マンハッタンで2025年10月から2026年9月までに売れたコンドミニアム(以下コンド)を、同じ建物の中で階ごとに比べました。2〜9階の成約価格の中央値を1とすると、10〜19階は1.13倍、20〜29階は1.47倍、30〜49階は1.87倍、ペントハウス(住戸番号にPHが付く住戸)は2.16倍でした。
ニューヨーク市財務局の売買記録には、住戸の面積が載っていません。この倍率には、上の階ほど住戸が広くなる分も入っています。階の高さだけで生まれた差ではない点に注意してください。
- 同じ建物で比べると、20〜29階は2〜9階の1.47倍、30〜49階は1.87倍の値段で売れていました
- ペントハウスは2.16倍です。15階建て以上の建物の最上階から3フロアまでの住戸は1.38倍でした
- ブルックリンは差が小さく、10〜19階で1.20倍、ペントハウスで1.54倍です
- 倍率には住戸の広さの差が入っています。買うときは図面の面積で1平方フィートあたりに直して比べます
本日はニューヨークのマンションの値段が階数でどう変わるかについて見ていきましょう。
1. 階ごとの成約価格

マンハッタンは50階以上で339万7,500ドル
財務局のローリングセールスから、コンドの住戸(建物区分12・13・15)の成約を取り出し、住戸番号から階を読みました。「12B」と「1203」は12階、「PH3」はペントハウスとして数えています。1万ドル未満の取引と、同じ日に同じ街区で同じ価格が並ぶ一括の取引は除きました。階が読めたのは、マンハッタンで5,573件のうち4,997件、ブルックリンで2,870件のうち2,284件です。
| 階 | マンハッタン 件数 | 中央値 | ブルックリン 件数 | 中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 2〜9階 | 2,357件 | 137万5,000ドル | 1,678件 | 97万9,000ドル |
| 10〜19階 | 1,165件 | 159万9,000ドル | 162件 | 157万5,000ドル |
| 20〜29階 | 559件 | 171万5,000ドル | 59件 | 180万ドル |
| 30〜49階 | 392件 | 220万7,500ドル | 38件 | 256万ドル |
| 50階以上 | 220件 | 339万7,500ドル | 27件 | 146万ドル |
| ペントハウス | 198件 | 526万2,500ドル | 86件 | 244万6,900ドル |
2025年10月〜2026年9月の成約。1階と、階が読めない住戸番号(「GF」「TH」など)は除いた。
この表は建物をまたいだ比較です。高い階の住戸は高層の建物にしかなく、建物の新しさや立地の違いもそのまま入ります。ブルックリンで50階以上が30〜49階より安く出ているのは、50階を超える建物が数えるほどしかなく、件数も27件と少ないためです。
2. 同じ建物の中で比べる

2〜9階を1とした倍率
建物の違いを外すため、同じ住所で6件以上売れ、2〜9階の成約が2件以上ある建物に絞りました。マンハッタン127棟、ブルックリン72棟です。各成約を、その建物の2〜9階の中央値で割り、倍率の中央値を出しています。
| 階 | マンハッタン 件数 | 倍率 | ブルックリン 件数 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 10〜19階 | 419件 | 1.13倍 | 79件 | 1.20倍 |
| 20〜29階 | 173件 | 1.47倍 | 20件 | 1.27倍 |
| 30〜49階 | 54件 | 1.87倍 | 25件 | 1.20倍 |
| ペントハウス | 42件 | 2.16倍 | 23件 | 1.54倍 |
| 最上階から3フロア(15階建て以上の建物) | 156件 | 1.38倍 | 28件 | 1.36倍 |
同じ建物の2〜9階の成約価格の中央値を1とした倍率の中央値。マンハッタンの50階以上は12件(2.42倍)と少ないため表から外した。
マンハッタンでは、20階を超えたあたりから倍率がはっきり上がります。この倍率には、眺望の差と、上の階ほど住戸を広くとる設計の差の両方が入っています。どちらがどれだけ効いているかは、売買記録だけでは分けられません。
3. ペントハウスの値段

