5番街と57丁目の角。かつて銀行や画廊が入っていた1920年代の建物が、数年の工事を経て姿を変えました。
クラウンビル。その上層に入ったのが、アマン・ニューヨーク・レジデンスです。
アマンは、世界各地でごく小規模なリゾートを運営してきたブランドです。都市部の住宅としてニューヨークに入ったこと自体が、この物件の性格を表しています。
本日は、アマン・ニューヨーク・レジデンスについて見ていきましょう。
CONTENTS
1. 歴史的建造物を骨格から作り直す

クラウンビルは1920年代の建築で、5番街と57丁目という交差点に立ちます。ニューヨークで最も地価の高い角のひとつです。
この建物の改修は、内装を整える程度のものではありませんでした。ホテルと住宅として成立させるため、構造から手を入れる大規模な工事が行われています。
外観は歴史的建造物として保存する一方、内部は現代の住宅とホテルの基準で作り直す。この二つを同時に満たす工事は、工期も費用も通常の新築を上回ります。
歴史的建造物の改修に伴う制約はウォルドーフ・アストリアの記事でも整理していますので、あわせてご覧ください。
2. ブランドが持つ意味

アマンというブランドの特徴は、規模を追わないことにあります。客室数を絞り、静けさと余白を優先する設計が世界共通の方針です。
ニューヨークの住宅としても、その考え方が反映されています。住戸数は非常に少なく、共用部にも人が集まりすぎない設計になっています。
ブランドレジデンスの仕組みそのものはリッツ・カールトン・レジデンスやマンダリンオリエンタルフィフスの記事で解説しています。所有するのは住宅そのもので、運営基準がサービスとして入る形です。
この物件で特徴的なのは、ブランドの性格が「サービスの厚さ」ではなく「静けさ」に向いている点です。同じブランドレジデンスでも、求める体験が異なります。
所在地
730 Fifth Avenue, New York, NY 10019。5番街と57丁目の角に位置します。場所はGoogleマップでご確認いただけます。
3. 住戸の希少性という論点

住戸数が少ないことは、住み心地の面では利点です。一方、購入を検討する立場からは売り物件がほとんど出ないという状況を意味します。
この価格帯で戸数の少ない建物では、公開市場に出る前に決まることが珍しくありません。情報が回る経路に入っているかどうかが実質的な差になります。
入手経路と、紹介を受けるために買主側が準備すべきことはオフマーケット物件の記事にまとめています。条件を明確にし、資金証明を用意し、短期間で判断できる態勢を作っておくことが前提になります。
4. 購入の実務

コンドミニアムであれば、外国籍・非居住のまま購入でき、法人名義での保有も可能です。この価格帯では法人名義を選ばれる方も多くあります(法人名義で買うべきかの記事参照)。
確認すべき点は次の通りです。
・管理費に含まれるサービスの範囲(契約書で確認。パンフレットの記載とは別)
・運営会社との契約期間と更新条件
・賃貸に出す場合の制限(転貸の記事参照)
・管理費と固定資産税を含めた月次の負担(管理費と固定資産税の記事参照)
・100万ドル以上にかかるマンションタックスの段階(マンションタックスの記事参照)
購入手順の全体像はニューヨーク不動産の購入ガイド、日本からの進め方はリモート購入の記事にまとめています。
現在売りに出ている住戸(2026-08-16時点)
| 住戸 | 広さ | ベッドルーム | 売出価格 |
|---|---|---|---|
| 17B | 3,668sqft(約341平米) | 2 | 20,450,000ドル(約31.7億円) |
出典はCityRealtyのアマン・ニューヨーク・レジデンスの建物ページです。売出しは日々入れ替わりますので、最新の在庫と実際に入れる価格は個別にお調べします。非公開で動いている住戸もあります。
まとめ

