150チャールズ(150 Charles Street)は、ウエストビレッジの西端、ハドソン川からひとつ内側に入ったチャールズ・ストリートに建つ16階建て91戸のコンドミニアムです。設計はクック・フォックス、開発はウィットコフで、旧倉庫の煉瓦の外壁を残しながら、その上に段状の新築部分を重ねました。2015年の完成で、屋内プールとフィットネスを含む共用施設を備えています。
この建物を取り上げるのは、ウエストビレッジで「戸数が多く、設備が整った低層コンド」という珍しい組み合わせだからです。この街区の住宅は改装タウンハウスか小規模コンドが多く、大規模コンドの比較対象がほとんどありません。物件の紹介だけでなく、外国籍・非居住のまま買う場合の名義と税務の設計まで書きます。
目次
1. 建物の概要。16階建て・91戸と屋内プール

150チャールズの敷地は、もともとホイットニー美術館の収蔵庫として使われていた倉庫でした。クック・フォックスはこの倉庫の煉瓦の外壁を通りに面した低層部として残し、その上に3つの段状の塔を重ねる設計を選びました。街区の低い建物の高さに合わせて、上層階ほど内側に引っ込む形になっています。
住戸は91戸で、1ベッドルームから5ベッドルームまで幅があります。上層階の住戸にはテラスが付き、ハドソン川を見下ろす向きが多くを占めます。共用施設は屋内プール、フィットネス、スパ、中庭、ラウンジ、キッズルームで、設備の充実度はミッドタウンの超高層コンドと同じ水準です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 150 Charles Street, New York, NY 10014(ウエストビレッジ) |
| 竣工 | 2015年 |
| 階数・戸数 | 16階建て・91戸 |
| 設計・開発 | クック・フォックス(設計)、ウィットコフ(開発) |
| 形態 | コンドミニアム |
| 主な施設 | 屋内プール、フィットネス、スパ、中庭、ラウンジ、キッズルーム、駐車場 |
ウエストビレッジの街区の成り立ちと住宅の種類は、ウエストビレッジのエリア記事にまとめています。
2. 価格の位置づけ。ウエストビレッジのコンドの中で

150チャールズの住戸は、2ベッドルームが500万ドルから700万ドル、3ベッドルームが800万ドルから1,200万ドル、テラス付きの大型住戸とペントハウスが2,000万ドルを超える取引が目安です。平方フィートあたりでは3,000ドルから3,800ドルで、分譲当初から高い水準を保ち、転売でも値を崩していません。
同じウエストビレッジの川沿いでは、160リロイが平方フィートあたり3,500ドルから4,500ドルと、さらに高い帯です。160リロイは57戸で住戸の面積が大きく、150チャールズは91戸で住戸の幅が広いという違いがあります。内陸側のグリニッチレーンは3,500ドル前後で、150チャールズはこの2棟のあいだに入ります。
ミッドタウンの超高層と比べると、432パークが4,500ドル前後、ワン57が3,500ドル前後です。150チャールズは眺望ではなく街区の希少性で価格が決まっています。ウエストビレッジは新築の供給がほぼ止まっているため、設備を備えた新しめのコンドは今後も数が増えません。この供給の少なさが価格を支えている点は、判断の前提として押さえておきます。
3. 賃料と維持費の釣り合い。設備の重さをどう見るか

150チャールズの賃料は、2ベッドルームで月1万5,000ドルから2万ドル、3ベッドルームで月2万5,000ドルから3万5,000ドルが目安です。購入価格に対する表面利回りは2.5%から3%で、マンハッタンの高額コンドとしては標準的な水準です。
維持費は、コモンチャージが平方フィートあたり年間20ドルから24ドル、固定資産税が同じく年間20ドル前後です。屋内プールとスパを持つ建物はコモンチャージが高くなる傾向があり、150チャールズもその例に入ります。2ベッドルーム1,500平方フィートで、コモンチャージと固定資産税の合計が年間6万ドルから6万5,000ドルになります。コモンチャージの中身と適正水準は、コモンチャージの中身と適正水準で解説しています。
