30イースト31(30 East 31st Street)は、ノマドの東31丁目、マディソンアベニューとパークアベニューの間に建つ40階建て42戸のコンドミニアムです。設計はモリス・アジミ、開発はエクスタイン・デベロップメントで、2021年に完成しました。幅の狭い敷地に建つ細身のタワーで、外壁の斜めの格子模様が目印です。
この建物を取り上げるのは、ノマドで同じ時期に建った大型の分譲タワーと並べたとき、少戸数のタワーがどう値付けされるかを見せる建物だからです。42戸で1フロア1戸から2戸という構成は、共用施設の重さも取引の頻度も大型タワーと違います。物件の紹介だけでなく、外国籍・非居住のまま買う場合の名義と税務の設計まで書きます。
目次
1. 建物の概要。40階建て・42戸の細身タワー

30イースト31は、間口が15メートルほどの敷地に建つ40階建てで、高さは約140メートルです。外壁はガラスに斜めの格子を重ねた意匠で、通りからは細い塔として見えます。
住戸は42戸で、低層階が1フロア2戸、上層階が1フロア1戸です。1ベッドルームから3ベッドルームまでで、上層階にはフロア全体を使うペントハウスがあります。共用施設はフィットネス、ラウンジ、屋上テラス、自転車置き場で、ドアマンは常駐します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 30 East 31st Street, New York, NY 10016(ノマド) |
| 竣工 | 2021年 |
| 階数・戸数 | 40階建て・42戸 |
| 設計・開発 | モリス・アジミ・アーキテクツ(設計)、エクスタイン・デベロップメント(開発) |
| 形態 | コンドミニアム |
| 主な施設 | フィットネス、ラウンジ、屋上テラス、自転車置き場、ドアマン |
ノマドの街区の成り立ちと住宅の種類は、ノマドのエリア記事に、南隣はフラットアイアンの記事にまとめています。
2. 価格の位置づけ。ノマドの大型タワーとの比較で

30イースト31の住戸は、1ベッドルームが150万ドルから200万ドル、2ベッドルームが250万ドルから380万ドル、3ベッドルームが400万ドルから600万ドルが目安です。フロア全体を使う上層階は700万ドルを超えます。平方フィートあたりでは1,900ドルから2,500ドルで、ノマドの新築タワーの中では中間の帯です。
同じ街区のマディソンハウスは199戸でプールと大型の共用施設を持ち、平方フィートあたり2,300ドルから3,000ドルです。277フィフスは130戸で2,200ドルから2,800ドルです。30イースト31はこの2棟より1割から2割安く、施設の少なさが価格に反映されています。ワンマディソンは公園に面する立地の分だけ、さらに上の帯です。
戸数が42戸なので、年間の成約は数件にとどまります。同じ向き・同じ階の直近成約がないことが多く、値付けは近隣タワーの成約から補正して割り出します。買うときは値付けの根拠を自分で確かめる必要があり、売るときは買い手が現れるまでの時間を長めに見ておきます。
3. 賃料と維持費の釣り合い。少戸数の維持費をどう見るか

30イースト31の賃料は、1ベッドルームで月6,000ドルから7,500ドル、2ベッドルームで月9,000ドルから1万2,000ドル、3ベッドルームで月1万4,000ドルから1万9,000ドルが目安です。購入価格に対する表面利回りは3.2%前後です。
維持費は、コモンチャージが平方フィートあたり年間17ドルから20ドル、固定資産税が同じく年間18ドルから21ドルです。42戸でドアマンとエレベーターの費用を分担するため、コモンチャージは大型タワーと同じか、住戸によってはやや高くなります。2ベッドルーム1,200平方フィートで、コモンチャージと固定資産税の合計は年間4万2,000ドルから4万9,000ドルです。コモンチャージの中身と適正水準は、コモンチャージの中身と適正水準で解説しています。
