ニューヨーク市で2025年10月から2026年9月までに売れた更地(建物のない土地)の値段は、1平方フィートあたりの中央値でブルックリン399ドル、クイーンズ285ドル、ブロンクス242ドル、スタテンアイランド109ドルでした。坪に直すと、ブルックリンは1坪あたり約1万4,198ドルです。マンハッタンは16件しかなく、中央値は1平方フィート2,688ドルですが、取引ごとの幅がとても大きくなっています。
ニューヨーク市財務局が公開している売買記録から、更地の取引だけを取り出し、価格を土地の面積で割って集計した数字です。地価の推移は、ブルックリンの2003年からの年次の記録で見ます。
- 更地の1平方フィートあたりの中央値は、ブルックリン399ドル、クイーンズ285ドル、ブロンクス242ドル、スタテンアイランド109ドルです
- マンハッタンの更地は1年で16件だけで、中央値は2,688ドル、中央の半分が523〜5,221ドルと幅が大きい
- ブルックリンの更地は2003年の38ドルから2025年の322ドルへ、約8.5倍になりました
- 土地は減価償却ができず、建物を建てる前提で買うものです。名義と出口の税金を先に決めます
本日はニューヨークの土地の値段を、5区の更地の成約価格と地価の推移から見ていきましょう。
1. 5区の更地の成約価格と坪単価

建物区分05と31の取引を土地の面積で割る
財務局のローリングセールスには、直近12か月に売れた不動産が1件ずつ載っています。住宅用の更地(建物区分05)と商業用の更地(31)を対象にし、1万ドル未満の取引と、同じ日に同じ街区で同じ価格が並ぶ一括の取引を除きました。1坪は35.58平方フィートで換算しています。
| 区 | 件数 | 成約価格の中央値 | 1平方フィートあたり | 1坪あたり |
|---|---|---|---|---|
| マンハッタン | 16件 | 1,474万500ドル | 2,688ドル | 約9万5,648ドル |
| ブルックリン | 121件 | 92万5,000ドル | 399ドル | 約1万4,198ドル |
| クイーンズ | 143件 | 82万5,000ドル | 285ドル | 約1万141ドル |
| ブロンクス | 79件 | 61万ドル | 242ドル | 約8,611ドル |
| スタテンアイランド | 101件 | 53万ドル | 109ドル | 約3,879ドル |
2025年10月〜2026年9月の成約。1平方フィートあたりは取引ごとに価格を土地の面積で割った値の中央値。
マンハッタンを除く4区では、更地の取引は1年に80〜140件ほどあります。土地の広さの中央値はブルックリン2,175平方フィート(約61坪)、クイーンズ2,320平方フィート、ブロンクス2,500平方フィートで、幅25フィート、奥行き100フィートのよくある敷地(2,500平方フィート)に近い大きさです。
2. マンハッタンの土地は件数が少なく、値段の幅が大きい

中央の半分で1平方フィート523〜5,221ドル
マンハッタンの更地は1年で16件でした。価格の中央値は1,474万500ドル、1平方フィートあたりの中央値は2,688ドルですが、中央の半分が523〜5,221ドルに広がっています。件数が少ないため、1件の大きな取引で中央値が大きく動きます。
マンハッタンの土地の値段は、土地の広さよりも、その上に建てられる床面積で決まります。同じ広さでも、建てられる床面積が倍なら値段も大きく変わります。何が建てられるかの決まりは土地の権利とゾーニングの記事で整理しています。
年ごとの記録をまとめて見ると、マンハッタンの更地の1平方フィートあたりの中央値は、2003〜2007年が168ドル、2013〜2017年が808ドル、2023〜2025年が974ドルでした。期間ごとの件数は60〜199件です。
3. 地価の推移。ブルックリンの更地は約8.5倍に

