ニューヨーク市で2025年10月から2026年9月までに売れた2世帯住宅(2ファミリーハウス)の成約価格の中央値は、ブルックリン125万ドル、クイーンズ99万5,000ドル、ブロンクス83万ドル、スタテンアイランド94万8,500ドルでした。1戸あたりに直すと、ブルックリンは62万5,000ドル、ブロンクスは41万5,000ドルです。
3世帯住宅はブルックリンで160万ドル、クイーンズで132万5,000ドルでした。ニューヨーク市財務局の売買記録から、建物区分02(2世帯)と03(3世帯)の取引を集計した数字です。
- 2世帯住宅の中央値は、ブルックリン125万ドル、クイーンズ99万5,000ドル、ブロンクス83万ドルです
- 1戸あたりでは、ブルックリン62万5,000ドル、クイーンズ49万7,500ドル、ブロンクス41万5,000ドル
- 売れた件数が多いのはブルックリンとクイーンズで、どちらも1年に2,500件を超えます
- 6戸未満の建物なので家賃安定化の対象にならず、州内の持ち戸数が10戸以下の貸主は正当な理由による立ち退き法の対象外です
本日はニューヨークの2世帯・3世帯住宅の値段と、1棟を買って貸すときの決まりを見ていきましょう。
1. 5区の2世帯・3世帯住宅の成約価格

1戸あたりの値段は一軒家より安い
財務局のローリングセールスから、1万ドル未満の取引と、同じ日に同じ街区で同じ価格が並ぶ一括の取引を除いて集計しました。1戸あたりは、取引ごとの価格を住戸の数で割った値の中央値です。
| 区 | 一軒家 中央値 | 2世帯 件数 | 2世帯 中央値 | 2世帯 1戸あたり | 3世帯 中央値 | 3世帯 1戸あたり |
|---|---|---|---|---|---|---|
| マンハッタン | 685万ドル | 81件 | 380万ドル | 190万ドル | 530万ドル | 176万6,667ドル |
| ブルックリン | 97万5,000ドル | 2,582件 | 125万ドル | 62万5,000ドル | 160万ドル | 53万3,333ドル |
| クイーンズ | 84万ドル | 2,639件 | 99万5,000ドル | 49万7,500ドル | 132万5,000ドル | 44万1,667ドル |
| ブロンクス | 68万5,000ドル | 896件 | 83万ドル | 41万5,000ドル | 99万5,000ドル | 33万1,667ドル |
| スタテンアイランド | 72万ドル | 908件 | 94万8,500ドル | 47万4,250ドル | 80万ドル | 26万6,667ドル |
2025年10月〜2026年9月の成約。3世帯住宅の件数はマンハッタン39件、ブルックリン841件、クイーンズ531件、ブロンクス345件、スタテンアイランド31件。
ブルックリンでは、売れた2世帯住宅の62.9%が100万ドル以上でした。クイーンズは47.3%、ブロンクスは17.7%です。マンハッタンは件数が少なく、タウンハウスの値段の帯に入ります。
2. 2世帯住宅がよく売れている地区

件数の多い地区と、その中央値
| 区 | 地区 | 件数 | 中央値 |
|---|---|---|---|
| ブルックリン | ベッドフォード・スタイベサント | 204件 | 180万ドル |
| ブルックリン | カナーシー | 183件 | 80万ドル |
| ブルックリン | ボローパーク | 139件 | 195万ドル |
| ブルックリン | ベイリッジ | 111件 | 144万5,000ドル |
| クイーンズ | フラッシング北部 | 161件 | 143万ドル |
| クイーンズ | アストリア | 137件 | 132万5,000ドル |
| クイーンズ | リッチモンドヒル | 131件 | 91万ドル |
| ブロンクス | ベイチェスター | 92件 | 77万3,750ドル |
| ブロンクス | スロッグスネック | 65件 | 86万ドル |
