ニューヨークのロフトは、工場や倉庫として建てられた建物を住まいにした住戸です。広告では同じ「ロフト」でも、法律上は一般の住居、1982年のロフト法による暫定集合住宅、芸術家の住居(JLWQA)の3つに分かれ、どれに当たるかで住める人と売り方が変わります。
ソーホーとノーホーでは、2021年12月15日に市議会が区画の見直しを承認し、芸術家の住居を一般の住居へ移す道ができました。市の資料では、移すときの拠出金は1平方フィートあたり100ドルから始まり、物価に合わせて上がる仕組みです。
- ロフトは法律上3つに分かれます。決め手は建物の使用承認書(CO)に書かれた用途です
- ロフト法は1982年。3世帯以上が暮らしていた工場や倉庫を、家賃安定化の住居として合法化する制度です
- ソーホー・ノーホーの芸術家の住居は、2021年の見直しで、拠出金を払えば一般の住居に移せます
- 買う前に、用途、ロフト委員会の対象か、面積の表示の根拠を確かめます
天井が高く、柱の少ない広い空間は、ロフトならではの魅力です。一方で、書類の確認を省くと、買ったあとに住める人や売り先が限られることがあります。
本日はニューヨークのロフトについて見ていきましょう。
1. ロフトとは。工場や倉庫の建物を住まいにした住戸

法律上は3つに分かれる
「ロフト」は物件の広告で使われる呼び名で、法律上の区分ではありません。法律上の扱いは、次の3つのどれかです。
| 区分 | 住める人 | 根拠 | 買うときの注意 |
|---|---|---|---|
| 一般の住居 | 制限なし | 住居の用途の使用承認書 | 通常の住戸と同じ |
| 暫定集合住宅(IMD) | 住んでいる入居者を保護 | 州のロフト法(1982年) | 入居者は家賃安定化の対象 |
| 芸術家の住居(JLWQA) | 市が認定した芸術家など | 市の区画規則 | 住める人に条件がある |
市のロフト委員会と建築局(DOB)の案内をもとに作成しました。
決め手は使用承認書
市の建築局によると、使用承認書(Certificate of Occupancy)は建物の合法な用途と使い方を示す書類です。建築局が承認書を出すまで、建物に合法に住むことはできません。1938年より前に建ち、承認書が要らなかった建物には、用途を確かめる別の書面が出されることがあります。
2. ロフト法。1982年に始まった、工場や倉庫の住まいの合法化

対象になった建物
市のロフト委員会の案内によると、州議会は1982年に集合住宅法の第7-C条(ロフト法)を定めました。対象は、1980年4月1日から1981年12月1日まで3世帯以上がそれぞれ暮らしていた、もとは商業や工場の建物で、暫定集合住宅(IMD)と呼ばれます。
その後、2010年、2013年、2015年、2019年の改正で対象が広がりました。2019年の改正では、2015年から2016年に12か月続けて3世帯以上が暮らしていた建物も加わり、住戸は400平方フィート(約37㎡)以上、地下ではないことなどが条件です。
ロフト委員会が合法化を見守る
ロフト委員会は、こうした建物を安全で、家賃安定化された住居へ合法に移すための機関です。所有者と入居者の争いを裁き、建物ごとの進み具合を追います。ロフト法の対象の住戸がある建物を買う場合、入居者は家賃安定化で守られている前提で収支を組みます。
3. ソーホーとノーホーの芸術家の住居。2021年の見直しで変わったこと

