Reinvent NY Inc代表の小野寺です。2026年現在、アメリカ永住権取得の手段として注目を集めているEB-5投資永住権について、ニューヨークで移住支援事業を営む観点から詳しく解説いたします。
私自身、2019年にE2ビザでニューヨークに移住し、その後7年間にわたって数百名のお客様の米国移住をサポートしてまいりました。その経験の中で、EB-5投資永住権は確実性と投資効果の両面で優れた選択肢であることを実感しています。
本記事では、EB-5プログラムの仕組みから最新の投資金額、申請プロセス、そして成功のポイントまで、現地で実際に支援を行う専門家の視点で包括的にご紹介してまいります。
1. EB-5投資永住権の基本概要

EB-5プログラムとは何か
EB-5投資永住権は、米国移民局(USCIS)が運営する投資家向け永住権プログラムです。1990年に議会で制定され、アメリカ経済への投資と雇用創出を目的として設立されました。
このプログラムの最大の特徴は、投資による確実な永住権取得ルートを提供している点です。学歴や職歴、英語力の要求がなく、純粋に投資金額と事業計画の妥当性で審査されます。
2026年現在、年間約10,000件のEB-5永住権が発給されており、そのうち約85%が中国系投資家、約8%が韓国系投資家によって占められています。日本からの申請は年間50-100件程度と、まだまだ少数です。
EB-5プログラムの2つのカテゴリー
EB-5プログラムには大きく分けて2つの投資形態があります。
①Direct EB-5(直接投資)。投資家が自ら新規事業を立ち上げ、直接10名以上の雇用を創出する方法です。投資額は80万ドル(約1億2,000万円)から105万ドル(約1億5,750万円)となります。
②Regional Center EB-5(地域センター投資)。政府認定の地域センターが運営するプロジェクトに投資する方法です。間接的な雇用創出も認められるため、より確実性が高いとされています。
実際の申請では、約95%の投資家が地域センター方式を選択しています。管理の簡便性と成功確率の高さが理由です。
最新の投資金額(2026年現在)
2019年の法改正により、投資金額が大幅に引き上げられました。現在の最低投資額は以下の通りです。
| 投資先 | 投資金額(ドル) | 投資金額(円) | 備考 |
|---|---|---|---|
| TEA地域 | 800,000ドル | 1億2,000万円 | 失業率が高い地域・人口密度が低い地域 |
| 非TEA地域 | 1,050,000ドル | 1億5,750万円 | |
| インフラプロジェクト | 800,000ドル | 1億2,000万円 | 政府指定のインフラ事業 |
| 既存事業の拡張 | 800,000ドル~ | 1億2,000万円~ | 雇用を40%以上増加させる場合 |
※TEA(Targeted Employment Area)。政府指定の優遇対象地域
2. EB-5申請の条件と要件

投資家本人の要件
EB-5申請において、投資家本人に求められる要件は極めてシンプルです。年齢、学歴、職歴、英語力に関する制限は一切ありません。
ただし、投資資金の適法性を証明する必要があります。具体的には、給与所得、事業収入、不動産売却益、株式売却益、相続・贈与など、すべての資金源について税務申告書や銀行取引記録で立証しなければなりません。
私がサポートしたケースでは、IT企業を経営されていたお客様が会社売却益を原資として申請し、非常にスムーズに進行いたしました。
雇用創出要件の詳細
EB-5プログラムの核心はアメリカ人労働者のための雇用創出です。投資事業は2年間で最低10名のフルタイム雇用を創出しなければなりません。
雇用の定義は以下の通りです。
①週35時間以上の勤務(フルタイム)
②米国市民または永住権保持者である必要
③投資家本人および家族は雇用数にカウント不可
④2年間の継続雇用が必要
地域センター方式の場合、直接雇用に加えて間接雇用(関連産業での雇用創出)も認められます。これにより、より現実的な雇用創出計画を立てることが可能になります。
事業の継続要件
投資事業は最低5年間の継続運営が義務付けられています。この期間中に事業が失敗した場合、永住権が取り消される可能性があります。
そのため、地域センター選びは極めて重要です。過去の実績、プロジェクトの実現可能性、運営チームの経験を詳細に検討する必要があります。
3. EB-5申請プロセスと審査期間