賃料から維持費を引いた実質利回りは1.8%から2.2%です。見ておくべきなのは、少戸数の建物で1戸が滞納したときの影響と、外壁の格子とガラスの修繕です。42戸では1戸の滞納がコモンチャージ全体の2%を超え、修繕積立金の残高が薄いと特別徴収につながります。理事会の財務書類で、滞納の有無、積立金の残高、直近3年の特別徴収を確認します。
4. 購入の実務と名義の設計
30イースト31はコンドミニアムなので、外国籍・非居住のまま購入でき、理事会の承認面接はありません。名義は個人、LLC、信託のいずれも選べます。賃貸に出す場合の制限は規約で確認します。
賃料を得る場合、非居住者は賃料総額の30%の源泉徴収が原則で、確定申告を選ぶと経費を引いた純額への課税に切り替えられます。LLC名義で保有する場合の税務はLLC名義での保有と税務で、売却時のFIRPTAの源泉徴収も同じ流れで確認できます。
個人名義のまま非居住者が亡くなると、米国の遺産税は基礎控除が6万ドルしかなく、最高税率40%が超過分にかかります。名義の設計は、購入後に変えると譲渡税がかかるため、契約前に決めます。取引の際には、住戸ごとの状況と最新の税務を、契約書と書面で確認してください。
5. まとめ
30イースト31は、ノマドで1フロア1戸から2戸のプライバシーを、大型タワーより1割から2割安い価格で持てる建物です。その代わり、取引の頻度が低く、維持費は戸数の少なさの分だけ重く出ます。購入の流れはニューヨーク不動産の購入ガイドに、日本にいながら進める手順は日本からの遠隔購入にまとめています。
売り出し状況と、非公開で動いている住戸のご案内も承っております。
よくある質問
30イースト31の価格はどれくらいですか。
1ベッドルームが150万ドルから200万ドル、2ベッドルームが250万ドルから380万ドル、3ベッドルームが400万ドルから600万ドルが目安です。平方フィートあたりでは1,900ドルから2,500ドルで、同じ街区のマディソンハウスや277フィフスより1割から2割安い帯です。
30イースト31の維持費はどれくらいですか。
コモンチャージが平方フィートあたり年間17ドルから20ドル、固定資産税が年間18ドルから21ドルです。2ベッドルーム1,200平方フィートで合計年間4万2,000ドルから4万9,000ドルが目安で、42戸で人件費と設備を分担するため、大型タワーより安くはなりません。
30イースト31を外国籍のまま買えますか。
コンドミニアムなので、外国籍・非居住のまま購入でき、理事会の承認面接はありません。LLCや信託の名義でも買えます。賃貸に出す場合は、少戸数の建物として規約が短期賃貸に厳しいことがあるため、契約前に規約を確認します。
マディソンハウスとはどう選び分けますか。
マディソンハウスは199戸でプールと大型の共用施設があり、成約が多く価格を読みやすい建物です。30イースト31は42戸で1フロア1戸から2戸のプライバシーがあり、価格は1割から2割安い代わりに、売るときに時間がかかります。施設と流動性を取るか、静かさと価格を取るかで分かれます。
所在地
30 East 31st Street, New York, NY 10016。位置はGoogleマップでご確認いただけます。
BUILDINGS
ニューヨークの主な建物。名義と税務の観点から
ビリオネアズロウと57丁目
- セントラルパークタワー — 世界一高い住宅ビル
- One57 — ビリオネアズロウの先駆け
- 432 Park Avenue — 正方形窓の超高層
- 220 Central Park South — 全米住宅最高額の記録
- 111 West 57th — 世界で最も細い超高層
- 53 West 53rd — 近代美術館の上に住む
- Mandarin Oriental Fifth — ホテルブランドの住まい
- エセックスハウス — 公園南のアールデコ
- オズボーン — 1885年の石積み
セントラルパーク西の戦前建築
- ダコタハウス — 1884年、市内最初期の高級住宅
- サンレモ — エメリー・ロスのツインタワー
- ベレスフォード — 三本の塔と博物館の眺め
