2023年度(FY2023)に米国が発給した1,040万件の非移民ビザを完全分析。就労ビザ、観光ビザ、学生ビザの内訳から、国別ランキング、日本人のE-2ビザ取得状況まで、公式データに基づいて詳しく解説します。
出典: 米国国務省 Report of the Visa Office 2023
| 総発給数 | 就労ビザ | 観光/ビジネス | 学生ビザ |
|---|---|---|---|
| 1,040万件 | 18%(約191万件) | 76%(約797万件) | 5%(約55万件) |
全体像
2023年度、米国は全カテゴリで10,438,327件の非移民ビザを発給しました。パンデミック後の回復が進み、旅行・就労・留学のすべてで需要が拡大しています。
内訳を見ると、観光・ビジネス目的のB-1/B-2ビザが全体の76%を占めています。就労ビザは約18%(約191万件)、学生・交換留学ビザが約5%(約55万件)です。
| カテゴリ | 割合 | 発給件数 |
|---|---|---|
| 観光/ビジネス (B) | 76% | 約797万件 |
| 就労ビザ | 18% | 約191万件 |
| 学生ビザ (F/J/M) | 5% | 約55万件 |
| その他 | 1% | 約10万件 |
就労ビザ: 約191万件の内訳
就労ビザは米国の労働市場とグローバル人材をつなぐ重要な役割を果たしています。2023年度は農業、建設、テクノロジー、専門サービスの人手不足を反映し、約191万件が発給されました。
| ビザタイプ | 発給数 | 比率 | 内容 |
|---|---|---|---|
| H-2A | 298,506 | 15.6% | 農業季節労働者 |
| H-1B | 188,400 | 9.8% | 専門職(IT、エンジニアなど) |
| H-2B | 134,513 | 7.0% | 非農業季節労働 |
| H-4 | 107,276 | 5.6% | Hビザ保有者の家族 |
| L-2 | 98,351 | 5.1% | Lビザ保有者の家族 |
| L-1 | 77,805 | 4.1% | 社内転勤(多国籍企業) |
| E-2 | 39,586 | 2.1% | 投資家ビザ |
| TN | 25,775 | 1.3% | USMCA専門職 |
| P-1 | 24,952 | 1.3% | アスリート/芸能人 |
| O-1 | 21,408 | 1.1% | 卓越した能力を持つ人 |
E-2ビザ: 日本人が世界トップの取得数
E-2投資家ビザの国別発給数を見ると、日本が5,892件でトップです。これは2位のドイツ(4,213件)を大きく上回っています。日本人起業家・ビジネスオーナーにとって、E-2ビザは米国でビジネスを立ち上げる最も現実的なルートです。
| 順位 | 国 | 発給数 |
|---|---|---|
| 1 | 日本 | 5,892 |
| 2 | ドイツ | 4,213 |
| 3 | イギリス | 3,845 |
| 4 | フランス | 3,401 |
| 5 | 韓国 | 3,187 |
| 6 | カナダ | 2,956 |
| 7 | メキシコ | 2,341 |
| 8 | イタリア | 1,823 |
| 9 | オーストラリア | 1,654 |
| 10 | スペイン | 1,290 |
日本は米国との条約国であり、E-2投資家ビザの取得条件を満たしています。E-2ビザは雇用主のスポンサーが不要で、自分のビジネスに投資することで取得できるため、起業家やフランチャイズオーナーに人気があります。投資額は一般的に10万ドル以上が目安で、ビジネスプランと投資の実質性が審査されます。
国別ビザ発給ランキング
全カテゴリを合わせた国別発給数では、メキシコが232万件(22.3%)で圧倒的1位。インドが138万件(13.3%)で続きます。就労ビザに限ると、インドが43万件で最多で、H-1B需要が主な要因です。
| 国 | 総発給数 | 全体比率 | 就労ビザ | 就労比率 |
|---|---|---|---|---|
| メキシコ | 2,328,664 | 22.3% | 392,220 | 16.8% |
| インド | 1,387,940 | 13.3% | 431,691 | 31.1% |
| ブラジル | 1,067,287 | 10.2% | 19,510 | 1.8% |
| コロンビア | 476,293 | 4.6% | 7,844 | 1.6% |
| 中国 | 417,008 | 4.0% | 38,295 | 9.2% |
| アルゼンチン | 291,892 | 2.8% | 4,575 | 1.6% |
| フィリピン | 285,860 | 2.7% | 14,711 | 5.1% |
| エクアドル | 274,799 | 2.6% | 1,382 | 0.5% |
| ドミニカ | 130,360 | 1.3% | 3,630 | 2.8% |
| ナイジェリア | 113,695 | 1.1% | 3,787 | 3.3% |
ニッチな就労ビザ: 日本人に有利なカテゴリ
主要ビザ以外にも、日本人に使いやすい専門カテゴリが存在します。E-1(条約貿易者)は日米間で貿易を行う企業オーナーや駐在員向けで、投資不要で取得可能です。P-3は和太鼓や日本舞踊など文化的に独自の芸能活動に使えます。
| ビザタイプ | 発給数 | 内容 |
|---|---|---|
| E-1 | 5,806 | 条約貿易者。日本企業駐在員に人気 |
| O-2 | 13,335 | O-1のアシスタント・コーチ |
| P-3 | 8,806 | 文化的に独自の芸術家。和太鼓・日本舞踊など |
| R-1 | 5,330 | 宗教労働者(牧師、僧侶など) |
| E-3 | 4,434 | オーストラリア人専門職限定 |
| Q-1 | 1,677 | 文化交流プログラム参加者 |
まとめ
1. 日本人はE-2ビザ取得数で世界トップ
5,892件は2位のドイツを大きく上回る。日米の強い条約関係が背景にあります。
2. 季節労働が就労ビザの主力
H-2AとH-2Bで就労ビザの約23%を占め、農業・観光業の人手不足を反映しています。
3. インドがH-1Bを支配
インドの就労ビザ43万件のほとんどがH-1B。IT・エンジニア需要が圧倒的です。
4. 投資家ビザは数は少ないが影響力大
E-2(39,586件)は直接投資と雇用創出を通じて、数字以上の経済的インパクトがあります。
5. ニッチカテゴリは競争が少ない
E-1、P-3、R-1は利用者が限られる分、競争が少なく処理も速い場合があります。
データ出典: 米国国務省領事局 — Report of the Visa Office, Fiscal Year 2023. Table XV-B (非移民ビザ発給数) および Table XVI (国別発給数)
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