2026年9月16日 Satoshi Onodera

100バークレー(100 Barclay)。1927年の電話局を改装したトライベッカの157戸、価格と名義の設計

100バークレー(100 Barclay)は、トライベッカの南端、ワールドトレードセンターの向かいに建つ1927年竣工の電話局ビルです。設計はラルフ・ウォーカーで、アールデコの外装と地上階のロビーは歴史的建造物に指定されています。2016年にマグナム・リアルエステートとCIMグループが上層階を157戸のコンドミニアムへ改装し、低層階は今も通信会社が使っています。

 

この建物を取り上げるのは、トライベッカで「歴史的建造物の改装コンド」を買うときの判断材料になるからです。新築の超高層とは価格の決まり方も維持費の構造も違い、指定建物ならではの制約があります。物件の紹介だけでなく、外国籍・非居住のまま買う場合の名義と税務の設計まで書きます。

 

1. 建物の概要。1927年の電話局と157戸

100バークレー(1927年の電話局を改装したトライベッカのコンドミニアム)

 

100バークレーはニューヨーク電話会社の本社ビルとして建てられました。設計者のラルフ・ウォーカーは1920年代に電話局ビルを何棟も手がけました。この建物のロビーは天井画とブロンズの装飾が残り、内装も歴史的建造物として指定されています。

 

改装では、上層部の10階から32階までを住宅に転換し、157戸のコンドミニアムとしました。1ベッドルームから5ベッドルームまであり、旧電話局の天井高と大きな窓を生かした間取りです。共用施設は屋内プール、フィットネス、ラウンジ、ワインルーム、キッズルームで、4万平方フィートを超える面積を住民用に確保しています。

 

項目 内容
所在地 100 Barclay Street, New York, NY 10007(トライベッカ南端)
竣工 1927年(住宅への改装は2016年)
階数・戸数 32階建て・157戸(住宅は上層階)
設計・開発 ラルフ・ウォーカー(原設計)、マグナム・リアルエステート・CIMグループ(改装開発)
形態 コンドミニアム(歴史的建造物指定)
主な施設 屋内プール、フィットネス、ラウンジ、ワインルーム、キッズルーム、ビリヤードルーム
公表情報にもとづく概要です。戸数や施設は分譲時の計画で、最新の状況は取引の際に確認してください。

 

トライベッカの街区の成り立ちと住宅の種類は、トライベッカのエリア記事にまとめています。

2. 価格の位置づけ。トライベッカの改装コンドとして

100バークレー(1927年の電話局を改装したトライベッカのコンドミニアム)

 

100バークレーの住戸は、2ベッドルームが300万ドルから450万ドル、3ベッドルームが500万ドルから800万ドル、上層階の大型住戸が1,000万ドルを超える取引が目安です。平方フィートあたりでは2,000ドルから2,600ドルで、トライベッカの新築超高層より一段低い帯です。

 

同じトライベッカでは、56レナードが平方フィートあたり3,000ドル前後、443グリニッチが3,500ドル前後です。改装コンドどうしの比較では、チェルシーのウォーカータワーが同じラルフ・ウォーカーの電話局を改装した建物で、こちらは47戸と少なく3,000ドル台です。100バークレーは戸数が多い分、単価は抑えられています。

 

指定建物の価格には2つの特徴があります。外観と共用部を変えられないため、新しい設備で価値を上げる余地が小さく、価格の上昇は街区の相場に連動します。一方で、同じ外形の建物が二度と建たないため、供給が増えて値を崩す心配がありません。値上がりを狙う建物ではなく、値を保ちやすい建物として位置づけるのが実態に合います。

3. 賃料と維持費の釣り合い。指定建物の維持費をどう見るか

100バークレー(1927年の電話局を改装したトライベッカのコンドミニアム)

 

100バークレーの賃料は、2ベッドルームで月1万ドルから1万4,000ドル、3ベッドルームで月1万6,000ドルから2万2,000ドルが目安です。購入価格に対する表面利回りは3%から3.5%で、単価が抑えられている分、トライベッカの新築超高層より高めに出ます。

