ニューヨークの賃貸は、内見してから決めるまでが早い市場です。良い条件の部屋は数日で埋まり、持ち帰って検討する時間はほとんどありません。
だから内見の日は、複数の部屋をまとめて回り、その場で順位をつけます。見るべき箇所を先に決めておけば、10分の内見でも判断できます。
1. 内見の組み方

1日に4件から6件が現実的な上限です。それ以上入れると、部屋の記憶が混ざって比べられなくなります。移動の時間を含めて、1件あたり40分から50分で組みます。
回る順番は、地理でまとめます。同じ地区の物件を続けて見て、次の地区に移る形です。地下鉄で行き来すると時間が読めなくなるため、地区をまたぐ移動は1日1回か2回に抑えます。
各部屋で写真と短い動画を撮ります。玄関から入って一周する動画が1本あれば、夜に見返したときに思い出せます。写真だけだと部屋の広さの感覚が残りません。
| 場所 | 見るところ | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 暖房と冷房 | 方式と操作の可否 | スチームか、セントラルか。個別に温度を変えられるか |
| 水回り | 水圧と排水 | シャワーと洗面の蛇口を実際に開ける |
| 遮音 | 窓と隣室からの音 | 窓を閉めて数十秒黙る。二重窓かを見る |
| 洗濯 | 室内か、地下の共用か | 設置可の場合、給排水の位置を見る |
| 収納 | クローゼットの数と奥行き | 扉を全部開ける。日本より少ない前提で見る |
| 採光 | 窓の向きと隣の建物との距離 | 正午前後に見るのが最も分かりやすい |
エリアの絞り込みは駐在はどこに住むかに、家賃の水準は家賃相場ガイドにまとめてあります。
2. 部屋の中で見るところ

暖房が最初です。ニューヨークの古い建物はスチーム暖房で、建物ごとに一括で運転します。部屋側で温度を下げられず、冬は暑くなりすぎて窓を開けることになります。これが嫌なら、個別に温度を調整できる方式かどうかを確認してください。
次が水圧です。シャワーと洗面の蛇口を実際に開けます。上層階で水圧が落ちる建物があります。同時にトイレを流して、水の勢いが変わらないかを見ます。ここは入居してから直せません。
遮音は、窓を閉めて数十秒黙るのが早い方法です。通り沿いの部屋は、救急車と工事の音が入ります。二重窓かどうか、窓枠に隙間がないかを見ます。上の階の足音は昼の内見では分かりませんが、床の造りが木か、コンクリートかで見当がつきます。
収納は日本の住宅より少ないのが普通です。クローゼットの扉を全部開けて、奥行きと棚の位置を見ます。洗濯機は室内にある部屋、地下に共用がある建物、どちらもない建物があります。駐在で家族が来る場合、洗濯の条件は生活の質に直結します。
3. 建物と周辺で見るところ

入り口にドアマンがいるか、いない場合に宅配がどう扱われるかを見ます。不在時の荷物を預かる仕組みがない建物では、玄関前に置かれることになります。荷物の受け取りは、日本から来た方が最初につまずく点のひとつです。
搬入の条件も見ておきます。エレベーターのある建物では、引っ越しの日に予約が要り、保証金と保険証書の提出を求められることがあります。土日は搬入不可という建物もあります。これは入居日を決める前に知っておく必要があります。
周辺は、駅までの道を実際に歩きます。地図上の距離と、体感の時間は違います。あわせて食料品店の場所、家族が来るなら学校までの経路を見ます。夜の様子は昼の内見では分からないので、気に入った部屋は夕方にもう一度前を通ってください。
4. その場で聞くこと
内見の場で必ず聞くのは五つです。いつから入居できるか、家賃に何が含まれるか、洗濯機を室内に置けるか、ペットの可否、そして途中解約の条項を入れられるかです。最後の一つは駐在の方にとって最も重要で、後の交渉を左右します。
あわせて、申込に必要な書類の一覧をその場でもらいます。建物ごとに違うため、内見の帰りに揃えられるかどうかを判断します。申込料の金額と支払い方法も聞いておきます。
気に入った部屋があれば、その日のうちに申込を出します。数日の検討は、この市場では待ってもらえません。だから内見の前に、上限家賃と通勤時間と必要な寝室数を数字で決めておきます。条件が決まっていないと、その場で判断できません。
5. まとめ
1日4件から6件、地区ごとにまとめて回り、暖房、水圧、遮音、洗濯、収納、採光の六つを見ます。建物側は宅配と搬入の条件です。気に入ったらその日に申込を出せるよう、書類は先に揃えておきます。書類の準備は入居申込に要る書類に、契約書の読み方は英文リースの読み方にまとめてあります。
内見の組み立てから当日の同行まで承っております。着任前の動画内見にも対応しています。
よくある質問
1日に何件くらい見られますか。
4件から6件が現実的な上限です。移動を含めて1件あたり40分から50分を見ます。それ以上入れると部屋の記憶が混ざって比べられなくなります。地区ごとにまとめて回ると時間が読めます。
渡米前に内見はできますか。
動画での内見ができます。担当者が部屋を歩きながら撮影し、質問にその場で答える形です。窓の外、水圧、収納の中まで映してもらえば、現地で見るのに近い判断ができます。署名の前に代理の確認を入れておくと安心です。
暖房はなぜ確認が必要なのですか。
古い建物のスチーム暖房は建物ごとに一括で運転し、部屋側で温度を下げられません。冬は暑くなりすぎて窓を開けることになります。個別に調整できる方式かどうかは、入居後に変えられないため内見時に確認してください。
気に入った部屋はその場で申し込むべきですか。
条件の良い部屋は数日で埋まるため、その日のうちに申込を出すのが基本です。そのために、内見の前に上限家賃と通勤時間と必要な寝室数を数字で決め、書類をPDFで持っておいてください。
申込から入居、退去までを一通りまとめたものはニューヨークの賃貸契約ガイドにあります。個々の手続きはそこから辿れます。
本ページの相場、利回り、所要時間などの数値は、一般に公開されているデータや当社の取引経験にもとづく目安です。物件、時期、条件によって実際とは異なる場合があり、当社が正確性および最新性を保証するものではありません。犯罪発生状況はニューヨーク市警などの公的機関が地区ごとの統計を公開しているため、そちらの数字をご確認ください。当社は入居者や購入者の国籍、人種、出身、宗教、家族構成によって物件やエリアをお勧めすることはいたしません。本ページの内容は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や税務助言には当たりません。

















