ダンボのオリンピア(30 Front Street)は、ブルックリン橋のたもと、ダンボ地区に2022年に完成した26階建てのコンドミニアムです。ダンボで最も高い建物で、ブルックリン橋とマンハッタンの摩天楼を正面に見ます。
この建物を題材にするのは、ブルックリンの高級コンドをどう評価すべきかという問いに、ちょうどよい材料だからです。マンハッタンの高級コンドの物差しをそのまま当てると、この建物は安く見えます。ただ、その安さの正体を分解しておかないと、出口で想定と違う結果になります。
1. 建物の概要。帆の形と76戸

オリンピアは、ヒル・ウエスト・アーキテクツが設計し、フォーティス・プロパティ・グループが開発したコンドミニアムです。建物の外形は帆をかたどっており、ブルックリン橋側に向かって斜めに切り上がる面が特徴です。
住戸は76戸で、1ベッドルームから4ベッドルーム、最上部のペントハウスまでが揃います。マンハッタンの大型の塔と比べると小規模です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 30 Front Street, Brooklyn(ダンボ) |
| 竣工 | 2022年 |
| 階数・戸数 | 26階建て・76戸 |
| 設計・開発 | ヒル・ウエスト・アーキテクツ/フォーティス・プロパティ・グループ |
| 形態 | コンドミニアム(新築分譲) |
| 主な施設 | 屋内外プール、テニスコート、ボウリング、フィットネス、ラウンジ |
ダンボは、倉庫街だった一帯が住宅と商業に転換した地区です。マンハッタンのフルトン・ストリートまで地下鉄で1駅、フェリーでウォール街まで数分という位置です。
2. マンハッタンとの単価差はどこから来るか

オリンピアの分譲価格は、平方フィートあたりでおおむね2,000ドル台から3,000ドル台でした。マンハッタンで同じ眺望と施設を持つ新築コンドは、4,000ドルから6,000ドルの帯に入ります。同じ川を挟んで、単価が3割から5割違います。
この差の正体は、建物の質ではなく、買い手の層の厚さです。マンハッタンには世界中の資産家が住所を買いに来ます。ブルックリンは住む人が生活のために買う市場で、海外からの買い手はまだ薄く、売るときに時間がかかります。
ただし、この構図は固定ではありません。ブルックリンタワーやクワイタワーのように1,000万ドルを超える取引が出はじめており、区で最上位の住戸はマンハッタンの買い手と同じ層が見に来ます。
資産の置き場所として見るなら、判断はこうなります。マンハッタンは流動性を買う場所、ブルックリンは同じ眺望を安く買って長く持つ場所です。5年以内に売る可能性があるならマンハッタン、10年単位で持つならブルックリンの上位物件は選択肢に入ります。
3. 施設の重さは保有コストとして読む

オリンピアの特徴は施設の多さです。屋内外のプール、テニスコート、ボウリング、フィットネス、ラウンジと、ダンボの他の建物にはない規模を持ちます。
買い手の側からは、施設は毎月のコモンチャージとして読みます。76戸でこの規模を維持すると1戸あたりの負担は重く、使わなくても費用は発生します。単価が安い分の一部は、保有コストで戻ってきます。
確認すべきは3点です。ひとつは、分譲時のオファリングプランに記載されたコモンチャージの予算と、現在の実績の差です。ふたつめは、修繕積立金の残高と、直近に特別徴収があったかどうか。みっつめは、施設の運営を外部委託しているか、管理組合が直接雇用しているかです。
賃貸に出す場合、賃料は相場で決まる以上、施設が重い建物は利回りが薄くなります。ハドソンヤーズの施設と維持費でも書いたとおり、施設は住む人には価値で、貸す人には費用です。
4. 購入の実務と名義の設計
オリンピアはコンドミニアムのため、外国籍・非居住のまま購入できます。コープのような理事会審査はなく、法人名義やトラスト名義での保有も、規約の範囲で可能です。
名義の設計で先に決めるべきは、住むのか、貸すのか、子に渡すのかです。ご自身で住む期間があるなら個人名義が扱いやすく、貸すことが前提ならLLC名義での保有と税務を先に検討します。相続まで見通すなら、米国の遺産税の非居住者控除が6万ドルしかない点を踏まえ、法人やトラストを通した保有を設計段階で組みます。
売却時にはFIRPTAの源泉徴収が売却価格に対してかかります。利益ではなく価格に対する源泉のため、売却後の還付申告まで含めて資金計画を立てておく必要があります。
取引の際には、同じ間取りの在庫数、分譲時からの転売履歴と価格推移、そして新築の税制優遇(421-a)の残存期間を書面で確認してください。優遇の切れる年に固定資産税が跳ねます。
5. まとめ
オリンピアは、ブルックリンで最上位の眺望と施設を、マンハッタンの半分から7割の単価で持てる建物です。その安さは建物の質ではなく買い手の薄さから来ており、売るときに時間がかかる分を、長く持つ前提で引き受けるかどうかが判断の分かれ目です。
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よくある質問
オリンピアはどこにありますか。
ブルックリンのダンボ地区、30 Front Streetです。ブルックリン橋のたもとに位置し、ブルックリン・ブリッジ・パークとフェリー乗り場が徒歩圏です。マンハッタンのフルトン・ストリートまで地下鉄で1駅です。
オリンピアの価格はマンハッタンの高級コンドと比べてどうですか。
分譲時の単価は平方フィートあたり2,000ドル台から3,000ドル台で、マンハッタンの同等の新築コンドより3割から5割低い水準でした。差は建物の質ではなく、海外からの買い手がまだ薄いことから生まれています。
施設が多い建物はコモンチャージが高くなりますか。
高くなります。屋内外プールやテニスコートなどを76戸で維持するため、1戸あたりの負担は大規模な塔より重くなる傾向があります。分譲時の予算と現在の実績、修繕積立金の残高を取引前に確認する必要があります。
外国籍でも購入できますか。
コンドミニアムのため、外国籍・非居住のまま購入でき、法人名義やトラスト名義での保有も規約の範囲で可能です。コープのような理事会審査はありません。
所在地
30 Front Street, Brooklyn。位置はGoogleマップでご確認いただけます。
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