- エルドラド — 公園西の最北、貯水池の眺望
- センチュリー — 公園西で最も中心に近い
- マジェスティック — ダコタの向かい、急行駅前
- One Central Park West — コロンバスサークルの角
- 15 Central Park West — 新築で戦前の風格
パークアベニューとイーストサイド
- 740 Park Avenue — 世界で最も入りにくい住宅
- 520 Park Avenue — 戦前の格を新築で
- オリンピックタワー — 五番街の複合の先駆け
- リッツ・カールトン・レジデンス — ホテルブランドの実際
- シェリーネザーランド — ホテル機能を持つコープ
- リバーハウス — 川に正対する名門コープ
- One Sutton Place South — 借地の上に立つ建物
- サットンタワー — イーストリバー沿いの新築120戸
- 252イースト57丁目 — 分譲と賃貸が同じ塔、値下げの履歴
- ワンビーコンコート — オフィスの上に住む複合ビル
- 200イースト59 — 全戸テラス67戸、屋外面積の評価
- マンハッタンハウス — 戦後モダニズムの代表作
- ウォルドーフ・アストリア — 歴史的ホテルの住宅転用
- プラザ・レジデンス — 1907年の名門ホテル
- アマン・ニューヨーク — クラウンビルの最上位ブランド
- 400 Fifth Avenue — 商業地区に住むという選択
アッパーウエストとグラマシー
- アンソニア — ホテルから賃貸、コンドへ
- アプソープ — 1908年の中庭型、名義の自由
- ベルノード — 賃貸から分譲への転換
- 200 Amsterdam — 建築許可をめぐる訴訟
- 50 Gramercy Park North — 公園の鍵という権利
- マディソンハウス — ノマドの新築タワーと管理費
- 30イースト31(この記事)
- ワンマディソン — 築10年超の53戸と転売
- 277フィフスアベニュー — 5番街の住所は価格に乗るか
ダウンタウンとトライベッカ
- ウールワースタワー — 1913年の超高層に住む
- ワンウォールストリート — オフィス転用と減税
- ザ・グリニッジ — 125グリニッジの88階建て273戸
- 25パークロウ — シティホール公園向きの価格差
- 77グリニッジ — 小学校を抱えた90戸の価格交渉
- ワン・ビークマン — シティホール・パーク前のフロア1戸31戸
- 56 Leonard Street — 新築分譲の取得コスト
- 111 Murray Street — 大型間取りの市場
- 130 William — 固定資産税の読み方
- 30 Park Place — ホテル併設レジデンス
- 45パークプレイス — SOM設計50戸と値引き後の価格
- 100バークレー — 1927年電話局を改装した157戸
- 101ウォーレン — フルブロック227戸の価格帯
- 200チェンバーズ — プール付き258戸の維持費
- ビークマン・レジデンス — 賃貸運用向けの間取り
- 443 Greenwich — 倉庫転用と面積表示
- 565ブルームソーホー — レンゾ・ピアノ設計の112戸
- 42クロスビー — 10戸と100万ドルの駐車場の評価
- 10サリバン — ソーホー西端の22戸と小規模コンドの注意
- 108レナード — ランドマーク改装の167戸
- グリニッチレーン — 5棟とタウンハウスの構成
- 130ウエスト12丁目 — 病院跡コンバージョンの評価
- パックビルディング — 6戸だけのペントハウス
- ザ・シューマッハ — 印刷所転用20戸の維持費
- 70ベストリー — 川沿い46戸、少数戸を持つ意味
- 160レロイ — ウエストビレッジ川沿い57戸の値付け
- 150チャールズ — 低層91戸と中庭の維持費
- One Manhattan Square — 大型タワーの出口
- ワンハイライン(旧XI) — 開発会社の破綻と再生
ハイライン・ハドソンヤーズ
- 520 West 28th — ザハ・ハディド唯一のNY住宅
