ニューヨーク市の水道水は、そのまま飲めます。市の環境保護局(DEP)の2025年の水質報告では、連邦と州の飲料水基準をすべて満たし、平均の硬度は1ガロンあたり2グレイン(32mg/L)の軟水でした。水の9割以上は、北へ最大125マイル(約200km)離れた山地の貯水池から届きます。
ただし、蛇口から出る水は、街の水道管だけでなく建物の中の配管を通ってきます。1961年より前の建物には鉛の給水管が残っている場合があり、屋上の貯水タンクを通す建物もあります。借りるときも買うときも確かめたい点です。
- 2025年もすべての飲料水基準を満たした、平均32mg/Lの軟水です
- 水の91.3%はキャッツキルとデラウェアの貯水池から。ろ過せず塩素と紫外線で消毒します
- 1961年より前の建物は鉛の給水管に注意。検査キットは311で頼めて費用はかかりません
- 屋上の貯水タンクは年1回の検査が義務で、結果は住所で検索できます
本日はニューヨークの水道水について見ていきましょう。
1. 水はどこから来るか。キャッツキル、デラウェア、クロトンの3系統

19の貯水池と3つの湖
ニューヨーク市の水源は、ハドソンバレーとキャッツキル山地に広がる19の貯水池と3つの湖です。集水域は約2,000平方マイル(約5,200平方キロメートル)で、1日に約10億ガロン(約38億リットル)を市内と周辺の郡へ送っています。
2025年の内訳は、キャッツキルとデラウェアの系統が91.3%、クロトンの系統が8.7%でした。
ろ過をせずに消毒する仕組み
キャッツキルとデラウェアの水は質が高く、ニューヨーク市は表流水をろ過していない全米5つの大都市の1つです。州の保健局がろ過を免除する決定(Filtration Avoidance Determination)を出しており、2022年12月の見直しで少なくとも2027年まで続くことになりました。
ろ過しない代わりに、塩素で消毒したうえで、ウエストチェスター郡にある紫外線消毒施設を通します。クロトンの水は、ブロンクスの地下にある浄水場(1日最大2億9,000万ガロン)でろ過されます。どちらの水にも、配管の金属の溶け出しを抑えるリン酸とフッ素(0.7mg/L)が加えられています。
2. 硬度と味。軟水で、塩素のにおいは冷やすと減る

平均32mg/Lの軟水
DEPの区分では、硬度が1ガロンあたり3グレイン以下なら軟水、3〜9グレインはやや硬い水です。
DEPのよくある質問によると、キャッツキルとデラウェアの水は軟水かごくわずかに硬い水、クロトンの水はやや硬い水です。2つの水が混ざる地区では、7グレインまで上がることがあります。硬い水はシャワーの扉に水あかを残すことがありますが、飲んで問題はないと説明されています。
においと色の変化の原因
塩素のにおいが気になるのは、配水管の中で菌が増えないよう、一定の塩素を残すことが義務づけられているためです。2025年の残留塩素は平均0.6mg/Lでした。見た目やにおいの変化と対処は次のとおりです。
| 気づいたこと | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 塩素のにおいがする | 配水管の中で消毒のために残している塩素。暖かい季節ほど感じやすい | ピッチャーに入れて冷蔵庫で一晩置く。容器から容器へ10回ほど移し替える |
| 白く濁っている | 運ばれる間に入った空気の泡 | しばらく置けば消える。健康上の問題はない |
| 急に茶色くなった | 近くの水道管の工事や消火栓の使用で、管の底の鉄分が舞い上がった | 飲まずに311へ。水道局が近くの消火栓から水を流して解消する |
| いつも茶色い | 建物の中の配管のさびや、古い給湯器 | 長く使わなかった後は冷水を2〜3分流す。続けば管理会社へ |
出典はDEPの「Drinking Water FAQs」と2025年の水質報告です。
DEPは、茶色く濁った水は有害ではないとしながらも、見て分かるほど色の付いた水は飲まないよう求めています。色、味、においの異常は311に申告できます。
3. 古い建物の鉛。1961年より前の建物で確かめること