賃料から維持費を引いた実質利回りは1.5%から2%です。設備の重い建物は、賃料の上乗せ分より維持費の増分の方が大きいことが多く、150チャールズも賃料で回す建物ではありません。ドル資産の置き場所として、住戸の価値の維持と、街区の希少性を評価する買い方が合っています。
4. 購入の実務と名義の設計
150チャールズはコンドミニアムなので、外国籍・非居住のまま購入でき、理事会の承認面接はありません。名義は個人、LLC、信託のいずれも選べます。ウエストビレッジのコンドは理事会が転貸の条件を細かく定めていることがあり、最低賃貸期間と年間の賃貸回数の制限は契約前に規約で確認します。
賃料を得る場合、非居住者は賃料総額の30%の源泉徴収が原則で、確定申告を選ぶと経費を引いた純額への課税に切り替えられます。LLC名義で保有する場合の税務はLLC名義での保有と税務で、売却時のFIRPTAの源泉徴収も同じ流れで確認できます。
個人名義のまま非居住者が亡くなると、米国の遺産税は基礎控除が6万ドルしかなく、最高税率40%が超過分にかかります。この価格帯の住戸では、遺産税の設計を先に決めることが購入判断の一部です。名義の設計は、購入後に変えると譲渡税がかかるため、契約前に決めます。取引の際には、住戸ごとの状況と最新の税務を、契約書と書面で確認してください。
5. まとめ
150チャールズは、ウエストビレッジで戸数と設備を両立させた数少ない低層コンドで、街区の希少性が価格を支えています。賃料で回す建物ではなく、資産の置き場所として持つ建物です。購入の流れはニューヨーク不動産の購入ガイドに、日本にいながら進める手順は日本からの遠隔購入にまとめています。
売り出し状況と、非公開で動いている住戸のご案内も承っております。
よくある質問
150チャールズの価格はどれくらいですか。
2ベッドルームが500万ドルから700万ドル、3ベッドルームが800万ドルから1,200万ドル、テラス付きの大型住戸とペントハウスが2,000万ドル以上が目安です。平方フィートあたりでは3,000ドルから3,800ドルで、ウエストビレッジの新しめのコンドの中では中ほどから上の帯です。
150チャールズの維持費は高いですか。
屋内プールとスパを持つため、コモンチャージは平方フィートあたり年間20ドルから24ドルと高めです。固定資産税と合わせると、2ベッドルーム1,500平方フィートで年間6万ドルから6万5,000ドルになります。賃料で回す建物ではなく、住戸の価値の維持を目的に持つ建物です。
150チャールズを外国籍のまま買えますか。
コンドミニアムなので、外国籍・非居住のまま購入でき、理事会の承認面接はありません。LLCや信託の名義でも買えます。賃料の源泉徴収や遺産税の扱いは名義で変わるため、契約前に設計します。
160リロイとはどう違いますか。
160リロイは57戸で住戸の面積が大きく、平方フィート単価も3,500ドルから4,500ドルと高い帯です。150チャールズは91戸で1ベッドルームから5ベッドルームまで住戸の幅が広く、単価は3,000ドルから3,800ドルです。設備の充実度は同じ水準なので、住戸の広さと予算で選び分けます。
所在地
150 Charles Street, New York, NY 10014。位置はGoogleマップでご確認いただけます。
BUILDINGS
ニューヨークの主な建物。名義と税務の観点から
ビリオネアズロウと57丁目
- セントラルパークタワー — 世界一高い住宅ビル
- One57 — ビリオネアズロウの先駆け
- 432 Park Avenue — 正方形窓の超高層
- 220 Central Park South — 全米住宅最高額の記録
- 111 West 57th — 世界で最も細い超高層
- 53 West 53rd — 近代美術館の上に住む
- Mandarin Oriental Fifth — ホテルブランドの住まい
- エセックスハウス — 公園南のアールデコ
- オズボーン — 1885年の石積み
セントラルパーク西の戦前建築
- ダコタハウス — 1884年、市内最初期の高級住宅