芸術家の住居(JLWQA)とは
市の建築局の通達によると、芸術家の住居は区画規則上の用途の1つで、市の文化局が認定した芸術家や、その世帯などが住める住戸です。2021年12月15日の見直しのあと、新たに芸術家の住居にすることはできなくなりました。
2022年7月21日の州法の改正で、2021年12月15日以前から住んでいる人は、認定を受けた芸術家と同じ扱いで住み続けられます。ロフト法の対象の住戸は、芸術家の認定がなくても住居として住めます。
一般の住居へ移す手順
市の都市計画局の資料では、芸術家の住居をそのまま残すか、拠出金を1回払って一般の住居に移すかを、所有者が選べます。移すかどうかは任意です。
- 都市計画局と建築局が、移す住戸の面積を確かめます。
- 都市計画局と文化局が、芸術の基金への拠出金が払われたことを確かめます。
- 都市計画委員会の委員長が、住居としての承認書を出してよいと建築局に伝えます。
- 建築局が、住居の用途の使用承認書を出します。
同じ資料は、2010〜2020年の売買記録から、芸術家の住居の成約価格の中央値を1平方フィート1,545ドル、それ以外の住居を1,767ドルとしています。差は1平方フィート222ドルです。計算の例として、2,000平方フィートの住戸を当初の100ドルで移すと、拠出金は20万ドルになります。
4. ロフトを買うときに確かめること

書類で用途と面積を確かめる
ロフトの価格は、広さと天井の高さだけでは決まりません。住める人の条件と、将来売れる相手の広さで決まります。
- 使用承認書の用途は、一般の住居か、芸術家の住居か
- 建物や住戸がロフト委員会の対象か(入居者が家賃安定化か)
- 芸術家の住居なら、一般の住居へ移したか、移す場合の拠出金はいくらか
- 広告の面積が何を根拠にしているか
- 管理組合の規約で、改装や貸し出しに制限があるか
地区ごとの市場はソーホーのロフト市場とノーホーの不動産に、倉庫を転用したロフトの面積表示は443グリニッチの記事にまとめています。
まとめ

呼び名ではなく用途で選ぶ
ロフトは工場や倉庫の建物を住まいにした住戸で、法律上は一般の住居、ロフト法の暫定集合住宅、芸術家の住居の3つに分かれます。決め手は使用承認書の用途です。
ソーホーとノーホーの芸術家の住居は、2021年の見直しで拠出金を払えば一般の住居に移せるようになりました。買う前に、用途、ロフト委員会の対象か、面積の根拠を書類で確かめます。
よくある質問
ニューヨークのロフトとは何ですか。
工場や倉庫として建てられた建物を住まいにした住戸です。広告では同じロフトでも、法律上は一般の住居、1982年のロフト法による暫定集合住宅、芸術家の住居(JLWQA)の3つに分かれます。どれに当たるかは、建物の使用承認書の用途で確かめます。
ロフト法とはどんな法律ですか。
1982年に州が定めた集合住宅法の第7-C条です。1980年4月1日から1981年12月1日まで3世帯以上が暮らしていた商業や工場の建物を暫定集合住宅とし、ロフト委員会が安全で家賃安定化された住居への合法化を見守ります。2010年から2019年の改正で対象が広がりました。
芸術家の住居は誰でも住めますか。
芸術家の住居(JLWQA)は、市の文化局が認定した芸術家やその世帯などが住める住戸です。2022年7月21日の州法の改正で、2021年12月15日以前から住んでいる人は認定を受けた芸術家と同じ扱いになりました。
ソーホーの芸術家の住居を一般の住居に変えられますか。
2021年12月15日に承認された区画の見直しで、拠出金を1回払えば一般の住居に移せるようになりました。市の資料では拠出金は1平方フィートあたり100ドルから始まり、物価に合わせて上がります。移すかどうかは所有者が選べます。
本ページの相場、利回り、所要時間などの数値は、一般に公開されているデータや当社の取引経験にもとづく目安です。物件、時期、条件によって実際とは異なる場合があり、当社が正確性および最新性を保証するものではありません。犯罪発生状況はニューヨーク市警などの公的機関が地区ごとの統計を公開しているため、そちらの数字をご確認ください。当社は入居者や購入者の国籍、人種、出身、宗教、家族構成によって物件やエリアをお勧めすることはいたしません。本ページの内容は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や税務助言には当たりません。

















