2019年、アメリカの住宅取引の記録が塗り替えられました。約2億4,000万ドル(約372億円、2026年8月現在、1ドル=155円換算)という、全米史上最高額でのペントハウス購入です。
その舞台となったのが、セントラルパークの南端に立つ220 Central Park Southです。
ガラス張りのタワーが並ぶビリオネアズロウにあって、この建物だけは石張りの伝統的な佇まいを選びました。そしてその選択こそが、市場で最も高く評価されています。
本日は、220 Central Park Southの特徴、価格、そして購入を検討する場合の現実について見ていきましょう。
1. 220 Central Park Southとはどのような建物か

220 Central Park Southは、セントラルパーク南通り沿いに立つ高さ約290メートルの超高級コンドミニアムです。開発は大手不動産会社ヴォルナード、設計はロバート・A・M・スターン建築事務所が手がけました。
スターン事務所は、アッパーウエストサイドの15 Central Park Westで「新築でありながら戦前建築の風格を持つ」という路線を確立した事務所です。220 Central Park Southはその路線の集大成で、ライムストーン(石灰岩)張りの外装と控えめな装飾が、周囲のガラスタワーとの明確な違いになっています。
住戸数は約120戸。タワー部分に加え、公園側に低層のヴィラ棟を持つ二段構成です。
同じビリオネアズロウの各タワーとの比較はビリオネアズロウ主要タワーの比較をご覧ください。
2. なぜ最高値が付くのか

2019年の約2億4,000万ドルの取引は、著名投資家によるペントハウス購入として広く報じられ、現在も全米住宅の最高額記録です。この建物が最高値圏を維持する理由は3つあります。
①セントラルパーク正面という立地の希少性。公園南端の正面という区画は、今後も新規供給がほぼ不可能です。①に加えて②意匠の希少性。ガラスタワー全盛期にあえて石張りを選んだことで、代替が利かない存在になりました。③流通の少なさ。分譲時から買い手が厳選され、転売がほとんど出ません。売りに出る前に水面下で成約する住戸も多く、市場に見える在庫は常に僅かです。
それでは、建物の概要を表で整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 竣工 | 2019年ごろ(順次入居) |
| 高さ | 約290メートル |
| 住戸数 | 約120戸(タワー棟+ヴィラ棟) |
| 設計 | ロバート・A・M・スターン建築事務所 |
| 代表的成約 | ペントハウス約2億4,000万ドル(全米住宅最高額) |
※上記は、公表情報に基づく概要です。個別住戸の情報は市場に出ないものが多くあります。
3. 価格帯とリセール市場の実情

ビリオネアズロウの他のタワーが分譲時価格からの調整を経験する中、220 Central Park Southのリセールは分譲時を上回る価格での成約が続いてきました。この点が、投資の観点でこの建物が別格とされる理由です。
売出しは1平方フィートあたり1万ドルを超える水準になることもあり、ニューヨークの住宅市場の最高値圏を形成しています。
一方で、率直に申し上げると、この建物は「買いたいときに買える」物件ではありません。在庫が出るのを待ち、出た瞬間に動ける態勢を作っておく。これが現実的なアプローチです。
公開在庫はStreetEasyでも確認できますが、この価格帯ではオフマーケット(非公開)の動きが主戦場になります。
4. 購入を検討する場合の実務

