2026年10月22日 Reinvent編集チーム

ニューヨークのアパートの窓と非常階段。10歳以下の子どもがいれば窓ガードは所有者の義務

ニューヨーク市では、3戸以上の集合住宅で10歳以下の子どもが住む住戸には、所有者が市の承認した窓ガードを付ける義務があります。窓ガードは子どもの転落を防ぐ金属の器具で、窓の開く幅を制限する器具を使う場合は、4.5インチ(約11.4cm)より開かないようにします。

一方で、非常階段に出る窓には窓ガードを付けず、非常階段には物を置きません。子どもの転落を防ぐ決まりと、火事のときに逃げ道を残す決まりが、同じ窓の上で両立するように作られています。

 

この記事の要点

  • 10歳以下の子どもが住む住戸では、所有者が全ての窓に窓ガードを付けます。非常階段に出る窓は除きます
  • 所有者は毎年1月1日〜15日に通知を配り、入居者は2月15日までに子どもの有無を返します
  • 非常階段は物を置かずに保ち、鍵で開ける格子は付けられません
  • 窓用エアコンは金具で固定します。2023年の子どもの転落9件のうち4件はエアコンの付け方が原因でした

 

子ども連れで駐在する方にとっては部屋選びの条件で、貸す方にとっては毎年の手続きがある義務です。

本日はニューヨークのアパートの窓と非常階段について見ていきましょう。

 

 

1. 窓ガードの義務。10歳以下の子どもが住む住戸

ニューヨークのアパートの窓と非常階段

 

 

付ける窓と付けない窓

市の保健局の窓ガードの案内によると、窓ガードは浴室や1階の窓、テラスやバルコニーに面した窓を含む全ての窓に付けます。一部の窓だけに付けることはできません。

建物に10歳以下の子どもが1人でも住んでいれば、共用廊下の窓にも付けます。子どもがいなくても、入居者が求めれば所有者は付けなければなりません。1〜2世帯の個人住宅には義務がありませんが、市は付けることを勧めています。

非常階段に出る窓には付けません。非常階段が2階より上にしかない建物では、1階の住戸の窓を1つ、避難のためにガードなしで残します。

 

 

2026年1月からの新しい規則

保健局の所有者向けの案内では、規則が改められ、2026年1月1日から施行されています。1つの住戸で10時間以上過ごす子どもは、そこに住んでいなくても「住む」子どもとして扱うことになりました。

あわせて、2階以上のバルコニーやテラスに面した窓への転落防止の器具と、窓用エアコンの付け方の要件が加わりました。

10歳以下窓ガードの義務の対象になる子どもの年齢
約11.4cm開く幅を制限する器具を使うときの上限(4.5インチ)
1976年ニューヨーク市が米国で最初に窓ガードの決まりを作った年

 

 

2. 毎年1月の通知と費用。借りる側と貸す側の手順

ニューヨークのアパートの窓と非常階段

 

 

毎年の通知の流れ

所有者は、新しい入居者には契約のときに、住んでいる入居者には毎年1回、子どもの有無を尋ねる通知を渡します。古い建物では、6歳未満の子どもの有無を尋ねる鉛塗料の欄が同じ書式に入ります。

  1. 所有者が1月1日から15日の間に、全ての住戸へ年次の通知を渡します。
  2. 入居者は2月15日までに、10歳以下の子どもがいるか、窓ガードを希望するかを書いて返します。
  3. 返事がなければ、所有者は住戸に入って子どもがいるかを確かめます。
  4. 3月1日までに確かめられなければ、所有者は3回以上の連絡の記録を付けて保健局に届けます。
  5. 子どもがいれば、所有者は承認された窓ガードを付け、壊れていれば直します。

 

 

費用は誰が払うか

住戸の中の窓ガードは、所有者が入居者に費用を求めることができます。共用部分の窓ガードは入居者に求められません。すでに窓ガードが付いた住戸に入る入居者には請求できず、改装で付け替えた分も請求できません。

家賃安定化の住戸では、一時的な上乗せとして窓ガード1つにつき10ドルまでで、入居者は一括か1〜3年の分割を選べます。この上乗せは基本の家賃に組み込めません。

 

 

3. 非常階段の決まり。物を置かない、鍵の格子は付けない

ニューヨークのアパートの窓と非常階段

 

 

いつでも使える状態に保つ

市の火災予防の規則は、非常階段とそこへの通り道を、火事などのときにすぐ使えるよう障害物のない状態に保つことを求めています。地上へ下ろすはしごの下にも、日よけや家具、車を置けません。

市の住宅局(HPD)の火災の安全の案内も、非常階段や廊下、屋上へのドアに物を置かないよう求めています。他人の物で通れないときは所有者に伝え、直らなければ311に連絡します。

