算書と納税の記録
・給与であれば、源泉徴収票や給与明細
・資産の売却であれば、その売買契約書
・相続や贈与であれば、その事実を示す書類
・金融機関の取引履歴(大きな入金の説明)
以上を踏まえると、金額だけでなく経緯を示す書類が要ります。この確認は金融機関と弁護士の双方が行います。
不足があると決済が止まります。弁護士の役割はアトーニーの記事、送金の手順はリモート購入の記事にまとめています。
4. コンドミニアムとコープの違い

求められる水準は、物件の形式によって大きく変わります。それでは表で整理します。
| 項目 | コンドミニアム | コープ |
|---|---|---|
| 審査の主体 | 売主と管理組合の届出 | 理事会が審査する |
| 求められる資料 | 資産の証明が中心 | 収入、納税、推薦状まで |
| 購入後の残余資産 | 明示の基準は少ない | 一定額の保有を求められる |
| 非居住者の購入 | 可能 | 認めない建物が多い |
| 法人名義 | 可能 | 認めない建物が多い |
※上記は一般的な傾向です。建物ごとに条件が異なります。
3行目が、海外にお住まいの方には効いてきます。コープでは、購入後に手元に残る資産の額まで見られます。物件価格の全額を用意できても、それだけでは足りないという判断がありえます。
審査の実際はボード審査の記事、形式の違いはコンドとコープの記事にまとめています。
コンドミニアムであれば、外国籍・非居住のまま購入でき、法人名義での保有も可能です。購入手順の全体像はニューヨーク不動産の購入ガイドをご覧ください。
まとめ

資金証明は、物件が見つかってから用意するものではありません。探し始める段階で揃えておく書類です。
良い物件は数日で決まります。書類が手元にある方と、これから取り寄せる方では、動ける速さが違います。
まず、英文の残高証明を取り寄せるところから始めていただくのが確実です。
購入の実務は動画でもご紹介しています。
YouTubeチャンネルとInstagramで、現地から継続して発信しております。
必要書類の一覧をお渡しし、準備の段取りをご案内いたします。
よくある質問
ニューヨークで物件の買付を出す段階では、資金証明は必要でしょうか。
ニューヨークでは買付を出す段階で資金の裏付けを示すのが通例であり、書類が揃っていない買主のオファーは売主側で真剣に検討されません。気に入った物件が見つかったときその場で動けるかどうかを決めるのが資金証明です。
日本の金融機関から英文の残高証明を取り寄せるにはどのくらいの期間がかかるでしょうか。
日本の金融機関から英文の書類を取り寄せる場合、数日から数週間を見ておく必要があります。日本の金融機関は英文の残高証明を標準では発行していないことがあり、窓口で依頼すると発行までに日数がかかり手数料も発生します。
コープを購入する際、購入後に手元に残る資産の額まで審査されるでしょうか。
コープでは購入後に手元に残る資産の額まで見られます。物件価格の全額を用意できてもそれだけでは足りないという判断がありえます。コンドミニアムは明示の基準が少ないですが、コープは一定額の保有を求められる傾向があります。
非居住者がニューヨークでコンドミニアムを購入することは可能でしょうか。
コンドミニアムであれば外国籍・非居住のまま購入でき、法人名義での保有も可能です。一方コープでは認めない建物が多いです。求められる水準は物件の形式によって大きく変わり、建物ごとに条件が異なります。
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