200イースト59(200 East 59th Street)は、ミッドタウン・イーストのサード・アベニューと59丁目の角に立つ35階建て、67戸のコンドミニアムです。開発はマクロウ・プロパティーズ、設計はロジャー・フェリス・アンド・パートナーズで、2018年に竣工しました。全戸のまわりにテラスが回る設計で、住戸の床面積と同じくらい屋外の面積が話題になった建物です。
この建物を題材にするのは、屋外面積をどう値付けするかと、分譲時の値下げが再販にどう残るかを考えるためです。テラスは面積の表記に入らないのに価格を動かし、分譲時の値下げは何年たっても成約の記録に残ります。この2つがどう扱われ、税額と出口にどう跳ね返るかを、この建物で具体的にたどります。
1. 建物の概要。35階建て・67戸

200イースト59は、ガラスの外壁を白いスラブが階ごとに囲む外観で、そのスラブの張り出しがそのまま各戸のテラスになっています。住戸は1ベッドルームから3ベッドルームで、面積は70〜190平方メートル、最上階は2層のペントハウスです。1フロアに2〜3戸で、どの住戸も居室から直接テラスに出られます。
共用施設は、24時間のドアマン、ジム、住民ラウンジ、屋上テラスです。地下鉄は59丁目・レキシントン駅で4・5・6線とN・R・W線が使え、ブルーミングデールズが向かいにあります。ミッドタウンの勤務先とアッパー・イーストの生活圏の境目にあたる場所です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 200 East 59th Street, New York(ミッドタウン・イースト) |
| 竣工 | 2018年 |
| 階数・戸数 | 35階建て・67戸 |
| 設計・開発 | ロジャー・フェリス・アンド・パートナーズ(設計)、マクロウ・プロパティーズ(開発) |
| 形態 | コンドミニアム |
| 主な施設 | 24時間ドアマン、ジム、ラウンジ、屋上テラス、全戸テラス付き |
ミッドタウン・イーストは2010年代後半に新築コンドミニアムの供給が集中し、値下げが相次いだ地区です。地区の成り立ちと物件の傾向はミッドタウン・イーストのエリア記事にまとめています。
2. 価格の位置づけ。値下げの経緯と再販

分譲開始時の価格は1平方フィートあたり2,300ドル前後で、1ベッドルームが130万〜180万ドル、2ベッドルームが250万〜400万ドル、3ベッドルームが500万〜700万ドルでした。売り出しの時期に地区の新築が重なり、開発側は途中で価格を1〜2割引き下げています。値下げ後の成約が記録に残っているため、再販でも分譲開始時の価格は基準にならず、値下げ後の成約が起点になります。
比較対象は、同じ通り沿いの252イースト57、ブルーミングデールズの隣のワン・ビーコン・コート、東に寄ったサットン・タワーです。数ブロック南の432パークが1平方フィートあたり5,000ドル台であるのに対し、こちらは半分以下で、ミッドタウンの中では入りやすい価格帯にあります。
買う側で見るのは、値下げの記録を交渉の起点にすることです。分譲時に値下げされた建物は、売り手が分譲開始時の価格を基準に希望価格を置いていることがあり、成約の記録との差が交渉の余地になります。同じ建物の直近2年の成約を階と向きで並べ、1平方フィートあたりの単価で比べます。
3. 賃料と維持費の釣り合い。テラスの評価

賃料は、1ベッドルームで月6,000〜7,500ドル、2ベッドルームで10,000〜14,000ドルが目安です。テラスは賃料でも評価され、同じ面積で屋外のない住戸より1〜2割高く貸せることがあります。借り手はミッドタウンに勤める方が中心で、空室期間は比較的短い地区です。
テラスの評価で確認するのは、面積の表記と登記の扱いです。売り出し資料の面積は室内だけで、テラスは別に「屋外面積」として書かれます。鑑定では屋外面積を室内の2〜3割の単価で見るのが一般的で、テラスが広いほど表記の面積に対する単価が高く見えます。比べるときは屋外面積を除いた室内の単価でそろえます。
維持費で確認するのは、テラスの防水と外壁の修繕計画です。全戸にテラスが回る建物は、防水の更新周期が来たときの費用が大きく、67戸で分けると臨時徴収になりやすい構造です。コモンチャージの中身と適正水準に整理したとおり、予算書で積立残高と修繕計画を見ます。手取りの利回りは2%前後です。
4. 購入の実務と名義の設計
200イースト59はコンドミニアムのため、外国籍・非居住のまま購入でき、理事会の承認面接はありません。法人名義やトラスト名義での保有も規約の範囲で可能です。テラスは住戸の専用使用部分として規約に定められており、住戸と別に売ることはできません。
非居住者が個人名義で貸すと賃料に対する源泉徴収が30%かかり、申告で経費を引く選択をしなければ手取りが大きく削られます。LLC名義にすると、賃料の受け取りと経費の計上を法人の側に置けます。仕組みはLLC名義での保有と税務にまとめています。売却時にはFIRPTAの源泉徴収が売却価格に対してかかり、値下げ後の価格で買っていれば、その分だけ譲渡益と源泉の後の精算が変わります。
