ニューヨーク近代美術館(MoMA)の展示室を出て、エレベーターに乗れば自宅に着く。そんな住まいが53丁目に実在します。
53 West 53rd、通称MoMAタワー。美術館の増築部分と住宅が一体で開発された、世界的にも例の少ない建物です。
ビリオネアズロウのタワー群が眺望を競うなかで、この建物だけは違う価値を持っています。文化施設との一体性という、後から作れないものです。
本日は、53 West 53rdの成り立ちと住戸、そして購入の実務について見ていきましょう。
この建物は、実際に現地で撮影した動画でもご紹介しています。あわせてご覧ください。
53 West 53rd の現地動画(YouTube)
1. 美術館と一体で建てられたタワー

53 West 53rdは、マンハッタンの53丁目、5番街と6番街の間に立つ高さ約320メートルの超高級コンドミニアムです。設計はフランスの建築家ジャン・ヌーヴェル。プリツカー賞を受賞した、現代建築を代表する一人です。
最大の特徴は、建物の低層部がMoMAの展示スペースとして使われている点です。美術館の増築と住宅の開発が同じ計画の中で進み、文化施設の上に住居が載るという構成が生まれました。
外観も他に似たものがありません。上に向かって細くなる不規則な形状で、構造材である斜めの梁がガラス越しに見えるデザインになっています。多くの超高層が構造を隠すのに対し、この建物は構造そのものを意匠にしています。
住戸内でも、この斜めの柱が室内に現れる部屋があります。好みは分かれますが、他では得られない空間です。美術館の情報はMoMA公式サイトでご確認いただけます。
2. 住戸構成と価格帯

住戸数は約140戸。ワンベッドルームから、上層階のフルフロア住戸まで幅があります。
それでは、建物の概要を表で整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 竣工 | 2019年ごろ(順次入居) |
| 高さ | 約320メートル |
| 住戸数 | 約140戸 |
| 設計 | ジャン・ヌーヴェル(内装はティエリー・デポン) |
| 低層部 | MoMAの展示スペース |
| 形態 | コンドミニアム(外国籍でも購入可) |
※上記は公表情報に基づく概要です。個別住戸の条件は階数・方角・状態により異なります。
共用施設には、屋内プール、フィットネス、ゴルフシミュレーター、プライベートダイニングなどが揃います。居住者にはMoMAの会員資格が付帯するという、この建物ならではの特典もあります。
3. 眺望と立地の性格

北向きの高層階からはセントラルパークが見えます。ただしこの建物の価値は、眺望だけで語るものではありません。
53丁目という立地は、徒歩圏に美術館、劇場、5番街の商業施設、そして主要な企業のオフィスが集まる場所です。ビリオネアズロウのタワー群と比べると、より街の中心に近い性格を持ちます。
静けさを求めるなら公園寄りの物件が向きますし、文化と利便性の中に住みたいならこの立地が効いてきます。同じ価格帯でも、求めるものによって選ぶ建物は変わります。
周辺の他のタワーとの比較はビリオネアズロウ主要タワーの比較、隣接エリアのセントラルパークタワーやOne57の記事もあわせてご覧ください。
所在地
53 West 53rd Street, New York, NY 10019。5番街と6番街の間、MoMAに隣接しています。位置はGoogleマップでご確認いただけます。
4. 購入の実務

