ニューヨークには国際線が発着する空港が3つあります。ジョン・F・ケネディ国際空港、ラガーディア空港、そしてニュージャージー州のニューアーク・リバティ国際空港です。日本からの直行便が着くのはJFKとニューアークで、この2つは同じニューヨーク圏でありながら、マンハッタンに入るまでの経路も所要時間も費用もまったく違います。到着してから初めて経路を調べる方が多いのですが、深夜着の便で荷物が多い状態から考え始めると、選択肢はほぼタクシー一択になり、想定していた予算を大きく超えることになります。本日はニューヨーク3空港からマンハッタンへのアクセスについて、経路ごとの費用と所要時間、そしてどの空港に降りるべきかという判断材料を整理して見ていきましょう。
1. 3つの空港の位置関係と、着陸地点で変わるもの

3空港はマンハッタンを中心に、それぞれ別の方角に散らばっています。JFK国際空港はクイーンズ区の南東端にあり、マンハッタンのミッドタウンからの直線距離は約21キロメートルです。ラガーディア空港は同じクイーンズ区でも北側にあり、ミッドタウンまで約13キロメートルと3空港のなかで最も近い位置にあります。
一方でニューアーク・リバティ国際空港はハドソン川を越えたニュージャージー州にあり、ミッドタウンから約26キロメートルです。州境をまたぐため、後述する通行料金の扱いが他の2空港と異なります。
距離だけを見ればラガーディアが最も近いのですが、ここには国内線と一部のカナダ便しか就航していません。日本からの直行便で到着する方にとって、実際の選択肢はJFKかニューアークの二択になります。それでは、この2空港がどう違うのかを具体的に見ていきます。
混雑課金の導入で何が変わったか
2025年1月、ニューヨーク市は60丁目以南のマンハッタンに乗り入れる車両に対する混雑課金を開始しました。この制度により、空港からマンハッタン中心部へ車で向かう場合の総額が以前より上がっています。
タクシーと配車サービスについては、乗客1回あたりの追加料金という形で転嫁されており、運賃メーターの表示額とは別に加算されます。制度の詳細と最新の料率はMTA公式サイトで公開されています。
2. JFK国際空港からマンハッタンへ

JFKからマンハッタンへ向かう経路は大きく3つに分かれます。エアトレインと地下鉄を乗り継ぐ方法、エアトレインとロングアイランド鉄道を乗り継ぐ方法、そしてタクシーまたは配車サービスです。到着ターミナルからどの経路を選んでも、まずは空港内を循環するエアトレインに乗ることになります。
エアトレインは各ターミナルとジャマイカ駅、ハワード・ビーチ駅を結んでおり、空港内の移動に料金はかからず、空港外の2駅へ出る際に運賃が発生します。運行状況と料金はJFK空港の公式サイトで確認できます。
それぞれの経路が向いている場面
エアトレインからジャマイカ駅でロングアイランド鉄道に乗り換えるルートは、ペンステーションまで約20分と最も速い鉄道経路です。荷物を持ったまま座って移動できるため、スーツケースが複数ある到着時にはこの経路が現実的な選択になります。
エアトレインからハワード・ビーチ駅で地下鉄A系統に乗り換えるルートは費用が最も安く済みますが、マンハッタン中心部まで1時間以上かかります。階段の多い駅を大きな荷物で通過することになるため、身軽な状態でなければ推奨いたしません。
タクシーについては、JFKとマンハッタンの間に定額運賃制度が設けられています。この定額運賃には通行料、混雑課金、チップが含まれておらず、実際の支払額は表示された定額を相当上回ります。定額制度の適用範囲と現行額はニューヨーク市タクシー・リムジン委員会が公表しています。
3. ラガーディア空港とニューアーク・リバティ国際空港

