ニューヨーク市内で2025年10月から2026年9月までに売れた一軒家(一世帯住宅)の成約価格の中央値は、マンハッタンが685万ドル、ブルックリンが97万5,000ドル、クイーンズが84万ドルでした。スタテンアイランドは72万ドル、ブロンクスは68万5,000ドルです。ニューヨーク市財務局(DOF)が公開している売買記録を1件ずつ集計した数字です。
マンハッタンで1年に売れた一軒家は121件だけで、その97.5%が100万ドル以上でした。多くはタウンハウスと呼ばれる、隣と壁を共有する数階建ての建物です。外の4区では一軒家が売買の中心で、クイーンズだけで4,497件が成約しています。
- 一軒家の成約価格の中央値はマンハッタン685万ドル、ブルックリン97万5,000ドル、クイーンズ84万ドルです
- 15件以上売れた地区で最も高いのは、マンハッタンのアッパーイーストサイド(59〜79丁目)の1,045万ドルです
- 一軒家は固定資産税の区分1で、評価額の上昇は1年6%、5年20%までに抑えられます
- 住む人の税額控除(STAR)は個人だけが対象で、LLCや法人の名義では受けられません
本日はニューヨークの一軒家の値段について見ていきましょう。
1. 5区の値段。マンハッタンだけが別の市場

直近1年の成約記録を区ごとに集計
財務局は、過去12か月の売買をローリングセールス(Rolling Sales)として区ごとに公開しています。このうち建物区分が一世帯住宅のものを取り出しました。
| 区 | 成約件数 | 中央値 | 真ん中の半分の範囲 | 100万ドル以上 |
|---|---|---|---|---|
| マンハッタン | 121件 | 685万ドル | 380万〜1,130万ドル | 97.5% |
| ブルックリン | 1,802件 | 97万5,000ドル | 72万5,000〜165万8,250ドル | 44.1% |
| クイーンズ | 4,497件 | 84万ドル | 68万〜105万4,500ドル | 26.8% |
| スタテンアイランド | 2,339件 | 72万ドル | 59万9,000〜85万ドル | 11.4% |
| ブロンクス | 811件 | 68万5,000ドル | 55万〜79万9,000ドル | 9.0% |
2025年10月〜2026年9月の成約。建物区分01(一世帯住宅)。1万ドル未満の取引と、同じ日・同じ街区・同じ価格が2件以上ある一括取引を除いて集計。
1万ドル未満の取引は集計から外しています。財務局は、0ドルの取引を「代金の支払いがない所有権の移転」と説明しており、クイーンズでは一軒家だけで4,087件ありました。値段の目安にならないため除いています。
2. 高い地区。アッパーイーストサイドは1,045万ドル

15件以上売れた地区で比べる
地区は財務局の評価で使う区分です。1年で15件以上の一軒家が売れた地区のうち、中央値の高いところを区ごとに並べました。
| 区 | 地区 | 件数 | 中央値 |
|---|---|---|---|
| マンハッタン | アッパーイーストサイド(59〜79丁目) | 23件 | 1,045万ドル |
| マンハッタン | アッパーイーストサイド(79〜96丁目) | 18件 | 787万2,500ドル |
| ブルックリン | パークスロープ | 25件 | 485万ドル |
| ブルックリン | オーシャンパークウェイ南 | 28件 | 345万ドル |
| スタテンアイランド | トッドヒル | 28件 | 177万5,000ドル |
| クイーンズ | ジャマイカエステーツ | 48件 | 146万2,500ドル |
| クイーンズ | フォレストヒルズ | 123件 | 144万3,000ドル |
| ブロンクス | リバーデール | 49件 | 98万ドル |
集計の条件は上の表と同じ。地区名は財務局の区分(例 UPPER EAST SIDE (59-79))を訳したもの。
同じ地区の中でも、通りの幅、建物の幅、改装の有無で値段は大きく変わります。マンハッタンのタウンハウスについてはタウンハウスを一棟で買う記事、ブルックリンとクイーンズはパークスロープやフォレストヒルズの地区の記事でも数字を見ています。
3. 固定資産税。一軒家は上がり方に上限がある

区分1は市場価格の6%で評価
一〜三世帯の住宅は固定資産税の区分1に入ります。財務局の評価額の説明によると、評価額は市場価格の6%で、上昇は1年で6%、5年で20%までです。コンドやコープは区分2で、市場価格の45%で評価されます。
財務局が示す2026税年度の税率は、区分1が19.843%、区分2が12.439%です。税率だけを見ると一軒家が高く見えますが、評価額の割合と上昇の上限が違うため、税額は物件ごとの評価額で比べる必要があります。
4. 名義と住まい方。個人と法人、住む人と住まない人