53 West 53rdはコンドミニアムのため、外国籍・非居住のまま購入でき、法人名義での保有も可能です。理事会による入居審査もありません。
この価格帯で確認すべき点は次の通りです。
・管理費と固定資産税を含めた月次の維持費(管理費と固定資産税の記事参照)
・100万ドル以上にかかるマンションタックスの段階(マンションタックスの記事参照)
・管理組合の財務諸表と修繕積立の状況
・斜め構造が室内に現れる住戸かどうか(図面と実地の両方で確認)
最後の点は、この建物に固有の確認事項です。図面では分かりにくく、実際に立ってみて初めて感覚がつかめます。日本からご検討の場合は、ビデオでの内見でこの点を重点的にご確認ください。
購入手順の全体像はニューヨーク不動産の購入ガイドに、日本からの進め方はリモート購入の記事にまとめています。
現在売りに出ている住戸(2026-08-16時点)
| 住戸 | 広さ | ベッドルーム | 売出価格 |
|---|---|---|---|
| PH78 | 7,455sqft(約693平米) | 4 | 64,730,000ドル(約100.3億円) |
| 66 | 6,279sqft(約583平米) | 4 | 34,400,000ドル(約53.3億円) |
| 71 | 5,500sqft(約511平米) | 3 | 29,000,000ドル(約45.0億円) |
| 72B | 4,216sqft(約392平米) | 3 | 18,500,000ドル(約28.7億円) |
| 52A | 3,910sqft(約363平米) | 4 | 16,000,000ドル(約24.8億円) |
| 17B | 4,220sqft(約392平米) | 4 | 14,880,000ドル(約23.1億円) |
出典はCityRealtyの53 West 53rdの建物ページです。売出しは日々入れ替わりますので、最新の在庫と実際に入れる価格は個別にお調べします。非公開で動いている住戸もあります。
まとめ