相続を見通すなら、米国の遺産税の非居住者控除が6万ドルしかない点を、買う前に織り込みます。300万ドルの住戸を個人名義で持ったまま相続が起きると、控除を超える部分に最高40%の税率がかかります。名義の設計は、購入後に変えると譲渡税がかかるため、契約前に決めます。
取引の際には、室内と屋外の面積の内訳、直近2年の成約単価、予算書と積立残高、テラスの防水を含む修繕計画を書面で確認してください。
5. まとめ
200イースト59は、全戸のテラスと分譲時の値下げという2つの特徴で見る建物です。屋外面積を除いた室内の単価で比べ、値下げ後の成約を交渉の起点に置き、防水の修繕計画を数字で確かめ、名義を契約前に決めることが、この建物での設計の要点です。
購入手順の全体像はニューヨーク不動産の購入ガイドに、日本にいながら進める方法は日本からの遠隔購入にまとめています。
売り出し状況と、非公開で動いている住戸のご案内も承っております。
よくある質問
200イースト59はどこにありますか。
ミッドタウン・イーストのサード・アベニューと59丁目の角、200 East 59th Streetです。地下鉄の59丁目・レキシントン駅で4・5・6線とN・R・W線が使え、ブルーミングデールズが向かいにあります。
200イースト59は何戸ありますか。
35階建てで67戸です。1ベッドルームから3ベッドルームで、全戸にテラスが付いています。2018年竣工、開発はマクロウ・プロパティーズ、設計はロジャー・フェリス・アンド・パートナーズです。
テラスは価格にどう影響しますか。
売り出し資料の面積は室内だけで、テラスは屋外面積として別に書かれます。鑑定では屋外面積を室内の2〜3割の単価で見るのが一般的で、比べるときは屋外面積を除いた室内の単価でそろえます。賃料では同じ面積の屋外のない住戸より1〜2割高く貸せることがあります。
外国籍でも購入できますか。
コンドミニアムのため、外国籍・非居住のまま購入でき、法人名義やトラスト名義での保有も規約の範囲で可能です。非居住者が個人名義で貸すと賃料に30%の源泉徴収がかかります。
所在地
200 East 59th Street, New York。位置はGoogleマップでご確認いただけます。
BUILDINGS
ニューヨークの主な建物。名義と税務の観点から
ビリオネアズロウと57丁目
- セントラルパークタワー — 世界一高い住宅ビル
- One57 — ビリオネアズロウの先駆け
- 432 Park Avenue — 正方形窓の超高層
- 220 Central Park South — 全米住宅最高額の記録
- 111 West 57th — 世界で最も細い超高層
- 53 West 53rd — 近代美術館の上に住む
- Mandarin Oriental Fifth — ホテルブランドの住まい
- エセックスハウス — 公園南のアールデコ
- オズボーン — 1885年の石積み
セントラルパーク西の戦前建築
- ダコタハウス — 1884年、市内最初期の高級住宅
- サンレモ — エメリー・ロスのツインタワー
- ベレスフォード — 三本の塔と博物館の眺め
- エルドラド — 公園西の最北、貯水池の眺望
- センチュリー — 公園西で最も中心に近い
- マジェスティック — ダコタの向かい、急行駅前
- One Central Park West — コロンバスサークルの角
- 15 Central Park West — 新築で戦前の風格
パークアベニューとイーストサイド
- 740 Park Avenue — 世界で最も入りにくい住宅
- 520 Park Avenue — 戦前の格を新築で
- オリンピックタワー — 五番街の複合の先駆け
- リッツ・カールトン・レジデンス — ホテルブランドの実際
- シェリーネザーランド — ホテル機能を持つコープ
- リバーハウス — 川に正対する名門コープ
- One Sutton Place South — 借地の上に立つ建物
- サットンタワー — イーストリバー沿いの新築120戸
- 252イースト57丁目 — 分譲と賃貸が同じ塔、値下げの履歴
- ワンビーコンコート — オフィスの上に住む複合ビル
- 200イースト59(この記事)
- マンハッタンハウス — 戦後モダニズムの代表作
- ウォルドーフ・アストリア — 歴史的ホテルの住宅転用
- プラザ・レジデンス — 1907年の名門ホテル
- アマン・ニューヨーク — クラウンビルの最上位ブランド
- 400 Fifth Avenue — 商業地区に住むという選択
アッパーウエストとグラマシー
- アンソニア — ホテルから賃貸、コンドへ
- アプソープ — 1908年の中庭型、名義の自由
- ベルノード — 賃貸から分譲への転換
- 200 Amsterdam — 建築許可をめぐる訴訟
- 50 Gramercy Park North — 公園の鍵という権利
- マディソンハウス — ノマドの新築タワーと管理費
- 30イースト31 — 42戸の細身タワーの価格帯
- ワンマディソン — 築10年超の53戸と転売
- 277フィフスアベニュー — 5番街の住所は価格に乗るか
ダウンタウンとトライベッカ
- ウールワースタワー — 1913年の超高層に住む