アマン・ニューヨーク・レジデンスは、5番街と57丁目という立地に、静けさを価値とするブランドが入ったという組み合わせの物件です。にぎやかな交差点の上に、意図的に静かな空間が作られています。
戸数が少ないため、検討されるなら態勢を先に整えておく必要があります。出てから動くのでは間に合わないことが多い建物です。
在庫が出た際のご連絡と、非公開情報のご案内を承っております。
BUILDINGSニューヨークの主な建物。名義と税務の観点から(84件)
ビリオネアズロウと57丁目
- セントラルパークタワー — 世界一高い住宅ビル
- One57 — ビリオネアズロウの先駆け
- 432 Park Avenue — 正方形窓の超高層
- 220 Central Park South — 全米住宅最高額の記録
- 111 West 57th — 世界で最も細い超高層
- 53 West 53rd — 近代美術館の上に住む
- Mandarin Oriental Fifth — ホテルブランドの住まい
- エセックスハウス — 公園南のアールデコ
- オズボーン — 1885年の石積み
セントラルパーク西の戦前建築
- ダコタハウス — 1884年、市内最初期の高級住宅
- サンレモ — エメリー・ロスのツインタワー
- ベレスフォード — 三本の塔と博物館の眺め
- エルドラド — 公園西の最北、貯水池の眺望
- センチュリー — 公園西で最も中心に近い
- マジェスティック — ダコタの向かい、急行駅前
- One Central Park West — コロンバスサークルの角
- 15 Central Park West — 新築で戦前の風格
パークアベニューとイーストサイド
- 740 Park Avenue — 世界で最も入りにくい住宅
- 520 Park Avenue — 戦前の格を新築で
- オリンピックタワー — 五番街の複合の先駆け
- リッツ・カールトン・レジデンス — ホテルブランドの実際
- シェリーネザーランド — ホテル機能を持つコープ
- リバーハウス — 川に正対する名門コープ
- One Sutton Place South — 借地の上に立つ建物
- サットンタワー — イーストリバー沿いの新築120戸
- 252イースト57丁目 — 分譲と賃貸が同じ塔、値下げの履歴
- ワンビーコンコート — オフィスの上に住む複合ビル
- 200イースト59 — 全戸テラス67戸、屋外面積の評価
- マンハッタンハウス — 戦後モダニズムの代表作
- ウォルドーフ・アストリア — 歴史的ホテルの住宅転用
- プラザ・レジデンス — 1907年の名門ホテル
- アマン・ニューヨーク(この記事)
- 400 Fifth Avenue — 商業地区に住むという選択
アッパーウエストとグラマシー
- アンソニア — ホテルから賃貸、コンドへ
- アプソープ — 1908年の中庭型、名義の自由
- ベルノード — 賃貸から分譲への転換
- 200 Amsterdam — 建築許可をめぐる訴訟
- 50 Gramercy Park North — 公園の鍵という権利
- マディソンハウス — ノマドの新築タワーと管理費
- ワンマディソン — 築10年超の53戸と転売
- 277フィフスアベニュー — 5番街の住所は価格に乗るか
ダウンタウンとトライベッカ
- ウールワースタワー — 1913年の超高層に住む
- ワンウォールストリート — オフィス転用と減税
- 25パークロウ — シティホール公園向きの価格差
- 77グリニッジ — 小学校を抱えた90戸の価格交渉
- ワン・ビークマン — シティホール・パーク前のフロア1戸31戸
- 56 Leonard Street — 新築分譲の取得コスト
- 111 Murray Street — 大型間取りの市場
- 130 William — 固定資産税の読み方
- 30 Park Place — ホテル併設レジデンス
- ビークマン・レジデンス — 賃貸運用向けの間取り
- 443 Greenwich — 倉庫転用と面積表示
- 565ブルームソーホー — レンゾ・ピアノ設計の112戸
- 42クロスビー — 10戸と100万ドルの駐車場の評価
- 108レナード — ランドマーク改装の167戸
- グリニッチレーン — 5棟とタウンハウスの構成
- 130ウエスト12丁目 — 病院跡コンバージョンの評価
- パックビルディング — 6戸だけのペントハウス
- 70ベストリー — 川沿い46戸、少数戸を持つ意味
- 160レロイ — ウエストビレッジ川沿い57戸の値付け
- One Manhattan Square — 大型タワーの出口
- ワンハイライン(旧XI) — 開発会社の破綻と再生
ハイライン・ハドソンヤーズ
- 520 West 28th — ザハ・ハディド唯一のNY住宅
- ランタンハウス — デベロッパーの実績の見方
- 100 Eleventh Avenue — ガラス外壁の維持費
- 15 Hudson Yards — 新開発地区の評価
- 35 Hudson Yards — 似た2棟をどう比べるか
- ハドソンヤーズの住宅 — 竣工前契約の実務
- ザ・コートランド — レンガ外装と資産価値
- ウォーカータワー — 電話局のコンバージョン
- 25 Columbus Circle — 建物の改名と資産価値
ブルックリンとクイーンズ
- ブルックリンタワー — 区で初めての超高層
- ブルックリンポイント — 屋上プールの高層
- クワイタワー — 公園に守られた眺望
- ワン・ブルックリンブリッジパーク — 倉庫転用の449戸と公園への支払い
- イレブン・ホイト — 481戸の価格帯と減税の残存年数
- スカイラインタワー — クイーンズ最高層
- オリンピア・ダンボ — ブルックリン最高額の物差し
比較の全体像はビリオネアズロウ主要タワーの比較をご覧ください。
購入の実務ガイド
よくある質問
クラウンビルはどのような工事が行われましたか。
1920年代の歴史的建造物であるクラウンビルでは、外観を保存しつつ内部を現代の基準で作り直すため、構造から手を入れる大規模な工事が行われています。この改修は内装を整える程度ではなく、ホテルと住宅として成立させるためのものです。
アマン・ニューヨーク・レジデンスのブランドの特徴は何ですか。
アマンというブランドは規模を追わず、客室数を絞り静けさと余白を優先する設計が世界共通の方針です。この物件でも住戸数が非常に少なく、共用部にも人が集まりすぎない設計になっており、サービスの厚さではなく静けさに性格が向いています。
購入を検討する際に確認すべき点はありますか。
管理費に含まれるサービスの範囲や運営会社との契約期間と更新条件、賃貸に出す場合の制限、管理費と固定資産税を含めた月次の負担、100万ドル以上にかかるマンションタックスの段階などを確認する必要があります。
本ページの相場、利回り、所要時間などの数値は、一般に公開されているデータや当社の取引経験にもとづく目安です。物件、時期、条件によって実際とは異なる場合があり、当社が正確性および最新性を保証するものではありません。犯罪発生状況はニューヨーク市警などの公的機関が地区ごとの統計を公開しているため、そちらの数字をご確認ください。当社は入居者や購入者の国籍、人種、出身、宗教、家族構成によって物件やエリアをお勧めすることはいたしません。本ページの内容は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や税務助言には当たりません。

