ラガーディア空港は3空港で唯一、鉄道が直接乗り入れていません。地下鉄駅へはバスで接続する形になり、ミッドタウンへ向かうならタクシーか配車サービスが現実的です。距離が近いぶんタクシー運賃は3空港のなかで最も安く収まりますが、グランド・セントラル・パークウェイとクイーンズボロ橋が混雑する時間帯は、13キロメートルの移動に1時間近くかかることがあります。
ニューアーク・リバティ国際空港は、空港内のエアトレインでニューアーク・リバティ国際空港駅に出て、そこからNJトランジットまたはアムトラックでペンステーションへ向かうのが基本経路です。所要時間は乗り継ぎを含めて45分から1時間程度をみておくとよいかと存じます。
ニューアークのタクシーで注意すべき点
ニューアークからマンハッタンへタクシーで向かう場合、ハドソン川を渡るトンネルの通行料と、州をまたぐ追加料金が運賃に上乗せされます。JFKのような定額制度がないため、渋滞に巻き込まれた場合の上振れ幅が読みにくいという性質があります。
空港運営はニューヨーク・ニュージャージー港湾公社が行っており、アクセス経路の最新情報は港湾公社の公式サイトに掲載されています。
以下は3空港それぞれの経路を比較した表です。所要時間は平常時の目安であり、時間帯によって大きく変動いたします。
| 空港 | 鉄道経路 | 鉄道の所要 | 車の所要 | 向いている方 |
|---|---|---|---|---|
| JFK | エアトレイン+LIRR | 約40分 | 45分〜90分 | 荷物が多い到着時 |
| ラガーディア | バス+地下鉄 | 約60分 | 25分〜60分 | 国内線の短期出張 |
| ニューアーク | エアトレイン+NJトランジット | 約50分 | 40分〜90分 | 西側に滞在する方 |
※上記は、平常時の目安をまとめたものです。金曜夕方や悪天候時は車の所要時間が倍近くまで伸びることがあり、鉄道経路のほうが読みやすい時間帯が存在します。
4. 一方で「タクシーが結局いちばん速い」という見方について

空港アクセスの話をすると、乗り換えを重ねるよりドアツードアで運んでくれるタクシーのほうが結局は速く、時間価値を考えれば安いというご意見をよくいただきます。当社のお客様にも、到着時は迷わず配車サービスを呼ぶという方が少なくありません。
この考え方には合理性があります。時差のある長距離便で到着した直後に、慣れない駅で乗り換えを2回こなす負担は決して小さくありません。滞在時間が限られている出張であれば、移動を単純化する判断は妥当です。
しかし、時間の観点でも常にタクシーが優位とは限らないという点は申し上げておきたいところです。JFKからマンハッタンへ向かう経路は、ヴァン・ワイク高速道路とミッドタウン・トンネルという2つの慢性的な渋滞区間を通過します。平日夕方にここで詰まると、鉄道経路より30分以上遅くなることが実際に起こります。
加えて、混雑課金の導入以降、マンハッタン中心部へ向かう車の総額は上がりました。定額運賃に通行料、混雑課金、チップを積み上げると、ご家族4人でロングアイランド鉄道を使う場合の総額を上回る水準になります。
ですので、当社としては到着時と出発時で経路を使い分けることをご推奨いたします。荷物が最も重い到着時は車を使い、身軽になっている出発時は鉄道を使う。この組み合わせであれば、負担と費用の両方を抑えられます。滞在中の市内移動については、地下鉄とバスを含めたニューヨーク交通システムの解説記事で詳しくまとめておりますので、あわせてご覧ください。
まとめ

ニューヨーク3空港のアクセスは、距離の近さと移動のしやすさが一致していないという点に特徴があります。最も近いラガーディアには鉄道が入っておらず、最も遠いニューアークには空港直結の鉄道があります。この非対称さを知っているかどうかで、到着後の時間の使い方が変わってきます。
住まいを選ぶ段階でこの話が効いてくる場面もございます。日本との往復が年に何度も発生する方であれば、ペンステーションとグランド・セントラルのどちらに出やすい位置に住むかが、そのまま空港までの所要時間に反映されます。
クイーンズ側にお住まいを構える場合は、JFKとラガーディアの両方に短時間で出られるという利点があります。エリアごとの通勤経路と生活環境についてはクイーンズのエリアガイドにまとめております。数か月単位のご滞在をご検討の方は、ニューヨークの短期滞在ガイドもあわせてご参照いただけますと幸いです。
当社はニューヨークで不動産に携わっており、駐在や移住でいらっしゃる方の住まい探しをご支援しております。空港へのアクセスを含めた立地のご相談も承っておりますので、お気軽にお声がけください。
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