53 West 53rdは、美術館と一体で建てられたという一点で、他に代わりのない建物です。眺望や高さで競う市場のなかで、文化施設との近接という別の軸を持っています。
構造材が室内に現れる住戸があるため、好みがはっきり分かれます。だからこそ実物をご覧いただく価値のある物件です。
ご内覧の手配、非公開の売出し情報のご案内を承っております。
建物の様子は動画でもご覧いただけます。現地で撮影したものです。
ニューヨークの物件は、YouTubeチャンネルとInstagramでも継続してご紹介しています。
BUILDINGSニューヨークの主な建物。名義と税務の観点から(84件)
ビリオネアズロウと57丁目
- セントラルパークタワー — 世界一高い住宅ビル
- One57 — ビリオネアズロウの先駆け
- 432 Park Avenue — 正方形窓の超高層
- 220 Central Park South — 全米住宅最高額の記録
- 111 West 57th — 世界で最も細い超高層
- 53 West 53rd(この記事)
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セントラルパーク西の戦前建築
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- サンレモ — エメリー・ロスのツインタワー
- ベレスフォード — 三本の塔と博物館の眺め
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- センチュリー — 公園西で最も中心に近い
- マジェスティック — ダコタの向かい、急行駅前
- One Central Park West — コロンバスサークルの角
- 15 Central Park West — 新築で戦前の風格
パークアベニューとイーストサイド
- 740 Park Avenue — 世界で最も入りにくい住宅
- 520 Park Avenue — 戦前の格を新築で
- オリンピックタワー — 五番街の複合の先駆け
- リッツ・カールトン・レジデンス — ホテルブランドの実際
- シェリーネザーランド — ホテル機能を持つコープ
- リバーハウス — 川に正対する名門コープ
- One Sutton Place South — 借地の上に立つ建物
- サットンタワー — イーストリバー沿いの新築120戸
- 252イースト57丁目 — 分譲と賃貸が同じ塔、値下げの履歴
- ワンビーコンコート — オフィスの上に住む複合ビル
- 200イースト59 — 全戸テラス67戸、屋外面積の評価
- マンハッタンハウス — 戦後モダニズムの代表作
- ウォルドーフ・アストリア — 歴史的ホテルの住宅転用
- プラザ・レジデンス — 1907年の名門ホテル
- アマン・ニューヨーク — クラウンビルの最上位ブランド
- 400 Fifth Avenue — 商業地区に住むという選択
アッパーウエストとグラマシー
- アンソニア — ホテルから賃貸、コンドへ
- アプソープ — 1908年の中庭型、名義の自由
- ベルノード — 賃貸から分譲への転換
- 200 Amsterdam — 建築許可をめぐる訴訟
- 50 Gramercy Park North — 公園の鍵という権利
- マディソンハウス — ノマドの新築タワーと管理費
- ワンマディソン — 築10年超の53戸と転売
- 277フィフスアベニュー — 5番街の住所は価格に乗るか
ダウンタウンとトライベッカ
- ウールワースタワー — 1913年の超高層に住む
- ワンウォールストリート — オフィス転用と減税
- 25パークロウ — シティホール公園向きの価格差
- 77グリニッジ — 小学校を抱えた90戸の価格交渉
- ワン・ビークマン — シティホール・パーク前のフロア1戸31戸
- 56 Leonard Street — 新築分譲の取得コスト
- 111 Murray Street — 大型間取りの市場
- 130 William — 固定資産税の読み方
- 30 Park Place — ホテル併設レジデンス
- ビークマン・レジデンス — 賃貸運用向けの間取り
- 443 Greenwich — 倉庫転用と面積表示
- 565ブルームソーホー — レンゾ・ピアノ設計の112戸
- 42クロスビー — 10戸と100万ドルの駐車場の評価
- 108レナード — ランドマーク改装の167戸
- グリニッチレーン — 5棟とタウンハウスの構成
- 130ウエスト12丁目 — 病院跡コンバージョンの評価
- パックビルディング — 6戸だけのペントハウス
- 70ベストリー — 川沿い46戸、少数戸を持つ意味
- 160レロイ — ウエストビレッジ川沿い57戸の値付け
- One Manhattan Square — 大型タワーの出口
- ワンハイライン(旧XI) — 開発会社の破綻と再生
ハイライン・ハドソンヤーズ
- 520 West 28th — ザハ・ハディド唯一のNY住宅
- ランタンハウス — デベロッパーの実績の見方
- 100 Eleventh Avenue — ガラス外壁の維持費
- 15 Hudson Yards — 新開発地区の評価
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- ハドソンヤーズの住宅 — 竣工前契約の実務
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- 25 Columbus Circle — 建物の改名と資産価値
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- ブルックリンポイント — 屋上プールの高層
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- ワン・ブルックリンブリッジパーク — 倉庫転用の449戸と公園への支払い
- イレブン・ホイト — 481戸の価格帯と減税の残存年数
- スカイラインタワー — クイーンズ最高層
- オリンピア・ダンボ — ブルックリン最高額の物差し
比較の全体像はビリオネアズロウ主要タワーの比較をご覧ください。
購入の実務ガイド
よくある質問
53 West 53rd はどのような特徴を持つ建物ですか。
53 West 53rd はニューヨーク近代美術館の展示スペースと住宅が一体で開発された超高級コンドミニアムです。高さ約 320 メートルで、構造材である斜めの梁がガラス越しに見えるデザインが特徴です。居住者には美術館の会員資格が付帯し、文化施設の上に住居が載る構成になっています。
住戸数や共用施設はどのようなものがありますか。
住戸数は約 140 戸で、ワンベッドルームから上層階のフルフロア住戸まであります。共用施設には屋内プール、フィットネス、ゴルフシミュレーター、プライベートダイニングなどが揃っています。また、居住者にはニューヨーク近代美術館の会員資格が付帯するという特典があります。
外国籍の方が購入することは可能ですか。
53 West 53rd はコンドミニアムのため、外国籍や非居住のまま購入でき、法人名義での保有も可能です。理事会による入居審査もありません。ただし、管理費と固定資産税を含めた維持費やマンションタックスの段階、修繕積立の状況などを確認する必要があります。
本ページの相場、利回り、所要時間などの数値は、一般に公開されているデータや当社の取引経験にもとづく目安です。物件、時期、条件によって実際とは異なる場合があり、当社が正確性および最新性を保証するものではありません。犯罪発生状況はニューヨーク市警などの公的機関が地区ごとの統計を公開しているため、そちらの数字をご確認ください。当社は入居者や購入者の国籍、人種、出身、宗教、家族構成によって物件やエリアをお勧めすることはいたしません。本ページの内容は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や税務助言には当たりません。

















