「アメリカで会社を作りたいが、初期費用と維持費がどのくらいかかるのか分からない」というご質問は、海外進出を検討している経営者の方から非常に多くいただきます。
2026年現在、アメリカの会社設立費用は州や会社形態によって大きく異なります。登記費用だけを見れば数百ドル(数万円)から始められますが、弁護士費用・会計士費用・年間維持費まで含めると初年度に100〜300万円程度かかるケースが一般的です。
当社代表も2019年にニューヨークで法人を設立し、現在まで事業を継続してきた経験を持っています。また、E2ビザ支援を通じて多くの方の法人設立をサポートしてきました。本記事では、アメリカ会社設立にかかる費用の全体像を余すことなく解説します。
1. 州別・会社形態別の設立費用比較
以下はアメリカ会社設立の流れとなります。

アメリカでの法人設立において、まず決めなければならないのが「どの州で登記するか」と「どの会社形態を選ぶか」です。この2点が初期費用と維持費に大きく影響します。
主要3州の設立費用
アメリカで法人設立を検討する場合、特に多くの企業が選ぶのがデラウェア州・ニューヨーク州・フロリダ州の3州です。
デラウェア州は、アメリカのスタートアップや上場企業の多くが登記先に選ぶ法人設立の定番州です。LLC設立費用は90ドル(約13,500円)と非常に安価で、法人税制・株主保護・柔軟な定款設計などで有利な点が多くあります。ただし、実際に事業をニューヨークで行う場合は、ニューヨーク州への「外国法人登録(Foreign Registration)」が別途必要になります。デラウェア法人設立の詳細は、デラウェア州法人設立ガイドをご参照ください。
ニューヨーク州のLLC設立費用は200ドル(約30,000円)です。ただし、ニューヨーク州特有のルールとして「Publication要件」があり、設立後2年間、地元紙2紙に設立公告を掲載する義務があります。この費用が1,000〜2,000ドル(約15万〜30万円)と高額になることがあるため注意が必要です。
フロリダ州は個人所得税・法人所得税がなく、LLC設立費用は125ドル(約18,750円)です。温暖な気候を活かした事業や、観光・不動産関連業には適した州です。
LLCとC-Corporationの費用の違い
会社形態として最も一般的な選択はLLC(有限責任会社)とC-Corporationの2択です。
LLCは設立・維持のコストが低く、税務面の柔軟性が高い点が特徴です。一方、C-Corporationは将来的な資金調達(VC投資・IPO)を見据える場合に適しており、E2ビザ申請との組み合わせでも多く選ばれます。設立費用自体はほぼ同額ですが、維持費用(法務・税務の複雑さ)はC-Corporationのほうが高くなる傾向があります。
2. 弁護士・会計士費用の目安

アメリカで法人を設立する際、弁護士費用と会計士費用が初期コストの大部分を占めます。
弁護士(Attorney)費用は、業務の複雑さによって大きく異なります。シンプルなLLC設立のみであれば1,500〜5,000ドル(約22万5,000〜75万円)が目安ですが、E2ビザ申請を伴う複合案件では5,000〜20,000ドル(75万〜300万円)以上になることもあります。
会計士(CPA。公認会計士)費用は、税務申告の複雑さによって異なります。年間の税務申告(法人税)で2,000〜8,000ドル(約30万〜120万円)が一般的な目安です。設立初年度は設定作業が加わるため、やや高くなる傾向があります。
なお、弁護士・会計士を選ぶ際は、日本語対応が可能か、日米両国の法律・税務に精通しているかを確認することが重要です。
3. 年間維持費の全体像

設立後も毎年発生するコストを把握しておくことが、事業継続のための資金計画において不可欠です。
| 項目 | デラウェア州LLC | ニューヨーク州LLC | フロリダ州LLC |
|---|---|---|---|
| 設立登記費用 | $90(約1.4万円) | $200(約3万円) | $125(約1.9万円) |
| Publication費用(NY特有) | 不要 | $1,000〜$2,000(約15〜30万円) | 不要 |
| 年次報告書(Annual Report) | $50(約7,500円) | $9(約1,350円) | $138.75(約2.1万円) |
| フランチャイズタックス(年間) | $300〜(約4.5万円〜) | 州所得税により変動 | なし(LLCは不要) |
| Registered Agent費用(年間) | $100〜$300(約1.5〜4.5万円) | $100〜$300(約1.5〜4.5万円) | $100〜$300(約1.5〜4.5万円) |
| 税務申告(CPA)費用(年間) | $2,000〜$8,000(約30〜120万円)共通 |
上記は設立・維持の直接費用のみ。弁護士費用・会計士費用・実際の事業運営コストは別途試算が必要です。
デラウェア州で設立しニューヨークで事業を行う場合は、デラウェアの維持費に加えてニューヨーク州への外国法人登録費用($250)と年次更新費用が加算されます。コスト面だけを見ればニューヨーク州設立のほうが安くなるケースもあるため、事業の目的・規模・将来計画に応じて慎重に選択することが重要です。
4. 設立後に必要な各種コストと手続き

法人登記が完了した後も、事業を実際に運営するためにはいくつかのコストと手続きが必要です。
EIN取得
EIN(Employer Identification Number。雇用主識別番号)は、法人の税務上の識別番号です。IRSのウェブサイトから無料で取得できます。銀行口座開設・税務申告・雇用に必須の番号であるため、設立後速やかに取得しましょう。
法人銀行口座の開設
アメリカの法人銀行口座開設は、近年マネーロンダリング対策の強化により審査が厳しくなっています。Chase・Bank of America・Citibank等の大手銀行は、設立したての法人に対してハードルが高くなっているケースがあります。
口座開設に必要な主な書類は①法人設立証明書(Articles of Organization)、②EIN確認書、③代表者のパスポート(ビザ)、④事業計画の概要です。アメリカに物理的に存在するオフィスと連絡先があると審査が通りやすくなります。
ビジネス保険
事業内容によって異なりますが、一般賠償責任保険(General Liability Insurance)は年間500〜2,000ドル(約7.5万〜30万円)が目安です。従業員を雇用する場合は労災保険(Workers’ Compensation)も必須となります。
アメリカ起業・海外進出の全体像については、アメリカ起業ガイドおよび海外進出サポートサービスもあわせてご覧ください。E2ビザとの組み合わせについてはE2ビザの取得条件をご参照ください。
まとめ。アメリカ会社設立の費用を正しく把握する

アメリカの会社設立費用は、登記費用だけを見れば数万円から始められますが、弁護士・会計士・年間維持費・各種手続きコストを含めると初年度は150万〜300万円程度の資金を見込んでおくのが現実的です。
重要なのは、費用だけでなく「どの州・どの形態が自分の事業目的に合っているか」を正確に判断することです。節約を優先して後から変更が必要になるよりも、最初に専門家に相談して最適な設計を行うほうが長期的にコスト効率が高くなります。
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