- ランタンハウス — デベロッパーの実績の見方
- 100 Eleventh Avenue — ガラス外壁の維持費
- 15 Hudson Yards — 新開発地区の評価
- 35 Hudson Yards — 似た2棟をどう比べるか
- ハドソンヤーズの住宅 — 竣工前契約の実務
- ザ・コートランド — レンガ外装と資産価値
- ウォーカータワー — 電話局のコンバージョン
- 25 Columbus Circle — 建物の改名と資産価値
ブルックリンとクイーンズ
- ブルックリンタワー — 区で初めての超高層
- ブルックリンポイント — 屋上プールの高層
- クワイタワー — 公園に守られた眺望
- ワン・ブルックリンブリッジパーク — 倉庫転用の449戸と公園への支払い
- イレブン・ホイト — 481戸の価格帯と減税の残存年数
- スカイラインタワー — クイーンズ最高層
- オリンピア・ダンボ — ブルックリン最高額の物差し
比較の全体像はビリオネアズロウ主要タワーの比較をご覧ください。
購入の実務ガイド
NEIGHBOURHOODSニューヨークの街と、他都市との比較(37件)
マンハッタンの街
- アッパーウエストサイド — 戦前の名建築と子育て環境
- カーネギーヒル — 美術館の並びに住む
- ヨークビル — 地下鉄新線が変えた買い場
- タートルベイ — 国連の街の静かな買い場
- グラマシー — 鍵のある公園に面した街
- フラットアイアン — ロフトの広さと価格
- ノマド — マンハッタン中央部の相場
- チェルシー — ハイライン沿いのレジデンス
- ウエストヴィレッジ — 石畳の歴史地区
- グリニッチビレッジ — 低層の街と戦前コープ
- ノーホー — 数ブロックのロフト一等地
- ソーホー — ロフト市場の実態
- ロウアーイーストサイド — 変わり続ける街の値段
- 金融地区 — ウォール街に暮らす
- ハーレム — ブラウンストーン1棟と賃料規制
ブルックリンの街
- ブルックリンハイツ — 全米初の歴史保存地区
- コブルヒル — ランドマーク地区のブラウンストーン
- キャロルガーデンズ — 住みながら貸す二戸建て
- ボーラムヒル — 学区の境界は住所ごとに違う
- フォートグリーン — コープが多い地区で海外から買う
- プロスペクトハイツ — 固定資産税の減税が切れる日
- ダウンタウンブルックリン — 供給が集中した地区の出口
- ダンボ — 倉庫街から高級住宅地へ
- グリーンポイント — 水辺エリアの家賃相場
ニューヨークを他の都市と比べる
- 東京 — 価格・価値観・法規制の違い
- ロサンゼルス — 戸建ての街と縦の街
- マイアミ — 税金ゼロの魅力と流動性
- ハワイ — 持ちたい場所として比べる
- トロント・バンクーバー — 外国人購入禁止の国と開かれた市場
- パリ — 石の街の資産と縦の街の資産
- 香港 — アジアの富の置き場所
- シドニー — 外国人規制の壁
- ロンドン — 英米の不動産投資の違い
- 世界の主要都市 — ドバイ・シンガポール・ロンドン・東京
- 全米の主要都市 — 価格・家賃・利回り・値上がり率
- 米国内の他都市 — ニューヨークだけが違う7点
- 日米の投資比較 — 利回り・税制・リスク
エリアの全体像と購入の実務
本ページの相場、利回り、所要時間などの数値は、一般に公開されているデータや当社の取引経験にもとづく目安です。物件、時期、条件によって実際とは異なる場合があり、当社が正確性および最新性を保証するものではありません。犯罪発生状況はニューヨーク市警などの公的機関が地区ごとの統計を公開しているため、そちらの数字をご確認ください。当社は入居者や購入者の国籍、人種、出身、宗教、家族構成によって物件やエリアをお勧めすることはいたしません。本ページの内容は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や税務助言には当たりません。

















