2026年2月27日 Satoshi Onodera

EB-5リージョナルセンターとは|投資型グリーンカード取得の仕組みと申請の流れ

Reinvent NY代表の小野寺です。

ニューヨークでE-2ビザのご支援を続ける中で、「将来的にはグリーンカードを取得したい」「子どもをアメリカで育てたい」というご要望を、非常に多くいただきます。

E-2ビザはあくまで非移民ビザであり、更新を続けることはできても、それだけではグリーンカード(永住権)には直結しません。一方で、EB-5投資移民ビザは、適格な投資を通じてグリーンカードを直接申請できる唯一のルートです。

EB-5には「Direct投資(直接投資型)」と「リージョナルセンター(Regional Center)経由」の2種類があります。今日特に富裕層の日本人から注目を集めているのが、リージョナルセンタープログラムです。2022年のEB-5改革・誠実性法(EB-5 Reform and Integrity Act of 2022)によって恒久プログラムとして再承認されたこの制度は、投資家自身がビジネスを直接運営しなくとも、認定機関が管理するプロジェクトへの出資を通じてグリーンカードを申請できる仕組みです。

本記事では、EB-5リージョナルセンタープログラムの概要・投資条件・申請の流れ・リスクと注意点を、ニューヨーク在住の立場から詳しく解説します。最後までお付き合いいただけますと幸いです。

 

1. EB-5リージョナルセンタープログラムとは

EB-5リージョナルセンタープログラムとは|ニューヨーク不動産開発

EB-5ビザは、1990年に米国議会が制定した移民投資家プログラムを根拠とする移民ビザです。その中の一区分として、USCIS(米国市民権・移民局)公式EB-5プログラムのリージョナルセンタープログラムが1992年にパイロット事業として開始されました。

リージョナルセンターとは、USCISから公式に認定を受けた民間の投資運営機関です。不動産開発、ホテル建設、インフラ整備といった大規模プロジェクトを企画・運営し、複数の海外投資家から資金を集めて事業に充当する仕組みです。2026年現在、全米に数百のリージョナルセンターが認定されており、プロジェクトの内容・規模・所在地はさまざまです。

投資家にとっての最大のメリットは、自らビジネスを経営する必要がない点です。E-2ビザでは、投資家自身が事業のオーナーとして能動的に経営参加することが求められますが、EB-5リージョナルセンター経由では「出資」という形での間接参加が認められています。日本で事業を継続しながら、アメリカへの永住を目指す方に特に適した制度です。

また雇用創出の条件においても大きな違いがあります。Direct投資では10名以上の米国人雇用を直接創出しなければなりませんが、リージョナルセンター経由では経済波及効果(間接雇用・誘発雇用)を含む間接的な雇用創出がカウントされます。大規模な商業施設や集合住宅の開発プロジェクトであれば、この要件を満たすことは比較的容易です。

2022年のEB-5改革・誠実性法により、以前は一時的な措置であったリージョナルセンタープログラムが恒久的な制度として法定化されました。あわせて、投資家保護のための第三者監査・年次報告義務・コンプライアンス強化も義務付けられ、制度の透明性が大幅に向上しています。

 

2. 投資金額と雇用創出の条件

EB-5投資金額と雇用創出の条件

EB-5リージョナルセンタープログラムに必要な最低投資額は、プロジェクトの所在地によって2段階に設定されています。それぞれの条件を見ていきます。

対象雇用地域(TEA)内のプロジェクト
TEA(Targeted Employment Area)とは、農村地域または失業率が全国平均の1.5倍を超えるエリアを指します。TEA内のプロジェクトへの最低投資額は80万ドル(約1億2,000万円)です。ニューヨーク市内にも一部TEA指定エリアが存在しており、都市型不動産開発プロジェクトでも活用されています。
非TEAのプロジェクト
TEA以外のエリアに所在するプロジェクトの場合、最低投資額は105万ドル(約1億5,750万円)となります。マンハッタン中心部や富裕エリアのプロジェクトはこちらに該当することが多いです。

雇用創出については、投資によって米国内で10名以上のフルタイム雇用を創出・維持することが必要です。リージョナルセンター経由の場合、認定された経済モデルによる間接雇用や誘発雇用も含めてカウントされるため、大規模プロジェクトではこの要件をクリアすることが容易です。

以下に、Direct投資とリージョナルセンター投資の主な違いをまとめました。

EB-5 Direct投資とリージョナルセンター投資の比較(2026年現在)
項目 Direct投資 リージョナルセンター
最低投資額(TEA内) 80万ドル(約1億2,000万円) 80万ドル(約1億2,000万円)
最低投資額(非TEA) 105万ドル(約1億5,750万円) 105万ドル(約1億5,750万円)
雇用創出カウント方法 直接雇用のみ 直接・間接・誘発雇用を含む
経営への参加 能動的な経営参加が必要 受動的な出資のみでも可
プロジェクト管理 投資家自身が管理 リージョナルセンターが管理
向いているケース 自社事業をアメリカで展開したい方 経営参加なしでグリーンカードを取得したい方

投資条件は2026年現在のUSCIS規則に基づきます。最新情報は必ず移民弁護士にご確認ください。

 