申請の流れ(全体像)
EB-5申請は複数段階のプロセスを経て進行します。全体で3-5年程度の期間を要するため、長期的な視点での計画が必要です。
まず、I-526E請願書(新規事業家請願書)を移民局に提出します。これは投資計画と資金源の適法性を審査する段階です。審査期間は現在20-30ヶ月程度となっています。
I-526Eが承認されると、次に国家ビザセンター(NVC)での書類審査、そして最終的に在日米国領事館での面接となります。
条件付き永住権から正式永住権への移行
EB-5で最初に取得するのは2年間の条件付き永住権です。この期間中に雇用創出実績を積み上げ、I-829請願書で条件解除を申請します。
I-829申請時には以下の証拠提出が必要です。
①投資資金が継続的に事業に投入されている証明
②10名以上の雇用が実際に創出された証明
③事業が継続的に運営されている証明
④投資家が事業運営に積極的に関与している証明
条件解除が承認されれば、正式な永住権(グリーンカード)が発行され、その後は更新の必要がない無期限の永住権となります。
プレミアム処理サービスの活用
2023年から、I-526E申請においてもプレミアム処理サービスが利用可能になりました。追加料金2,500ドル(約37万5,000円)で、審査期間を45日以内に短縮できます。
ただし、プレミアム処理は審査の迅速化のみで、承認を保証するものではありません。書類の完璧な準備と綿密な事業計画が何より重要です。
4. 成功事例と注意点

地域センター選択の重要性
私がサポートした成功事例では、地域センターの実績と透明性が決定的な要因となっています。特に重要なのは以下の点です。
不動産開発業を営まれていたお客様のケースでは、フロリダ州の大型商業施設開発プロジェクトを選択されました。既に建設許可が取得済みで、大手ゼネコンとの契約も完了していたため、リスクが最小限に抑えられていました。
投資から18ヶ月後にはI-526Eが承認され、現在は条件付き永住権でマイアミにお住まいです。お子様の教育環境にも非常に満足されているとのことです。
よくある失敗パターンと対策
一方で、EB-5申請には注意すべきリスクも存在します。最も多い失敗例は不適切な地域センターの選択です。
過去には以下のような問題が発生しています。
①プロジェクトの資金調達が完了せず、建設が開始されない
②雇用創出計画が過度に楽観的で、実際の雇用が不足
③地域センターの運営会社が途中で経営破綻
④TEA指定が途中で取り消され、追加投資が必要になる
これらのリスクを避けるためには、複数の専門家による徹底的なデューデリジェンスが不可欠です。
税務上の考慮事項
EB-5投資家は条件付き永住権取得と同時に、米国の税務上の居住者となります。つまり、全世界所得に対してアメリカでの納税義務が発生します。
特に日本の金融資産については、FBAR(外国銀行口座報告書)やForm 8938(外国金融資産報告書)の提出義務があります。違反した場合、高額な罰則が科される可能性があります。
投資実行前に、必ず国際税務に詳しい専門家との相談をお勧めいたします。
まとめ

EB-5投資永住権の総合評価
EB-5投資永住権は、確実性と効率性を重視する投資家にとって優れた選択肢です。学歴や職歴に関係なく、純粋に投資能力で永住権を取得できる点は他の移民カテゴリーにない大きなメリットといえます。
投資金額は80万ドル(約1億2,000万円)からと決して安くはありませんが、アメリカでの教育機会、ビジネス環境、そして次世代への資産継承を考慮すれば、十分に合理的な投資といえるでしょう。
現在の審査期間は3-5年程度となっていますが、移民局では処理能力の向上に継続的に取り組んでいるため、今後短縮される可能性もあります。
成功のための重要ポイント
EB-5申請を成功させるためには、以下の点が特に重要です。
まず、投資資金の適法性証明を完璧に準備することです。税務申告書、銀行取引記録、事業契約書など、すべての書類を英訳付きで整備する必要があります。
次に、実績豊富な地域センターの選択です。過去の成功実績、プロジェクトの具体性、運営チームの経験を総合的に評価し、リスクを最小化することが重要です。
最後に、専門家チームとの連携です。移民弁護士、会計士、投資アドバイザーなど、それぞれの専門分野でトップクラスの professionals との協力が成功の鍵となります。
Reinvent NYによるサポートについて
私たちReinvent NYでは、2019年からEB-5を含む各種アメリカ移住プログラムのサポートを行っております。これまでに数十名のお客様の永住権取得をお手伝いし、高い成功率を維持しています。
EB-5投資永住権にご興味をお持ちの方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。初回相談では、お客様の具体的な状況を伺い、最適な投資戦略をご提案させていただきます。
アメリカでの新しい人生への第一歩を、私たちと一緒に踏み出しませんか。皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。


