2003年から2025年までの年次の記録
ブルックリンは毎年100件前後以上の更地の取引があり、推移を追いやすい区です。財務局の年次の売買記録で、同じ条件で集計しました。
| 年 | 件数 | 1平方フィートあたりの中央値 | 1坪あたり |
|---|---|---|---|
| 2003年 | 547件 | 38ドル | 約1,352ドル |
| 2007年 | 268件 | 178ドル | 約6,334ドル |
| 2010年 | 102件 | 136ドル | 約4,839ドル |
| 2015年 | 245件 | 224ドル | 約7,971ドル |
| 2019年 | 151件 | 395ドル | 約1万4,055ドル |
| 2022年 | 163件 | 450ドル | 約1万6,012ドル |
| 2025年 | 140件 | 322ドル | 約1万1,458ドル |
各年1月〜12月の成約。条件は1と同じ。
2008年の金融危機のあとに一度下がり、2015年以降に上がって、2022年の450ドルが最も高い年でした。2025年は322ドルで、2022年から下がっています。土地の取引は年ごとに場所と広さが入れ替わるため、1年の上下よりも数年の流れで見ます。
4. 土地を買うときの名義と税金

土地は減価償却ができない
アメリカの税務では、建物は年数をかけて費用にできますが、IRSの説明のとおり土地は減価償却ができません。更地のまま持っても、家賃の収入を減らす費用は生まれません。建てるか、建物付きで買うかで税の形が変わります。
| 場面 | 個人名義 | 法人名義(LLCなど) |
|---|---|---|
| 米国に住む方が持つ | 売却益は個人の申告で課税 | 出資者1人のLLCは税務上は個人と同じ扱い |
| 日本に住む方が持つ | 売るときは代金の15%が源泉される。相続では米国の遺産税の対象(基礎控除6万ドル) | 源泉は同じく15%。誰が出資するかで相続の扱いが変わる |
源泉徴収はIRSのFIRPTAの説明による。名義ごとの違いは個別の条件で変わる。
売るときの源泉の仕組みはFIRPTAの記事、法人で買うかどうかは法人名義で買うかの記事で見ています。
まとめ