- サンレモ — エメリー・ロスのツインタワー
- ベレスフォード — 三本の塔と博物館の眺め
- エルドラド — 公園西の最北、貯水池の眺望
- センチュリー — 公園西で最も中心に近い
- マジェスティック — ダコタの向かい、急行駅前
- One Central Park West — コロンバスサークルの角
- 15 Central Park West — 新築で戦前の風格
パークアベニューとイーストサイド
- 740 Park Avenue — 世界で最も入りにくい住宅
- 520 Park Avenue — 戦前の格を新築で
- オリンピックタワー — 五番街の複合の先駆け
- リッツ・カールトン・レジデンス — ホテルブランドの実際
- シェリーネザーランド — ホテル機能を持つコープ
- リバーハウス — 川に正対する名門コープ
- One Sutton Place South — 借地の上に立つ建物
- サットンタワー — イーストリバー沿いの新築120戸
- 252イースト57丁目 — 分譲と賃貸が同じ塔、値下げの履歴
- ワンビーコンコート — オフィスの上に住む複合ビル
- 200イースト59 — 全戸テラス67戸、屋外面積の評価
- マンハッタンハウス — 戦後モダニズムの代表作
- ウォルドーフ・アストリア — 歴史的ホテルの住宅転用
- プラザ・レジデンス — 1907年の名門ホテル
- アマン・ニューヨーク — クラウンビルの最上位ブランド
- 400 Fifth Avenue — 商業地区に住むという選択
アッパーウエストとグラマシー
- アンソニア — ホテルから賃貸、コンドへ
- アプソープ — 1908年の中庭型、名義の自由
- ベルノード — 賃貸から分譲への転換
- 200 Amsterdam — 建築許可をめぐる訴訟
- 50 Gramercy Park North — 公園の鍵という権利
- マディソンハウス — ノマドの新築タワーと管理費
- 30イースト31 — 42戸の細身タワーの価格帯
- ワンマディソン — 築10年超の53戸と転売
- 277フィフスアベニュー — 5番街の住所は価格に乗るか
ダウンタウンとトライベッカ
- ウールワースタワー — 1913年の超高層に住む
- ワンウォールストリート — オフィス転用と減税
- ザ・グリニッジ — 125グリニッジの88階建て273戸
- 25パークロウ — シティホール公園向きの価格差
- 77グリニッジ — 小学校を抱えた90戸の価格交渉
- ワン・ビークマン — シティホール・パーク前のフロア1戸31戸
- 56 Leonard Street — 新築分譲の取得コスト
- 111 Murray Street — 大型間取りの市場
- 130 William — 固定資産税の読み方
- 30 Park Place — ホテル併設レジデンス
- 45パークプレイス — SOM設計50戸と値引き後の価格
- 100バークレー — 1927年電話局を改装した157戸
- 101ウォーレン — フルブロック227戸の価格帯
- 200チェンバーズ — プール付き258戸の維持費
- ビークマン・レジデンス — 賃貸運用向けの間取り
- 443 Greenwich — 倉庫転用と面積表示
- 565ブルームソーホー — レンゾ・ピアノ設計の112戸
- 42クロスビー — 10戸と100万ドルの駐車場の評価
- 10サリバン — ソーホー西端の22戸と小規模コンドの注意
- 108レナード — ランドマーク改装の167戸
- グリニッチレーン — 5棟とタウンハウスの構成
- 130ウエスト12丁目 — 病院跡コンバージョンの評価
- パックビルディング — 6戸だけのペントハウス
- ザ・シューマッハ — 印刷所転用20戸の維持費
- 70ベストリー — 川沿い46戸、少数戸を持つ意味
- 160レロイ — ウエストビレッジ川沿い57戸の値付け
- 150チャールズ(この記事)
- One Manhattan Square — 大型タワーの出口
- ワンハイライン(旧XI) — 開発会社の破綻と再生