- ワンウォールストリート — オフィス転用と減税
- ザ・グリニッジ — 125グリニッジの88階建て273戸
- 25パークロウ — シティホール公園向きの価格差
- 77グリニッジ — 小学校を抱えた90戸の価格交渉
- ワン・ビークマン — シティホール・パーク前のフロア1戸31戸
- 56 Leonard Street — 新築分譲の取得コスト
- 111 Murray Street — 大型間取りの市場
- 130 William — 固定資産税の読み方
- 30 Park Place — ホテル併設レジデンス
- 45パークプレイス — SOM設計50戸と値引き後の価格
- 100バークレー — 1927年電話局を改装した157戸
- 101ウォーレン — フルブロック227戸の価格帯
- 200チェンバーズ — プール付き258戸の維持費
- ビークマン・レジデンス — 賃貸運用向けの間取り
- 443 Greenwich — 倉庫転用と面積表示
- 565ブルームソーホー — レンゾ・ピアノ設計の112戸
- 42クロスビー — 10戸と100万ドルの駐車場の評価
- 10サリバン — ソーホー西端の22戸と小規模コンドの注意
- 108レナード — ランドマーク改装の167戸
- グリニッチレーン — 5棟とタウンハウスの構成
- 130ウエスト12丁目 — 病院跡コンバージョンの評価
- パックビルディング — 6戸だけのペントハウス
- ザ・シューマッハ — 印刷所転用20戸の維持費
- 70ベストリー — 川沿い46戸、少数戸を持つ意味
- 160レロイ — ウエストビレッジ川沿い57戸の値付け
- 150チャールズ — 低層91戸と中庭の維持費
- One Manhattan Square — 大型タワーの出口
- ワンハイライン(旧XI) — 開発会社の破綻と再生
ハイライン・ハドソンヤーズ
- 520 West 28th — ザハ・ハディド唯一のNY住宅
- ランタンハウス — デベロッパーの実績の見方
- 100 Eleventh Avenue — ガラス外壁の維持費
- 15 Hudson Yards — 新開発地区の評価
- 35 Hudson Yards — 似た2棟をどう比べるか
- ハドソンヤーズの住宅 — 竣工前契約の実務
- ザ・コートランド — レンガ外装と資産価値
- ウォーカータワー — 電話局のコンバージョン
- 25 Columbus Circle — 建物の改名と資産価値
ブルックリンとクイーンズ
- ブルックリンタワー — 区で初めての超高層
- ブルックリンポイント — 屋上プールの高層
- クワイタワー — 公園に守られた眺望
- ワン・ブルックリンブリッジパーク — 倉庫転用の449戸と公園への支払い
- イレブン・ホイト — 481戸の価格帯と減税の残存年数
- スカイラインタワー — クイーンズ最高層
- オリンピア・ダンボ — ブルックリン最高額の物差し
比較の全体像はビリオネアズロウ主要タワーの比較をご覧ください。
購入の実務ガイド
NEIGHBOURHOODSニューヨークの街と、他都市との比較(37件)
マンハッタンの街
- アッパーウエストサイド — 戦前の名建築と子育て環境
- カーネギーヒル — 美術館の並びに住む
- ヨークビル — 地下鉄新線が変えた買い場
- タートルベイ — 国連の街の静かな買い場
- グラマシー — 鍵のある公園に面した街
- フラットアイアン — ロフトの広さと価格
- ノマド — マンハッタン中央部の相場
- チェルシー — ハイライン沿いのレジデンス
- ウエストヴィレッジ — 石畳の歴史地区
- グリニッチビレッジ — 低層の街と戦前コープ
- ノーホー — 数ブロックのロフト一等地
- ソーホー — ロフト市場の実態
- ロウアーイーストサイド — 変わり続ける街の値段
- 金融地区 — ウォール街に暮らす
- ハーレム — ブラウンストーン1棟と賃料規制
ブルックリンの街
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- コブルヒル — ランドマーク地区のブラウンストーン
- キャロルガーデンズ — 住みながら貸す二戸建て
- ボーラムヒル — 学区の境界は住所ごとに違う
- フォートグリーン — コープが多い地区で海外から買う
- プロスペクトハイツ — 固定資産税の減税が切れる日
- ダウンタウンブルックリン — 供給が集中した地区の出口
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ニューヨークを他の都市と比べる
- 東京 — 価格・価値観・法規制の違い
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- トロント・バンクーバー — 外国人購入禁止の国と開かれた市場
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- 日米の投資比較 — 利回り・税制・リスク
エリアの全体像と購入の実務
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