注意

非常階段に出る窓に鍵で開ける格子を付けることは違法です。防犯の格子を付ける場合も、部屋の内側から鍵や道具を使わずに外せるものに限られます。

 

 

主な決まりの一覧

項目 決まり 所管
住戸の窓ガード 10歳以下の子どもが住めば、非常階段の窓を除く全ての窓に付けます 保健局
共用廊下の窓 建物に10歳以下の子どもが1人でもいれば付けます 保健局
年次の通知 1月1日〜15日に配り、2月15日までに返します 保健局
窓ガードの費用 住戸内は入居者に請求できます。家賃安定化の住戸は1つ10ドルまでです 保健局
非常階段 物を置かず、いつでも使える状態に保ちます 消防局、住宅局
非常階段の窓の格子 鍵で開けるものは不可。内側から道具なしで外せるものだけです 消防局、住宅局
窓用エアコン 非常階段に出る窓には付けません。金具で建物に固定します 消防局、建築局
ガスコンロのつまみ 6歳未満の子どもがいれば、所有者がカバーを用意します 住宅局

保健局、消防局の火災予防の規則、住宅局、建築局の案内をもとに作成しました。

 

 

4. 窓用エアコンと、子ども連れで借りるときに確かめること

ニューヨークのアパートの窓と非常階段

 

 

窓用エアコンの付け方

市の建築局のエアコンの設置の案内は、本体を下から支えるか、内側から金具でしっかり固定するよう求めています。木片やれんが、電話帳、缶で高さを合わせることはできません。本体の上に植木などを置くこともしません。

一般的な窓用エアコンに許可は要りません。3トン(毎時3万6,000BTU)を超える機器だけが許可の対象です。火災予防の規則では、同じ部屋の別の窓から非常階段に出られる場合を除き、非常階段に出る窓にはエアコンを付けません。

保健局の2024年の発表では、2023年に10歳以下の子どもの窓からの転落が9件あり、2人が亡くなりました。5件は窓ガードの付け方、4件は窓用エアコンの付け方が原因でした。入居者が自分でエアコンを付けるために窓ガードを外すことは認められていません。

 

 

内見で確かめること

子ども連れで部屋を探すときは、間取りや家賃と一緒に、次の点を見ておきます。

  • 寝室と居間の窓に、承認された窓ガードが付いているか
  • 非常階段がどの部屋の窓に面しているか。その窓の前に家具を置かずに済むか
  • 窓用エアコンが建物の金具で固定されているか、誰が付け外しをするか
  • ガスコンロのつまみのカバーを頼めるか
  • 煙と一酸化炭素の警報器が付いているか

家族で住む部屋の選び方は家族向けの賃貸のガイドに、契約の流れはニューヨークの賃貸契約ガイドにまとめています。

 

 

まとめ

ニューヨークのアパートの窓と非常階段

 

 

窓は、転落と避難の両方から見る

ニューヨーク市では、3戸以上の集合住宅で10歳以下の子どもが住む住戸に、所有者が窓ガードを付ける義務があります。所有者は毎年1月に通知を配り、入居者は2月15日までに返します。

非常階段に出る窓には窓ガードを付けず、非常階段には物を置きません。窓用エアコンは金具で固定します。借りる方は内見で窓とエアコンを確かめ、貸す方は毎年の通知と記録を管理会社と決めておきます。

 

よくある質問

窓ガードはどんな住戸に必要ですか。

3戸以上の集合住宅で、10歳以下の子どもが住む住戸です。所有者が市の承認した窓ガードを、浴室や1階の窓を含む全ての窓に付けます。非常階段に出る窓は除きます。2026年1月からは、住戸で10時間以上過ごす子どもも住む子どもとして扱われます。

窓ガードの費用は入居者が払うのですか。

住戸の中の窓ガードは、所有者が入居者に費用を求めることができます。ただし、すでに付いている住戸に入る入居者や、改装で付け替えた分は請求できません。家賃安定化の住戸では1つにつき10ドルまでの一時的な上乗せで、1〜3年の分割も選べます。

非常階段に植木や物を置いてもよいですか。

置けません。市の火災予防の規則は、非常階段とそこへの通り道を、すぐ使える障害物のない状態に保つよう求めています。非常階段に出る窓に鍵で開ける格子を付けることも違法です。

窓用エアコンは自分で付けてもよいですか。

一般的な窓用エアコンに許可は要りませんが、本体を下から支えるか金具で固定し、木片や缶で高さを合わせないことが求められます。10歳以下の子どもがいる住戸では、窓ガードを外してエアコンを付けることはできません。所有者に設置を頼むのが確実です。

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