ハイライン・ハドソンヤーズ
- 520 West 28th — ザハ・ハディド唯一のNY住宅
- ランタンハウス — デベロッパーの実績の見方
- 100 Eleventh Avenue — ガラス外壁の維持費
- 15 Hudson Yards — 新開発地区の評価
- 35 Hudson Yards — 似た2棟をどう比べるか
- ハドソンヤーズの住宅 — 竣工前契約の実務
- ザ・コートランド — レンガ外装と資産価値
- ウォーカータワー — 電話局のコンバージョン
- 25 Columbus Circle — 建物の改名と資産価値
ブルックリンとクイーンズ
- ブルックリンタワー — 区で初めての超高層
- ブルックリンポイント — 屋上プールの高層
- クワイタワー — 公園に守られた眺望
- ワン・ブルックリンブリッジパーク — 倉庫転用の449戸と公園への支払い
- イレブン・ホイト — 481戸の価格帯と減税の残存年数
- スカイラインタワー — クイーンズ最高層
- オリンピア・ダンボ — ブルックリン最高額の物差し
比較の全体像はビリオネアズロウ主要タワーの比較をご覧ください。
購入の実務ガイド
NEIGHBOURHOODSニューヨークの街と、他都市との比較(37件)
マンハッタンの街
- アッパーウエストサイド — 戦前の名建築と子育て環境
- カーネギーヒル — 美術館の並びに住む
- ヨークビル — 地下鉄新線が変えた買い場
- タートルベイ — 国連の街の静かな買い場
- グラマシー — 鍵のある公園に面した街
- フラットアイアン — ロフトの広さと価格
- ノマド — マンハッタン中央部の相場
- チェルシー — ハイライン沿いのレジデンス
- ウエストヴィレッジ — 石畳の歴史地区
- グリニッチビレッジ — 低層の街と戦前コープ
- ノーホー — 数ブロックのロフト一等地
- ソーホー — ロフト市場の実態
- ロウアーイーストサイド — 変わり続ける街の値段
- 金融地区 — ウォール街に暮らす
- ハーレム — ブラウンストーン1棟と賃料規制
ブルックリンの街
- ブルックリンハイツ — 全米初の歴史保存地区
- コブルヒル — ランドマーク地区のブラウンストーン
- キャロルガーデンズ — 住みながら貸す二戸建て
- ボーラムヒル — 学区の境界は住所ごとに違う
- フォートグリーン — コープが多い地区で海外から買う
- プロスペクトハイツ — 固定資産税の減税が切れる日
- ダウンタウンブルックリン — 供給が集中した地区の出口
- ダンボ — 倉庫街から高級住宅地へ
- グリーンポイント — 水辺エリアの家賃相場
ニューヨークを他の都市と比べる
- 東京 — 価格・価値観・法規制の違い
- ロサンゼルス — 戸建ての街と縦の街
- マイアミ — 税金ゼロの魅力と流動性
- ハワイ — 持ちたい場所として比べる
- トロント・バンクーバー — 外国人購入禁止の国と開かれた市場
- パリ — 石の街の資産と縦の街の資産
- 香港 — アジアの富の置き場所
- シドニー — 外国人規制の壁
- ロンドン — 英米の不動産投資の違い
- 世界の主要都市 — ドバイ・シンガポール・ロンドン・東京
- 全米の主要都市 — 価格・家賃・利回り・値上がり率
- 米国内の他都市 — ニューヨークだけが違う7点
- 日米の投資比較 — 利回り・税制・リスク
エリアの全体像と購入の実務
本ページの相場、利回り、所要時間などの数値は、一般に公開されているデータや当社の取引経験にもとづく目安です。物件、時期、条件によって実際とは異なる場合があり、当社が正確性および最新性を保証するものではありません。犯罪発生状況はニューヨーク市警などの公的機関が地区ごとの統計を公開しているため、そちらの数字をご確認ください。当社は入居者や購入者の国籍、人種、出身、宗教、家族構成によって物件やエリアをお勧めすることはいたしません。本ページの内容は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や税務助言には当たりません。

