3. 申請から永住権取得までの流れ

EB-5申請から永住権取得までの流れ

EB-5リージョナルセンター経由でのグリーンカード取得は、複数のステップを経ます。申請期間を含めると総じて4〜6年程度のプロジェクトになりますが、日本国籍の方はビザ番号の優先日待機がほとんどなく、中国・インド国籍の申請者と比べて大幅に有利な状況にあります。それでは申請の流れを確認していきましょう。

リージョナルセンターとプロジェクトの選定
USCISから認定を受けた適格なリージョナルセンターと、投資するプロジェクトを選びます。不動産開発・ホテル・商業施設・インフラなど、プロジェクトの種類は多岐にわたります。財務内容・実績・ディベロッパーの信頼性を移民弁護士とともに精査することが重要です。
資金の投資実行
選定したプロジェクトに対し、80万ドル(約1億2,000万円)または105万ドル(約1億5,750万円)を投資します。資金は「At Risk(元本保証なし)」の状態で投資されることが条件であり、定期預金のような元本保証はありません。
I-526E請願書のUSCIS提出
リージョナルセンター経由の申請にはI-526E(移民請願書)を使用します(2022年改革以前の「I-526」から変更)。審査期間は現在24〜48ヶ月程度が目安ですが、申請件数の増減によって変動します。
ビザ申請または身分調整の手続き
I-526E承認後、アメリカ国外にいる場合は米国大使館でのDS-260(移民ビザ申請)を経て入国します。すでに有効な身分でアメリカ国内にいる場合は、I-485(身分調整申請)を同時並行で進めることも可能です(Concurrent Filing)。
条件付き永住権(グリーンカード)の取得
審査通過後、最初は2年間の条件付きグリーンカードが発行されます。この期間中も米国内外の渡航は自由に行えます。
I-829請願書の提出——条件解除
条件付きグリーンカードの有効期限切れの90日前から、I-829(条件解除請願書)を提出します。投資の維持・雇用創出要件の充足が確認されれば、恒久的な永住権へと切り替わります。

以上の流れで見てきたように、EB-5は長期プロジェクトです。I-526E申請後も資金は基本的に拘束されるため、ライフプランとキャッシュフローへの影響を事前に計算した上で進めることをお勧めします。

 

4. リスクと注意点——一方で知っておくべきこと

EB-5リージョナルセンターのリスクと注意点

EB-5リージョナルセンターには大きなメリットがある一方で、率直にお伝えしなければならない注意点も存在します。投資である以上、リスクを正確に把握した上で判断することが不可欠です。

まず、投資元本は保証されていません。EB-5は証券投資の一形態であり、プロジェクトが計画通りに進まなかった場合や、リージョナルセンターが廃止・破産した場合、資金の一部または全部が回収できないリスクがあります。実際、過去には詐欺的なリージョナルセンターが問題となり、多数の外国人投資家が損失を被る事例も起きています。2022年の法改正では、このリスクへの対策として第三者監査義務や投資家通知義務が強化されましたが、リスクそのものがゼロになったわけではありません。

次に、USCIS審査期間の長さです。I-526E提出後から承認まで2〜4年かかることもあり、その間は資金を引き出すことができません。またI-829の審査にも追加の時間がかかるため、最終的な永住権取得まで5〜7年かかるケースも珍しくありません。

また、プロジェクト自体のデュー・デリジェンスが欠かせません。USCISの認定はリージョナルセンターの「適格性」を確認するものであって、プロジェクトの収益性や安全性を保証するものではありません。財務報告書・過去の実績・ディベロッパーの信用情報を専門弁護士とともに精査することが、投資家保護の観点から必須です。

「それでもEB-5リージョナルセンターは有効な選択肢か」という問いに対して、私の答えは「条件が合う方には、非常に有効な選択肢」です。特に、自らビジネスを経営する負担を避けながらグリーンカードを取得したい方、日本でのビジネスを継続しながら並行してアメリカ永住を目指したい方、お子様のアメリカ市民権取得(永住権取得後5年で申請可能)を視野に入れている方にとって、EB-5の価値は明確です。

リスクは適切な情報収集と信頼できる専門家の支援によって最小化できます。感情的に敬遠するのではなく、プロとともに冷静に判断することが重要です。

 

まとめ

EB-5リージョナルセンタープログラムは、アメリカの認定機関が管理するプロジェクトへの投資を通じ、グリーンカードを直接取得できる移民投資ビザです。2026年現在、日本国籍の申請者はビザ番号の待機がほぼなく、比較的スムーズに手続きを進められる環境にあります。

本記事のポイントをまとめると以下の通りです。

①投資額はTEAエリアで80万ドル(約1億2,000万円)、非TEAで105万ドル(約1億5,750万円)
②リージョナルセンター経由であれば、自身でビジネスを経営する必要なし
③雇用創出は間接・誘発雇用を含めてカウント可能
④申請から恒久永住権まで、順調に進んでも4〜6年程度のプロジェクト
⑤元本保証はなし。プロジェクトとリージョナルセンターの精査が必須

E-2ビザで事業を運営しながら、並行してEB-5申請を進めるケースも実際にあります。どちらが最適かは、ご家族の状況・資産規模・アメリカでのビジネス計画によって異なります。ご自身のケースに合ったルートを一緒に検討させていただければ幸いです。

当社のE-2ビザ・グリーンカード(EB-5)支援サービスの詳細はこちらをご覧ください。実際にビザ取得を実現されたお客様の事例もあわせてご確認ください。

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お客様の成功事例

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