同じ一軒家でも、受けられる控除と売るときの税が違う
| 持ち方 | 固定資産税 | 売るとき・亡くなったとき |
|---|---|---|
| 個人で持ち、自分が住む | STARの税額控除の対象になり得る(所得50万ドル以下) | 米国の居住者なら源泉徴収はなし |
| LLC・法人で持つ | STARの対象外 | 名義の設計で税が変わる |
| 日本に住む個人が持つ | 主たる住まいでなければSTARの対象外 | 売却代金の15%が源泉徴収。6万ドルを超える米国資産は遺産税の申告対象 |
STARはニューヨーク州税務局、源泉徴収と遺産税はIRSの説明による。
ニューヨーク州税務局は、STARの要件として主たる住まいであることを求め、法人、パートナーシップ、LLCは対象外としています。日本に住む方が売るときのFIRPTAの源泉徴収と、LLCで持つ場合の設計は別の記事で整理しています。
まとめ

区ごとに別の市場として見る
直近1年の一軒家の中央値は、マンハッタンが685万ドル、外の4区は68万5,000〜97万5,000ドルでした。マンハッタンは件数が少なく、ほとんどが100万ドル以上のタウンハウスです。
一軒家は固定資産税の上がり方に上限があり、個人で住めば控除も受けられます。一方で、日本から持つ場合や法人名義にする場合は、売るときと相続のときの税まで含めて名義を決める必要があります。一般論はここまでで、どの地区のどの建物を、どの名義で持つかは個別にご相談ください。
よくある質問
ニューヨークの一軒家はいくらで買えますか。
市財務局の売買記録で2025年10月から2026年9月に売れた一軒家の成約価格の中央値は、マンハッタン685万ドル、ブルックリン97万5,000ドル、クイーンズ84万ドル、スタテンアイランド72万ドル、ブロンクス68万5,000ドルでした。1万ドル未満の取引と一括取引は除いています。
マンハッタンで一軒家は買えますか。
買えますが、件数は少なく、直近1年で121件でした。97.5%が100万ドル以上で、多くはタウンハウスです。15件以上売れた地区では、アッパーイーストサイド(59〜79丁目)の中央値が1,045万ドルで最も高い数字でした。
一軒家の固定資産税はどう決まりますか。
一〜三世帯の住宅は区分1で、評価額は市場価格の6%です。評価額の上昇は1年で6%、5年で20%までに抑えられます。財務局が示す2026税年度の区分1の税率は19.843%です。
LLCや法人の名義で一軒家を買うと何が違いますか。
住む人の固定資産税の控除であるSTARは個人だけが対象で、法人、パートナーシップ、LLCは受けられません。日本に住む方が売るときは売却代金の15%が源泉徴収され、相続では6万ドルを超える米国資産が遺産税の申告対象になります。名義は売るときと相続のときまで含めて決める必要があります。
PRACTICE取得・保有・出口の実務(119件)
買うとき
- 物件の探し方 — 情報の仕組みと在庫の実際
- 日本から買う — 内見から送金までの実務
- 米国のローン — LTVとレバレッジの考え方
- アメリカの住宅ローン — 駐在・非居住者でも借りられる条件と金利
- ニューヨークシティのコンドミニアム購入 — 価格相場と手順、費用と名義の決め方
- DSCRローン — 収入証明なしで組む条件
- 法人名義で買うか — 個人所有との損益分岐
- タイトル保険 — 日本の登記制度との違い
- 不動産会社の選び方 — 確認すべき5点
- 失敗は5つに集まる — 契約前に確認できる項目
- 海外不動産のデメリット4つ — 対処できるものとできないものを分ける
- 新築と中古 — 価格・交渉・維持費で比べる
- プレコンストラクション — 竣工前に買う判断
- タウンハウス一棟 — 管理組合のない所有
- 借りるか買うか — 高金利下の損益分岐
- オファーの条件をどこまで外すか — 手付金10%を賭ける判断
- 住みながら買う — 賃貸を続ける場合との比較
- 買付前に揃える資金証明 — 海外資産をどう示すか
- 購入資金を日本から動かす — 送金の手順と証跡の残し方
- 価格を交渉する — 売主が実際に見ている条件
- 新築か中古か — 費用構造から比べる
- ペントハウスとは何か — 名称の実態と価値の見極め方
- Airbnb前提で買わない — 30日ルールの実際
- アメリカ不動産の買い方 — 手続き・費用・注意点
- アメリカで家を買うときにつまずきやすい点 — 準備の順序で結果が変わる
