ニューヨークの賃貸は、良い部屋ほど数日で決まります。内見して気に入っても、その場で申込書と書類を出せなければ、次の人に回ります。
着任前の駐在の方は、米国の信用履歴がありません。そのぶん書類で説明することになります。渡米前に日本で揃えられるものを先に用意しておけば、部屋を取り逃がしません。
1. 申込のときに求められる書類

申込書そのものは1枚から3枚です。氏名、現住所、勤務先、収入、前の住まいの家主の連絡先を書きます。問題はそこに添える書類のほうで、建物によって求められるものが少しずつ違います。共通して出るものを先に挙げます。
収入の証明、資産の証明、身分の証明、この三つが柱です。加えて、前の住まいの家主からの推薦状を求める建物があります。日本の家主に英文で書いてもらった手紙でも受け付ける建物があるため、退去の連絡をするときに合わせて頼んでおくと後が楽になります。
| 種類 | 求められるもの | 着任前の代わり |
|---|---|---|
| 収入 | 直近2〜3か月の給与明細 | 勤務先が発行する英文の雇用証明と年収の記載 |
| 雇用 | 雇用証明書(Employment Letter) | 赴任の辞令、着任日と役職と年収を書いた英文レター |
| 資産 | 銀行の残高証明、直近2か月の口座明細 | 日本の銀行の英文残高証明 |
| 身分 | パスポート、ビザ | 同じもの。米国の免許証は不要 |
| 納税 | 前年の納税申告書 | 日本の源泉徴収票の英訳、または勤務先の証明 |
| 推薦 | 前の住まいの家主からの手紙 | 日本の家主の英文レター |
審査の基準そのものは保証人と保証会社の記事に、部屋探しの流れはニューヨークの賃貸ガイドにまとめてあります。
2. 日本にいるうちに用意するもの

最も効くのは、勤務先が発行する英文の雇用証明です。着任日、役職、年収、雇用形態が書かれていて、会社の便箋に署名と連絡先が入っているものです。人事に依頼してから発行まで数週間かかることがあるので、渡米の2か月前には頼んでおいてください。
次が銀行の英文残高証明です。日本の銀行の窓口で発行できます。発行日から日が経つと受け付けない建物があるため、渡米の1か月以内に取るのが目安です。数か月分の口座明細を求められることもあるので、英文で出せるかを窓口で確認しておきます。
もう一つ、意外に効くのが自己紹介の手紙です。1枚に、家族構成、赴任期間、勤務先、これまでどこに住んでいたかを書きます。書類の数字だけでは伝わらない部分を家主が判断する材料になります。米国の履歴がない申込ほど、この1枚が効きます。
3. 米国の信用履歴がない場合の代わりの手段

クレジットスコアが無い、または照会しても記録が出てこない。着任前の方はこの状態から始まります。建物側から見ると審査ができないため、そのままでは断られます。代わりの手段は三つあります。
一つ目は保証サービスです。米国内に保証人がいない方のために、費用を払って保証を引き受ける事業者があります。多くの建物が受け入れており、駐在の方が最も使う方法です。費用は年間家賃に対する割合で決まり、事業者と条件により変わります。
二つ目は前払いです。数か月分の家賃をまとめて先に払うことで、信用の不足を埋めます。ニューヨーク州には保証金の上限を家賃1か月分とする規定があるため、前払いの扱いを契約書でどう書くかは家主側の判断になります。三つ目が、勤務先が家賃を負担する場合に、その支払いの仕組みを英文で説明する書面です。詳しくはクレジットヒストリーなしで審査に通る方法にまとめてあります。
4. 提出の実務
書類はすべてPDFにして、一つのフォルダにまとめておきます。内見の当日に申込を出すことになるので、その場からメールで送れる状態にしておいてください。紙の原本を求められることは少なく、PDFで足ります。
ファイル名は英語で、内容がわかるようにします。氏名と書類名を入れておくと、担当者の側で揃っているかを確認しやすくなります。申込料は建物ごとに発生し、クレジットカードか小切手で払います。
審査の結果は通常1営業日から3営業日です。コンドミニアムやコープの住戸を借りる場合は、家主の審査に加えて建物側の承認が入るため、2週間以上かかることがあります。着任日が決まっているなら、この日数を逆算して動いてください。
5. まとめ
用意するのは、英文の雇用証明、銀行の英文残高証明、パスポートとビザ、自己紹介の手紙の四つです。これをPDFで持っていれば、内見の当日に申込を出せます。エリア選びは駐在はどこに住むかに、渡米前後の手続き全体は渡米前後のチェックリストにまとめてあります。
書類の準備から内見の手配まで、着任前のご相談を承っております。
よくある質問
日本にいる間に部屋を決められますか。
決められます。動画での内見で候補を絞り、渡米前に申込まで進める方が多くいます。書類がPDFで揃っていれば手続きは進みます。署名の前に、現地で代理の確認を入れておくと安心です。
英文の雇用証明には何を書いてもらえばよいですか。
着任日、役職、年収、雇用形態の四つです。会社の便箋に、発行者の署名と連絡先が入っている形にしてください。人事への依頼から発行まで数週間かかることがあるため、渡米の2か月前には頼んでおくことをおすすめします。
クレジットスコアがなくても借りられますか。
借りられます。着任前の方はほとんどが同じ状態です。保証サービスを使う、数か月分を前払いする、勤務先の支払いの仕組みを書面で説明する、この三つのいずれかで進めます。最も一般的なのは保証サービスです。
審査にはどのくらい時間がかかりますか。
通常は1営業日から3営業日です。コンドミニアムやコープの住戸を借りる場合は、家主の審査に加えて建物側の承認が入るため、2週間以上かかることがあります。着任日から逆算して動いてください。
申込から入居、退去までを一通りまとめたものはニューヨークの賃貸契約ガイドにあります。個々の手続きはそこから辿れます。
RENTALニューヨークで部屋を借りる。駐在の実務(20件)
探す前に決めること
- いつ動き出すか — 着任日から逆算した部屋探しの順番
- どこに住むか — エリア別の家賃と通勤時間、学区
- 家賃の相場 — エリア別の実額と建物の種類
- 家賃はいくらか — 審査の年収40倍という壁
- No Fee物件とは — 仲介手数料の仕組みと使いどころ
- 家具付きと家具レンタル — 着任直後をどう乗り切るか
- ペットと住む — 建物の規則と渡航時の手続き
申し込みと契約
- 申込に要る書類(この記事)
- 保証人と保証会社 — 収入40倍に届かないとき
- クレジットヒストリーなしの審査 — 通すための8つの対策
- 内見で見るところ — 1日で回って部屋を決める
- 偽物件の見分け方 — 日本から遠隔で探すときの確認
- 初期費用の払い方 — 米国の口座がない状態から
- 賃貸契約の読み方 — 条項ごとの意味と交渉できる点
- 英文リースの読みどころ — 署名前に確認する条項
- 契約から入居までの流れ — 賃貸の全体像
入居してから、出るまで
- 入居後の手続き — 電気、ネット、保険、搬入の予約
- 更新通知のルール — 30日・60日・90日の期限と家賃交渉
- 退去と保証金 — 返してもらうための手順と14日ルール
- 又貸しと転貸 — 建物の規則と法律の線引き
エリアの全体像と購入の実務
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