 

維持費は、コモンチャージが平方フィートあたり年間18ドルから22ドル、固定資産税が同じく年間18ドル前後です。旧電話局の外壁と機械設備の維持には費用がかかり、指定建物は外装の修繕に市の許可が要るため、工事の単価も上がります。2ベッドルーム1,400平方フィートで、コモンチャージと固定資産税の合計が年間5万ドルから5万5,000ドルになります。コモンチャージの中身と適正水準は、コモンチャージの中身と適正水準で解説しています。

 

賃料から維持費を引いた実質利回りは2%前後です。改装コンドで見ておくべきなのは、修繕積立金の残高と、直近の一時徴収の有無です。築100年に近い外壁と屋上の工事が控えている場合、一時徴収が数万ドル単位で来ます。購入前に理事会の議事録と修繕計画を取り寄せ、積立金の水準を確認します。

4. 購入の実務と名義の設計

100バークレーはコンドミニアムなので、外国籍・非居住のまま購入でき、理事会の承認面接はありません。名義は個人、LLC、信託のいずれも選べます。低層階を通信会社が使い続けているため、共用部の費用負担の割合を規約で確認します。

 

賃料を得る場合、非居住者は賃料総額の30%の源泉徴収が原則で、確定申告を選ぶと経費を引いた純額への課税に切り替えられます。改装コンドは建物の取得価額に占める建物部分の割合が大きく、減価償却の計算で有利に出ることがあります。LLC名義で保有する場合の税務はLLC名義での保有と税務で、売却時のFIRPTAの源泉徴収も同じ流れで確認できます。

 

個人名義のまま非居住者が亡くなると、米国の遺産税は基礎控除が6万ドルしかなく、最高税率40%が超過分にかかります。名義の設計は、購入後に変えると譲渡税がかかるため、契約前に決めます。取引の際には、住戸ごとの状況と最新の税務を、契約書と書面で確認してください。

5. まとめ

100バークレーは、トライベッカで歴史的建造物の改装コンドを、新築超高層より一段低い単価で持てる建物です。値上がりを狙うのではなく値を保ち、実質利回りと修繕積立金の水準を見て決める建物です。購入の流れはニューヨーク不動産の購入ガイドに、日本にいながら進める手順は日本からの遠隔購入にまとめています。

 

売り出し状況と、非公開で動いている住戸のご案内も承っております。

 

よくある質問

100バークレーの価格はどれくらいですか。

2ベッドルームが300万ドルから450万ドル、3ベッドルームが500万ドルから800万ドル、上層階の大型住戸が1,000万ドル以上が目安です。平方フィートあたりでは2,000ドルから2,600ドルで、トライベッカの新築超高層より一段低い帯です。

歴史的建造物の指定は購入に影響しますか。

外観と指定された共用部を変えられず、外装の修繕には市の許可が要るため、工事の単価が上がります。住戸の内装は通常どおり改装できます。供給が増えない建物なので値を保ちやすい一方、設備の更新で価値を上げる余地は小さいと見ておきます。

100バークレーを外国籍のまま買えますか。

コンドミニアムなので、外国籍・非居住のまま購入でき、理事会の承認面接はありません。LLCや信託の名義でも買えます。賃料の源泉徴収や遺産税の扱いは名義で変わるため、契約前に設計します。

ウォーカータワーとはどう違いますか。

どちらもラルフ・ウォーカー設計の電話局を改装したコンドミニアムです。ウォーカータワーはチェルシーで47戸と少なく、平方フィート単価は3,000ドル台です。100バークレーはトライベッカで157戸と多く、単価は2,000ドルから2,600ドルです。希少性を取るか、単価と戸数の幅を取るかで選び分けます。

所在地

100 Barclay Street, New York, NY 10007。位置はGoogleマップでご確認いただけます。


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