鉛が入るのは建物の給水管と配管から
市の水道管と導水路には鉛が使われていません。鉛が水に入るのは、道路の水道管から建物へ引き込む給水管(サービスライン)と、建物の中の配管や蛇口からです。DEPの鉛の案内によると、鉛の給水管は1961年から、家庭の配管への鉛の使用は1987年から禁止されています。特に古い1〜4世帯の住宅に残っている場合があります。
2025年の家庭の蛇口の検査結果
2025年に家庭の蛇口で採った326件の検体では、9割が10µg/L以下で、対策の基準になる15µg/Lを下回りました。一方で16件は基準を超えています。街の水がきれいでも、結果は建物の配管しだいです。
- 市の給水管マップ(Service Line Map)で、建物の給水管の材質の記録を調べます
- 311に電話するかDEPのフォームから、鉛の検査キットを頼みます。費用はかからず、1世帯に1キットです
- 何時間も水を使わなかったときは、飲む前に30秒から2分ほど水を流します
- 飲み水と料理には冷水を使い、蛇口の先の網を月に1度洗います
- 心配が残るなら、鉛の除去についてNSFかULの認証を受けたフィルターを使います
給水管は建物の所有者のものです。買う側にとっては、古い建物の給水管と配管の状態は、管理組合の修繕計画と費用に関わります。
4. 屋上の貯水タンク。年1回の検査と結果の掲示

年1回の検査と1月15日の提出期限
ニューヨークの中高層の建物には、屋上などのタンクに水をためたり圧力をかけたりしてから各戸へ送るものがあります。市の保健局の規則では、所有者はタンクを年に1回検査して細菌の水質検査も行い、検査員を通じて翌年1月15日までに結果を保健局へ提出しなければなりません。
所有者は、住人が結果を見られることを知らせる掲示を建物に出し、結果を5年間保管する義務も負います。結果は住所か建物番号(BIN)で、市のサイトから検索できます。
内見で確かめること
- 建物が建った年。1961年より前なら給水管の材質の記録を見る
- 屋上タンクの有無と、検査結果の掲示がロビーなどに出ているか
- 内見のとき、台所の冷水を少し流して色とにおいを見る
- 給湯器が部屋ごとか建物全体か、交換された時期
- 購入の場合は、配管の更新歴と予定を管理会社に書面で尋ねる
迷う建物は、築年と設備の記録で比べるのが確実です。駐在の部屋探しの流れはニューヨークの賃貸ガイドに、購入前の建物の確認はコンドミニアム購入ガイドにまとめています。
まとめ

街の水より建物の配管を見る
ニューヨーク市の水道水は、2025年もすべての飲料水基準を満たした軟水です。塩素のにおいは冷やせば減り、白い濁りは空気の泡です。
気をつけるのは街の水ではなく建物の配管とタンクです。1961年より前の建物なら給水管の記録を調べ、費用のかからない鉛の検査キットを使えます。屋上タンクの検査結果は掲示とオンラインで確かめられます。入居後の電気やネットの手続きは入居が決まったあとの手続きをご覧ください。
よくある質問
ニューヨークの水道水はそのまま飲めますか。
飲めます。市の環境保護局(DEP)の2025年の水質報告では、連邦と州の飲料水基準をすべて満たしていました。ただし蛇口の水は建物の配管を通るため、古い建物では鉛の給水管が残っていないかを確かめると安心です。
ニューヨークの水は硬水ですか、軟水ですか。
軟水です。2025年の平均硬度は32mg/L(1ガロンあたり2グレイン)で、DEPは3グレイン以下を軟水としています。クロトンの系統の水はやや硬く、2つの水が混ざる地区では7グレインまで上がることがあります。
水道水が茶色いときはどうすればいいですか。
飲まずに311へ申告してください。急に茶色くなったときは近くの水道管の工事や消火栓の使用、いつも茶色いときは建物の配管のさびや古い給湯器が考えられます。長く使わなかった後は冷水を2〜3分流します。
鉛の検査はどこで頼めますか。
311に電話するか、DEPのオンラインのフォームから費用のかからない検査キットを頼めます。1世帯に1キットです。何時間も水を使わなかったときは、結果を待つ間も、飲む前に30秒から2分ほど水を流してください。
本ページの相場、利回り、所要時間などの数値は、一般に公開されているデータや当社の取引経験にもとづく目安です。物件、時期、条件によって実際とは異なる場合があり、当社が正確性および最新性を保証するものではありません。犯罪発生状況はニューヨーク市警などの公的機関が地区ごとの統計を公開しているため、そちらの数字をご確認ください。当社は入居者や購入者の国籍、人種、出身、宗教、家族構成によって物件やエリアをお勧めすることはいたしません。本ページの内容は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や税務助言には当たりません。

