中央値526万2,500ドル、真ん中の半分は202万〜1,041万ドル
マンハッタンで住戸番号にPHが付く住戸は198件売れ、成約価格の中央値は526万2,500ドルでした。真ん中の半分は202万1,250ドルから1,041万2,500ドルに広がっています。同じ建物の2〜9階と比べると2.16倍です。ブルックリンのペントハウスは86件で、中央値244万6,900ドル、同じ建物の下の階の1.54倍でした。
最上階から3フロアまでの住戸は1.38倍で、PHの付く住戸の2.16倍よりかなり低く出ました。PHという呼び名に法律上の定義はなく、付け方は建物ごとに違います。名前ではなく、天井高、屋外空間、眺望が将来も保たれるかで値段が分かれます。見極め方はペントハウスとは何かの記事にまとめています。
4. 上の階を買う前に確かめること

面積、眺望、税と名義
- 図面の面積で1平方フィートあたりの価格に直し、同じ建物の下の階の成約と比べる
- 眺望が将来ふさがれないか。隣の敷地にどこまで建てられるかをゾーニングで確かめる
- 屋上の機械設備が真上にないか。設備が動く時間帯に内見する
- 100万ドル以上は価格の1%のマンションタックス、200万ドル以上はニューヨーク市の追加の税が段階的に加わる。どちらも買主が払う(マンションタックスと譲渡税の記事)
| 持ち方 | 買うとき | 売るとき |
|---|---|---|
| 日本に住む個人 | マンションタックスは住む国に関係なく買主が払う | 売却代金の15%が源泉される(FIRPTA)。申告して精算する |
| 出資者が1人の米国LLC | 個人と同じ | 税務上は所有者本人と同じ扱いで、FIRPTAも同じ |
| 米国に住む個人 | 個人と同じ | FIRPTAの源泉はない。売却益を申告する |
州税務財務局の不動産譲渡税の案内と、IRSのFIRPTAの源泉徴収のページによる。
源泉の精算の手順はFIRPTAの記事、名義の選び方は法人名義で買うかの記事で見ています。
まとめ
上の階ほど高い。ただし倍率には広さの差も入る
マンハッタンの同じ建物では、20〜29階が2〜9階の1.47倍、30〜49階が1.87倍、ペントハウスが2.16倍で売れていました。ブルックリンは差が小さく、ペントハウスで1.54倍です。
この倍率には住戸の広さと眺望の差が混ざっています。候補の住戸は、図面の面積で単価に直し、同じ建物の下の階の成約と並べて判断します。一般論はここまでで、建物ごとの成約の読み方と名義の組み方はご相談ください。
よくある質問
ニューヨークのマンションは上の階ほど高いですか。
マンハッタンで2025年10月から2026年9月に売れたコンドを同じ建物の中で比べると、2〜9階を1として、20〜29階は1.47倍、30〜49階は1.87倍、ペントハウスは2.16倍でした。この倍率には住戸の広さの差も含まれます。
ニューヨークのペントハウスはいくらで売れていますか。
マンハッタンで住戸番号にPHが付く住戸は198件売れ、成約価格の中央値は526万2,500ドルでした。真ん中の半分は202万1,250ドルから1,041万2,500ドルです。ブルックリンは86件で244万6,900ドルでした。
階による値段の差はブルックリンでも同じですか。
ブルックリンは差が小さく、同じ建物の2〜9階を1として、10〜19階は1.20倍、ペントハウスは1.54倍でした。50階を超える建物が少なく、件数も限られます。
上の階の住戸は何を基準に比べればよいですか。
図面の面積で1平方フィートあたりの価格に直し、同じ建物の下の階の成約と比べます。隣の敷地にどこまで建てられるか、屋上の機械設備が真上にないかも確かめます。
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