地区は財務局の記録の区分による。2世帯住宅の件数の多い順に、各区から抜き出した。
同じブルックリンでも、地区によって中央値は80万〜195万ドルと2倍以上違います。値段は建物の大きさ、駅までの距離、通りの並びで変わるため、地区の中央値は入口の目安として使います。クイーンズのアストリアや隣のウッドサイドの街の様子はウッドサイドの記事でも見ています。
3. 1棟を買って貸すときの決まり

家賃安定化の対象外、固定資産税は区分1
- 家賃安定化は主に6戸以上の建物が対象です(市の家賃ガイドライン委員会の説明)。2世帯・3世帯住宅は通常この対象になりません
- 正当な理由による立ち退き法は、州内の持ち戸数が合計10戸以下の貸主には適用されません。LLCで持つ場合は、出資者一人ひとりの持ち戸数で判断されます
- 財務局の記録では、売れた2世帯・3世帯住宅はすべて固定資産税の区分1でした。アパート一棟(区分2)とは税の計算が違います
固定資産税の額と、買った翌年に変わる理由は固定資産税の記事と買った翌年に税額が変わる記事にまとめています。
4. 個人と法人、居住者と非居住者で変わること

名義で変わるのは責任の範囲と相続
| 買い方 | 米国に住む方 | 日本に住む方 |
|---|---|---|
| 個人名義 | 1戸に住み、もう1戸を貸す使い方ができる | 両方を貸す前提。売るときは代金の15%が源泉され、相続では米国の遺産税の対象(基礎控除6万ドル) |
| LLC名義 | 出資者1人なら税務上は個人と同じ。入居者との争いの責任を分けやすい | 税務の扱いは出資者と形で変わる。日本側の課税も合わせて設計する |
源泉徴収はIRSのFIRPTAの説明、減価償却はIRS Publication 527による。
貸す場合は、建物部分を27.5年で減価償却できます(土地は対象外)。名義の選び方は法人名義で買うかの記事、収支の組み方は収支分析ガイドで見ています。
まとめ

2世帯住宅はブルックリン125万ドル、1戸あたりでは一軒家より安い
直近1年の2世帯住宅の中央値は、ブルックリン125万ドル、クイーンズ99万5,000ドル、ブロンクス83万ドルでした。1戸あたりではブルックリン62万5,000ドル、ブロンクス41万5,000ドルで、一軒家を1戸として買うより安く住戸を持てます。
6戸未満の建物は家賃安定化の対象にならず、小さな貸主は正当な理由による立ち退き法の対象外です。一方で、名義と持ち戸数で適用が変わります。一般論はここまでで、どの地区で、誰の名義で持つかはご相談ください。
よくある質問
ニューヨークの2世帯住宅はいくらで買えますか。
2025年10月から2026年9月までに売れた2世帯住宅の中央値は、ブルックリン125万ドル、クイーンズ99万5,000ドル、ブロンクス83万ドル、スタテンアイランド94万8,500ドルでした。マンハッタンは81件で380万ドルです。
2世帯住宅は1戸あたりいくらになりますか。
成約価格を住戸の数で割った中央値は、ブルックリン62万5,000ドル、クイーンズ49万7,500ドル、ブロンクス41万5,000ドルでした。同じ区の一軒家の中央値より安く住戸を持てます。
2世帯住宅を貸すと家賃安定化の対象になりますか。
通常はなりません。家賃安定化は主に6戸以上の建物が対象で、2世帯・3世帯住宅は外れます。また、州内の持ち戸数が合計10戸以下の貸主には正当な理由による立ち退き法も適用されません。
日本に住んだまま2世帯住宅を買えますか。
買えます。両方の住戸を貸す前提になり、売るときは代金の15%が源泉され、相続では米国の遺産税の対象になります。個人で持つかLLCで持つかで、責任の範囲と日本側の課税が変わります。
PRACTICE取得・保有・出口の実務(139件)
買うとき
- 物件の探し方 — 情報の仕組みと在庫の実際
- 日本から買う — 内見から送金までの実務
- 米国のローン — LTVとレバレッジの考え方
- アメリカの住宅ローン — 駐在・非居住者でも借りられる条件と金利