土地の値段は区で大きく違い、マンハッタンは建てられる床面積で決まる
直近1年の更地の1平方フィートあたりの中央値は、ブルックリン399ドル、クイーンズ285ドル、ブロンクス242ドル、スタテンアイランド109ドルでした。マンハッタンは件数が少なく、取引ごとの幅が大きい市場です。ブルックリンの更地は2003年から2025年までに約8.5倍になりました。
土地は減価償却ができないため、何を建てて、誰の名義で持ち、どう出るかまで決めてから買います。一般論はここまでで、個別の土地や名義の組み方はご相談ください。
よくある質問
ニューヨークの土地は1坪いくらですか。
2025年10月から2026年9月までに売れた更地の1平方フィートあたりの中央値を坪に直すと、ブルックリン約1万4,198ドル、クイーンズ約1万141ドル、ブロンクス約8,611ドル、スタテンアイランド約3,879ドルでした。マンハッタンは16件で約9万5,648ドルですが、取引ごとの幅が大きい数字です。
ニューヨークの地価は上がっていますか。
ブルックリンの更地の1平方フィートあたりの中央値は、2003年の38ドルから2022年の450ドルまで上がり、2025年は322ドルでした。2003年から2025年までに約8.5倍です。土地の取引は年ごとに場所と広さが入れ替わるため、数年の流れで見ます。
マンハッタンの土地の値段はなぜ幅が大きいのですか。
マンハッタンの更地の取引は1年で16件と少なく、値段は土地の広さよりも、その上に建てられる床面積で決まるためです。中央の半分の取引が1平方フィート523〜5,221ドルに広がっていました。
土地を買うと減価償却で税金を減らせますか。
減らせません。アメリカの税務では建物は年数をかけて費用にできますが、土地は減価償却の対象外です。更地のまま持つ場合、家賃の収入を減らす費用は生まれません。
PRACTICE取得・保有・出口の実務(139件)
買うとき
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- 米国のローン — LTVとレバレッジの考え方
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- ニューヨークシティのコンドミニアム購入 — 価格相場と手順、費用と名義の決め方
- DSCRローン — 収入証明なしで組む条件
- 法人名義で買うか — 個人所有との損益分岐
- タイトル保険 — 日本の登記制度との違い
- 不動産会社の選び方 — 確認すべき5点
- 失敗は5つに集まる — 契約前に確認できる項目
- 海外不動産のデメリット4つ — 対処できるものとできないものを分ける
- 新築と中古 — 価格・交渉・維持費で比べる
- プレコンストラクション — 竣工前に買う判断
- タウンハウス一棟 — 管理組合のない所有
- 借りるか買うか — 高金利下の損益分岐
- オファーの条件をどこまで外すか — 手付金10%を賭ける判断
- 住みながら買う — 賃貸を続ける場合との比較
- 買付前に揃える資金証明 — 海外資産をどう示すか
- 購入資金を日本から動かす — 送金の手順と証跡の残し方
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- 賃貸と購入の総費用 — 税制とリスクまで含めて比べる
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- マンションタックスと譲渡税 — 100万ドルを超えると変わること
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持っているあいだ
- 管理費は月いくらか — 区別の実額と安い建物の落とし穴
- 不動産にかける保険 — 所有形式で必要な補償が変わる
- 買った後の管理 — 海外に住みながら所有を続ける
- 管理会社の選び方 — 費用と契約前の確認事項
- テナント管理 — 賃料回収と契約更新の実務
- 収益改善の手法 — プロパティマネジメントの実際
- アメリカの固定資産税は年いくらか — 州別の実効税率と物件価格別の年額
- 減価償却で税を前倒しする — 建物比率と、個人名義・法人名義の違い
- 4年償却は使えるのか — 2020年改正後の正しい姿
- 改正後に残った節税の道 — 個人の損益通算と法人名義の分かれ目
- 土地の権利とゾーニング — 何が建てられるかの規制
- 保証人と保証会社 — 収入40倍の壁を越える
- 賃貸収入の税務 — 非居住者の源泉徴収と純額課税の選択
- 非居住者の確定申告 — オーナーの年間カレンダー
- 価格の推移 — 10年・5年・直近1年を都市別に見る
- 駐在員の確定申告 — 日米どちらに出すか、FBARの1万ドルの線
- 賃料の日本での申告 — 円換算のレート、償却の制限、外国税額控除
- 国外財産調書と財産債務調書 — 5,000万円と3億円の線
- 法人名義と日本の合算課税 — LLCは日本では外国法人。20%と27%の線
- 日本にいながら賃貸を回す — 管理会社の選び方と契約で決めること
- 家賃を払わない入居者 — 貸主にできることと、できないこと
- 買った翌年に税額が変わる — 減免の残存年数で年2万ドルの差
- 固定資産税の不服申立 — 3月1日と3月15日という期限
- 州を固定資産税で選ぶ前に — 同じ州でも郡と学区で倍変わる
- マルチファミリー投資 — 収益構造と融資、見落としやすいリスク
- 賃料規制物件を買うと — レントスタビライゼーションの実際
- リノベーション — 管理組合の承認と工事の実際
- コストセグリゲーション — 償却を前倒しする調査の中身
- 不動産プロフェッショナル(REPS) — 給与所得の課税を下げる仕組み
- IRSの税務調査 — 備えておく書類
- 売らずに積み上げる — 担保に次を買い、課税を繰り延べる
- 商業不動産への投資 — 住宅との違いと市場の特徴
- 買った後に増える税と費用 — 減税の終了、評価額、排出規制
- W-8BENとW-8ECI — 家賃の30%源泉と純額での申告
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- Form 5472 — 外国人が持つLLCの報告書と2万5,000ドルの罰金
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出すときと税務
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