220 Central Park Southはコンドミニアムのため、制度上は外国籍・非居住のまま購入できます。ただし、この建物クラスでは売主側が買主の素性と資金証明を重視するため、資金証明と購入意思の提示を事前に整えておくことが競争力になります。
検討の実務は以下の通りです。費用の詳細は、ご相談の際にお客様のご条件に合わせて個別にご提示いたします。流通が少ないからこそ、事前の態勢づくりがすべてになります。
購入手順の全体像はニューヨーク不動産の購入ガイドをご参照ください。
同クラスの物件の在庫状況を含め、個別のご相談を承っております。
TRACK RECORD
実際にご支援した取引と、お客様の声
記事の内容がご自身のケースに当てはまるかどうかは、実際の事例をご覧いただくのが早いと思います。
所在地
220 Central Park South, New York, NY 10019。位置はGoogleマップでご確認いただけます。
BUILDINGSニューヨークの主な建物。名義と税務の観点から(84件)
ビリオネアズロウと57丁目
- セントラルパークタワー — 世界一高い住宅ビル
- One57 — ビリオネアズロウの先駆け
- 432 Park Avenue — 正方形窓の超高層
- 220 Central Park South(この記事)
- 111 West 57th — 世界で最も細い超高層
- 53 West 53rd — 近代美術館の上に住む
- Mandarin Oriental Fifth — ホテルブランドの住まい
- エセックスハウス — 公園南のアールデコ
- オズボーン — 1885年の石積み
セントラルパーク西の戦前建築
- ダコタハウス — 1884年、市内最初期の高級住宅
- サンレモ — エメリー・ロスのツインタワー
- ベレスフォード — 三本の塔と博物館の眺め
- エルドラド — 公園西の最北、貯水池の眺望
- センチュリー — 公園西で最も中心に近い
- マジェスティック — ダコタの向かい、急行駅前
- One Central Park West — コロンバスサークルの角
- 15 Central Park West — 新築で戦前の風格
パークアベニューとイーストサイド
- 740 Park Avenue — 世界で最も入りにくい住宅
- 520 Park Avenue — 戦前の格を新築で
- オリンピックタワー — 五番街の複合の先駆け
- リッツ・カールトン・レジデンス — ホテルブランドの実際
- シェリーネザーランド — ホテル機能を持つコープ
- リバーハウス — 川に正対する名門コープ
- One Sutton Place South — 借地の上に立つ建物
- サットンタワー — イーストリバー沿いの新築120戸
- 252イースト57丁目 — 分譲と賃貸が同じ塔、値下げの履歴
- ワンビーコンコート — オフィスの上に住む複合ビル
- 200イースト59 — 全戸テラス67戸、屋外面積の評価
- マンハッタンハウス — 戦後モダニズムの代表作
- ウォルドーフ・アストリア — 歴史的ホテルの住宅転用
- プラザ・レジデンス — 1907年の名門ホテル
- アマン・ニューヨーク — クラウンビルの最上位ブランド
- 400 Fifth Avenue — 商業地区に住むという選択
アッパーウエストとグラマシー
- アンソニア — ホテルから賃貸、コンドへ
- アプソープ — 1908年の中庭型、名義の自由
- ベルノード — 賃貸から分譲への転換
- 200 Amsterdam — 建築許可をめぐる訴訟
- 50 Gramercy Park North — 公園の鍵という権利
- マディソンハウス — ノマドの新築タワーと管理費
- ワンマディソン — 築10年超の53戸と転売
- 277フィフスアベニュー — 5番街の住所は価格に乗るか
ダウンタウンとトライベッカ
- ウールワースタワー — 1913年の超高層に住む
- ワンウォールストリート — オフィス転用と減税
- 25パークロウ — シティホール公園向きの価格差
- 77グリニッジ — 小学校を抱えた90戸の価格交渉
- ワン・ビークマン — シティホール・パーク前のフロア1戸31戸
- 56 Leonard Street — 新築分譲の取得コスト
- 111 Murray Street — 大型間取りの市場
- 130 William — 固定資産税の読み方
- 30 Park Place — ホテル併設レジデンス
- ビークマン・レジデンス — 賃貸運用向けの間取り
- 443 Greenwich — 倉庫転用と面積表示
- 565ブルームソーホー — レンゾ・ピアノ設計の112戸
- 42クロスビー — 10戸と100万ドルの駐車場の評価
- 108レナード — ランドマーク改装の167戸
- グリニッチレーン — 5棟とタウンハウスの構成
- 130ウエスト12丁目 — 病院跡コンバージョンの評価
- パックビルディング — 6戸だけのペントハウス
- 70ベストリー — 川沿い46戸、少数戸を持つ意味
- 160レロイ — ウエストビレッジ川沿い57戸の値付け
- One Manhattan Square — 大型タワーの出口
- ワンハイライン(旧XI) — 開発会社の破綻と再生
ハイライン・ハドソンヤーズ
- 520 West 28th — ザハ・ハディド唯一のNY住宅
- ランタンハウス — デベロッパーの実績の見方
- 100 Eleventh Avenue — ガラス外壁の維持費
- 15 Hudson Yards — 新開発地区の評価
- 35 Hudson Yards — 似た2棟をどう比べるか
- ハドソンヤーズの住宅 — 竣工前契約の実務
- ザ・コートランド — レンガ外装と資産価値
- ウォーカータワー — 電話局のコンバージョン
- 25 Columbus Circle — 建物の改名と資産価値
ブルックリンとクイーンズ
- ブルックリンタワー — 区で初めての超高層
- ブルックリンポイント — 屋上プールの高層
- クワイタワー — 公園に守られた眺望
- ワン・ブルックリンブリッジパーク — 倉庫転用の449戸と公園への支払い
- イレブン・ホイト — 481戸の価格帯と減税の残存年数
- スカイラインタワー — クイーンズ最高層
- オリンピア・ダンボ — ブルックリン最高額の物差し
比較の全体像はビリオネアズロウ主要タワーの比較をご覧ください。
購入の実務ガイド
よくある質問
220 Central Park Southはどのような特徴を持つ建物ですか。
セントラルパーク南通り沿いに立つ高さ約290メートルの超高級コンドミニアムです。開発は大手不動産会社ヴォルナード、設計はロバート・A・M・スターン建築事務所が手がけました。ライムストーン張りの外装と控えめな装飾が特徴で、ガラス張りのタワーが並ぶ周辺とは明確に異なります。
なぜこの建物は全米史上最高額での取引記録を持つのですか。
セントラルパーク正面という立地の希少性、ガラスタワー全盛期にあえて石張りを選んだ意匠の希少性、そして分譲時から買い手が厳選され転売がほとんど出ない流通の少なさの3つの理由があります。これらが市場で最も高く評価される要因となっています。
購入を検討する場合にどのような準備が必要ですか。
コンドミニアムのため外国籍・非居住のまま購入できますが、この建物クラスでは売主側が買主の素性と資金証明を重視します。そのため資金証明と購入意思の提示を事前に整えておくことが競争力になり、事前の態勢づくりがすべてになります。
現在売りに出ている住戸の具体的な情報はありますか。
2026年8月16日時点で住戸62号が5,935sqft(約551平米)、4ベッドルームで75,000,000ドル(約116.2億円)で売られています。出典はCityRealtyの建物ページですが、売出しは日々入れ替わるため最新の在庫と実際に入れる価格は個別にお調べする必要があります。
現在売りに出ている住戸(2026-08-16時点)
| 住戸 | 広さ | ベッドルーム | 売出価格 |
|---|---|---|---|
| 62 | 5,935sqft(約551平米) | 4 | 75,000,000ドル(約116.2億円) |
出典はCityRealtyの220 Central Park Southの建物ページです。売出しは日々入れ替わりますので、最新の在庫と実際に入れる価格は個別にお調べします。非公開で動いている住戸もあります。
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