- ニューヨークシティのコンドミニアム購入 — 価格相場と手順、費用と名義の決め方
- DSCRローン — 収入証明なしで組む条件
- 法人名義で買うか — 個人所有との損益分岐
- タイトル保険 — 日本の登記制度との違い
- 不動産会社の選び方 — 確認すべき5点
- 失敗は5つに集まる — 契約前に確認できる項目
- 海外不動産のデメリット4つ — 対処できるものとできないものを分ける
- 新築と中古 — 価格・交渉・維持費で比べる
- プレコンストラクション — 竣工前に買う判断
- タウンハウス一棟 — 管理組合のない所有
- 借りるか買うか — 高金利下の損益分岐
- オファーの条件をどこまで外すか — 手付金10%を賭ける判断
- 住みながら買う — 賃貸を続ける場合との比較
- 買付前に揃える資金証明 — 海外資産をどう示すか
- 購入資金を日本から動かす — 送金の手順と証跡の残し方
- 価格を交渉する — 売主が実際に見ている条件
- 新築か中古か — 費用構造から比べる
- ペントハウスとは何か — 名称の実態と価値の見極め方
- Airbnb前提で買わない — 30日ルールの実際
- アメリカ不動産の買い方 — 手続き・費用・注意点
- アメリカで家を買うときにつまずきやすい点 — 準備の順序で結果が変わる
- 利回りか、資産の置き場所か — ニューヨークを選ぶ理由の分かれ目
- コンドとコープの違い — 審査・費用・売りやすさ
- 賃貸と購入の総費用 — 税制とリスクまで含めて比べる
- オフマーケット物件 — 情報が回る経路と紹介を受ける準備
- バイヤーエージェント — 買主側につく担当の役割
- アトーニー(弁護士) — 契約と決済で担う役割
- 購入前のデューデリジェンス — 確認すべき書類と手順
- インスペクション — 何を見て、いくらかかるか
- 価格はどう決まるか — 鑑定と成約事例の読み方
- 買うのに何ヶ月かかるか — オファーから鍵の受け取りまで
- クロージング費用 — 内訳と節約できる項目
- マンションタックスと譲渡税 — 100万ドルを超えると変わること
- エスクロー — 仕組みと流れ、日本との違い
- タイトル保険の費用 — 必要な理由と保険料の決まり方
- 新築コンドのスポンサーユニット — 仕組みと交渉
- SSNなしで組むローン — 3つの方法を比べる
- 学区と価格の関係 — コンドミニアム相場の読み方
- 一軒家の値段 — 5区の成約価格の中央値
- 中古マンションの値段 — 築年数で見る成約価格
- 郊外の一軒家 — 値段と固定資産税を郡で比べる
- 億ションは年に何件売れるか — 1億円を超える成約の数
- 駐在中に家を買うか — 帰任までの年数で変わる税金と売り方
- 2世帯・3世帯住宅の値段(この記事)
持っているあいだ
- 管理費は月いくらか — 区別の実額と安い建物の落とし穴
- 不動産にかける保険 — 所有形式で必要な補償が変わる
- 買った後の管理 — 海外に住みながら所有を続ける
- 管理会社の選び方 — 費用と契約前の確認事項
- テナント管理 — 賃料回収と契約更新の実務
- 収益改善の手法 — プロパティマネジメントの実際
- アメリカの固定資産税は年いくらか — 州別の実効税率と物件価格別の年額
- 減価償却で税を前倒しする — 建物比率と、個人名義・法人名義の違い
- 4年償却は使えるのか — 2020年改正後の正しい姿
- 改正後に残った節税の道 — 個人の損益通算と法人名義の分かれ目
- 土地の権利とゾーニング — 何が建てられるかの規制
- 保証人と保証会社 — 収入40倍の壁を越える
- 賃貸収入の税務 — 非居住者の源泉徴収と純額課税の選択
- 非居住者の確定申告 — オーナーの年間カレンダー
- 価格の推移 — 10年・5年・直近1年を都市別に見る
- 駐在員の確定申告 — 日米どちらに出すか、FBARの1万ドルの線
- 賃料の日本での申告 — 円換算のレート、償却の制限、外国税額控除
- 国外財産調書と財産債務調書 — 5,000万円と3億円の線
