2026年8月21日 Satoshi Onodera

ニューヨーク・オリンピックタワーとは。5番街に住居と店舗とオフィスを重ねた先駆けの建物

5番街と51丁目の角、聖パトリック大聖堂の真向かい。黒いガラスに覆われた高層ビルが立っています。

オリンピックタワー。1970年代の竣工で、ひとつの建物に店舗、オフィス、住居を重ねるという構成を、ニューヨークで早い時期に実現した建物です。

 

いまでは複合用途のビルは珍しくありませんが、当時としては新しい発想でした。その先駆けが、いまも住宅として使われています。

本日は、オリンピックタワーについて見ていきましょう。

 

1. 複合用途という発想の先駆け

ニューヨークのオリンピックタワーの外観

オリンピックタワーは、ギリシャの海運業を率いたアリストテレス・オナシスが関わった開発として知られています。竣工は1970年代半ば。

当時のニューヨークでは、住宅は住宅、オフィスはオフィスと用途が分かれるのが通例でした。この建物は低層に商業、中層にオフィス、上層に住居を配置し、ひとつの塔に用途を重ねました。

 

あわせて、公開空地を設けることで容積の割増を受ける仕組みも使われています。建物の中に一般が入れる空間を作り、その代わりに床面積を増やすという考え方です。1階の吹き抜けの広場がこれにあたります。

ゾーニングと権利の仕組みは土地所有権とゾーニングの記事でも触れています。

 

2. 立地の性格

ニューヨークのオリンピックタワーの住戸と共用部

5番街の50丁目前後は、ニューヨークで最も人通りの多い区間のひとつです。大聖堂、ロックフェラーセンター、主要ブランドの旗艦店が集まります。

住まいとして見ると、この立地は評価が分かれます。利便性は最高水準ですが、静けさとは対極にあります

 

徒歩でミッドタウンのオフィスに通える、劇場や美術館が近い、空港へのアクセスも良い。こうした条件を優先されるなら合います。一方、公園の緑や落ち着いた住宅街を求める方には、性格が異なります。

同じ5番街でも、685 Fifth Avenueプラザとは通りの表情が違います。実際に歩いて確かめていただく価値があります。

 

所在地

641 Fifth Avenue, New York, NY 10022。5番街と51丁目の角、聖パトリック大聖堂の向かいに位置します。場所はGoogleマップでご確認いただけます。


3. 築年数のある建物を検討する

ニューヨークのオリンピックタワーの住戸と共用部

竣工から相当の年数が経っているため、新築とは確認の重点が変わります。

それでは、この種の建物を検討する際の観点を表で整理します。

 

確認項目 見るもの
修繕積立金 貸借対照表のリザーブ残高
大型修繕の予定 理事会議事録の直近数年分
設備の更新履歴 空調・エレベーター・給排水
外壁の点検結果 法定点検の報告と是正の有無
住戸内の改修 前所有者の工事と市への届出

※上記は築年数のある建物に共通する確認項目です。

 

特に4行目は、ニューヨークに固有の論点です。外壁の定期点検が法令で義務付けられており、その結果によって大規模な補修が必要になることがあります。工事費は特別徴収金として住戸に請求されます。

確認の手順はHOAの財務書類チェックの記事、無許可改修の見分け方はインスペクションの記事にまとめています。

 

4. 購入の実務

ニューヨークのオリンピックタワーの住戸と共用部

権利形態は住戸によって異なる場合があるため、対象となる住戸がコンドミニアムかどうかを最初にご確認ください。コンドミニアムであれば外国籍・非居住のまま購入でき、法人名義も可能です。

あわせて確認いただきたいのは次の点です。

 

・オフィスや店舗と共用する部分の管理費負担の考え方
・住戸内の改修がどこまで認められるか(リノベーションの記事参照)
・賃貸に出す場合の条件(転貸の記事参照)
・5番街の通行量が生活にどう影響するか(実際に時間帯を変えて歩く)

 

購入手順の全体像はニューヨーク不動産の購入ガイドにまとめています。

 

現在売りに出ている住戸(2026-08-16時点)

住戸 広さ ベッドルーム 売出価格
46/47C 7,750sqft(約720平米) 5 28,300,000ドル(約43.9億円)
29D 1,800sqft(約167平米) 2 3,900,000ドル(約6.0億円)
35A 1,791sqft(約166平米) 2 3,500,000ドル(約5.4億円)
34B 1,238sqft(約115平米) 2 3,425,000ドル(約5.3億円)
39C 1,400sqft(約130平米) 2 3,150,000ドル(約4.9億円)
38B 1,238sqft(約115平米) 2 2,950,000ドル(約4.6億円)

出典はCityRealtyのオリンピックタワーの建物ページです。売出しは日々入れ替わりますので、最新の在庫と実際に入れる価格は個別にお調べします。非公開で動いている住戸もあります。

まとめ

ニューヨークのオリンピックタワーの住戸と共用部

オリンピックタワーは、複合用途という発想をニューヨークで早くに形にした建物です。5番街の中心という立地は、いまも代替がききません。

築年数があるぶん、書類で確認できることは多くあります。数字と記録で判断できる物件とも言えます。

 

5番街の街歩きは動画でもご紹介しています。

ニューヨークの物件はYouTubeInstagramでも継続してご紹介しています。

 

権利形態の確認とご内覧の手配を承っております。

BUILDINGSニューヨークの主な建物。名義と税務の観点から(84件)

ビリオネアズロウと57丁目

セントラルパーク西の戦前建築

パークアベニューとイーストサイド

アッパーウエストとグラマシー

ダウンタウンとトライベッカ

ハイライン・ハドソンヤーズ

ブルックリンとクイーンズ

比較の全体像はビリオネアズロウ主要タワーの比較をご覧ください。

購入の実務ガイド

よくある質問

オリンピックタワーはどのような構成になっていますか。

オリンピックタワーは低層に商業、中層にオフィス、上層に住居を配置し、ひとつの塔に用途を重ねた複合用途の建物です。1970年代半ばに竣工し、店舗、オフィス、住居を一つの建物に重ねる構成をニューヨークで早い時期に実現しました。

オリンピックタワーの立地はどのような特徴がありますか。

5番街と51丁目の角、聖パトリック大聖堂の向かいに位置し、ニューヨークで最も人通りの多い区間のひとつです。ミッドタウンのオフィスや劇場、美術館が近く空港へのアクセスも良いですが、静けさとは対極にあるため利便性を優先する方に合います。

築年数のある建物を検討する際に確認すべき項目はありますか。

修繕積立金や大型修繕の予定、設備の更新履歴、外壁の点検結果、住戸内の改修などを確認します。特に外壁の定期点検が法令で義務付けられており、その結果によって大規模な補修が必要になることがあります。

オリンピックタワーの住戸を購入する際に注意すべき点はありますか。

対象となる住戸がコンドミニアムかどうかを最初にご確認ください。オフィスや店舗と共用する部分の管理費負担の考え方、住戸内の改修がどこまで認められるか、賃貸に出す場合の条件などを確認する必要があります。

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