- 利回りか、資産の置き場所か — ニューヨークを選ぶ理由の分かれ目
- コンドとコープの違い — 審査・費用・売りやすさ
- 賃貸と購入の総費用 — 税制とリスクまで含めて比べる
- オフマーケット物件 — 情報が回る経路と紹介を受ける準備
- バイヤーエージェント — 買主側につく担当の役割
- アトーニー(弁護士) — 契約と決済で担う役割
- 購入前のデューデリジェンス — 確認すべき書類と手順
- インスペクション — 何を見て、いくらかかるか
- 価格はどう決まるか — 鑑定と成約事例の読み方
- 買うのに何ヶ月かかるか — オファーから鍵の受け取りまで
- クロージング費用 — 内訳と節約できる項目
- マンションタックスと譲渡税 — 100万ドルを超えると変わること
- エスクロー — 仕組みと流れ、日本との違い
- タイトル保険の費用 — 必要な理由と保険料の決まり方
- 新築コンドのスポンサーユニット — 仕組みと交渉
- SSNなしで組むローン — 3つの方法を比べる
- 学区と価格の関係 — コンドミニアム相場の読み方
持っているあいだ
- 管理費は月いくらか — 区別の実額と安い建物の落とし穴
- 不動産にかける保険 — 所有形式で必要な補償が変わる
- 買った後の管理 — 海外に住みながら所有を続ける
- 管理会社の選び方 — 費用と契約前の確認事項
- テナント管理 — 賃料回収と契約更新の実務
- 収益改善の手法 — プロパティマネジメントの実際
- アメリカの固定資産税は年いくらか — 州別の実効税率と物件価格別の年額
- 減価償却で税を前倒しする — 建物比率と、個人名義・法人名義の違い
- 4年償却は使えるのか — 2020年改正後の正しい姿
- 改正後に残った節税の道 — 個人の損益通算と法人名義の分かれ目
- 土地の権利とゾーニング — 何が建てられるかの規制
- 保証人と保証会社 — 収入40倍の壁を越える
- 賃貸収入の税務 — 非居住者の源泉徴収と純額課税の選択
- 非居住者の確定申告 — オーナーの年間カレンダー
- 価格の推移 — 10年・5年・直近1年を都市別に見る
- 駐在員の確定申告 — 日米どちらに出すか、FBARの1万ドルの線
- 賃料の日本での申告 — 円換算のレート、償却の制限、外国税額控除
- 国外財産調書と財産債務調書 — 5,000万円と3億円の線
- 法人名義と日本の合算課税 — LLCは日本では外国法人。20%と27%の線
- 日本にいながら賃貸を回す — 管理会社の選び方と契約で決めること
- 家賃を払わない入居者 — 貸主にできることと、できないこと
- 買った翌年に税額が変わる — 減免の残存年数で年2万ドルの差
- 固定資産税の不服申立 — 3月1日と3月15日という期限
- 州を固定資産税で選ぶ前に — 同じ州でも郡と学区で倍変わる
- マルチファミリー投資 — 収益構造と融資、見落としやすいリスク
- 賃料規制物件を買うと — レントスタビライゼーションの実際
- リノベーション — 管理組合の承認と工事の実際
- コストセグリゲーション — 償却を前倒しする調査の中身
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- IRSの税務調査 — 備えておく書類
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- 商業不動産への投資 — 住宅との違いと市場の特徴
- ピエダテール税 — 日本に住む所有者のコンドは対象か
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出すときと税務
- 売るときの流れ — 海外にいながら決済まで
- 売却の手続きと税金 — 必要書類まで
- 売却の戦略 — 市場を見て出口を決める
- 非居住者のキャピタルゲイン税 — 1040NRの申告手順
- 1031エクスチェンジ — 譲渡益を繰り延べる仕組み
- 出口の使い分け — 源泉徴収・1031・セクション121
- QOF(適格機会基金) — 譲渡益の課税を繰り延べる
- オポチュニティゾーン — 繰延制度の中身
- FIRPTAの源泉徴収 — 売却代金の15%と還付の手続き
- 贈与税はいくらから — 非居住者は生涯控除ゼロ
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