- 法人名義と日本の合算課税 — LLCは日本では外国法人。20%と27%の線
- 日本にいながら賃貸を回す — 管理会社の選び方と契約で決めること
- 家賃を払わない入居者 — 貸主にできることと、できないこと
- 買った翌年に税額が変わる — 減免の残存年数で年2万ドルの差
- 固定資産税の不服申立 — 3月1日と3月15日という期限
- 州を固定資産税で選ぶ前に — 同じ州でも郡と学区で倍変わる
- マルチファミリー投資 — 収益構造と融資、見落としやすいリスク
- 賃料規制物件を買うと — レントスタビライゼーションの実際
- リノベーション — 管理組合の承認と工事の実際
- コストセグリゲーション — 償却を前倒しする調査の中身
- 不動産プロフェッショナル(REPS) — 給与所得の課税を下げる仕組み
- IRSの税務調査 — 備えておく書類
- 売らずに積み上げる — 担保に次を買い、課税を繰り延べる
- 商業不動産への投資 — 住宅との違いと市場の特徴
- 買った後に増える税と費用 — 減税の終了、評価額、排出規制
- W-8BENとW-8ECI — 家賃の30%源泉と純額での申告
- ニューヨーク州の所得税 — 非居住者の家賃と売却益
- Form 5472 — 外国人が持つLLCの報告書と2万5,000ドルの罰金
- 1042-S — 引かれた30%を米国と日本の申告で使う
- ピエダテール税 — 日本に住む所有者のコンドは対象か
- 家賃凍結 — 貸している物件に効くのはどの住戸か
- 国外送金等調書 — 100万円を超える送金と受け取り
- 日本の法人で持つと支店利益税 — 30%と条約の5%
出すときと税務
- 売るときの流れ — 海外にいながら決済まで
- 売却の手続きと税金 — 必要書類まで
- 売却の戦略 — 市場を見て出口を決める
- 非居住者のキャピタルゲイン税 — 1040NRの申告手順
- 1031エクスチェンジ — 譲渡益を繰り延べる仕組み
- 出口の使い分け — 源泉徴収・1031・セクション121
- QOF(適格機会基金) — 譲渡益の課税を繰り延べる
- オポチュニティゾーン — 繰延制度の中身
- FIRPTAの源泉徴収 — 売却代金の15%と還付の手続き
- 贈与税はいくらから — 非居住者は生涯控除ゼロ
- アメリカの相続税 — 連邦と州、非居住者の場合分け
- 非居住者の遺産税 — 基礎控除6万ドルの壁
- 不動産をトラスト名義にする — プロベートは避けられるが遺産税は消えない
- 日本の相続税評価 — 鑑定評価、TTB換算、小規模宅地の特例
- FIRPTAと外国税額控除 — 対象は確定税額。控除の年がずれる
- 売却の為替差益 — 取得日と売却日のTTMで譲渡所得が変わる
- ニューヨーク州の遺産税 — 控除を5%超えると全部消える
- 持分を毎年贈与するか — 取得費が引き継がれるか、時価に置き換わるか
- 信託(トラスト) — 種類・税務・債権者保護
- 複数人で持つ — 共有の形式で相続の結果が変わる
- 遺言書 — 手続きと費用、税務上の注意
- FBAR・FATCA — 海外金融口座の報告義務
- 駐在員の確定申告 — 日米の税金と控除
- 日米の税制の要点 — 法人設立の前に押さえる
- 日米租税条約 — 軽減されるもの、されないもの
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- 資産をどこに置くか — 富裕層の配分と、不動産が選ばれる理由
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- 1031と日本の課税 — 米国で繰り延べても日本では課税される
- 相続したときの名義の移り方 — 検認と納税証明の順番
- プロベートの費用と期間 — 回避する方法
- 資産の種類で変わる相続 — 米国株・米国債・預金・不動産
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