アメリカで永住権(グリーンカード)を取得する方法はいくつかありますが、その中でもEB-3ビザは雇用ベースの永住権カテゴリとして幅広い職種の方に門戸が開かれています。EB-3は専門職だけでなく、熟練労働者や非熟練労働者にも申請の道があるため、他のビザカテゴリに比べて対象者が多いのが特徴です。一方で、申請にはスポンサー企業の確保や労働許可証(PERM)の取得など複雑な手続きが必要になります。本日はEB-3ビザで永住権を取る全手順と費用について見ていきましょう。
EB-3ビザの概要と3つのサブカテゴリ

EB-3ビザは、USCIS(米国市民権・移民局)が管轄する雇用ベース第3優先カテゴリの永住権です。年間の発給上限は約40,000件で、世界中からの申請者が対象になります。
3つのサブカテゴリの違い
EB-3にはSkilled Workers(熟練労働者)、Professionals(専門職)、Other Workers(非熟練労働者)の3つのサブカテゴリがあります。熟練労働者は2年以上の職務経験か訓練が必要で、専門職は米国の4年制大学卒業相当の学位が求められます。非熟練労働者(EW)は学歴や経験の要件が最も緩い反面、ビザの待ち時間が長くなる傾向にあります。
どのカテゴリに該当するかは、スポンサー企業が米国労働省(DOL)に提出する求人内容によって決まります。自分の経歴とポジションの要件を照らし合わせることが重要です。
| サブカテゴリ | 主な要件 | 対象職種の例 |
|---|---|---|
| Skilled Workers | 2年以上の経験・訓練 | シェフ、電気技師、メカニック |
| Professionals | 4年制大学の学位 | 会計士、教師、マーケター |
| Other Workers (EW) | 2年未満の経験で可 | 食品加工、清掃、介護補助 |
EB-3ビザ申請の全手順を5ステップで解説

EB-3ビザの取得は複数のステップに分かれており、全体で2年から5年以上かかるケースもあります。ここでは主要な5つのステップを順番に説明します。
ステップ1:スポンサー企業の確保
EB-3ビザの申請には、米国内の雇用主がスポンサーになる必要があります。スポンサー企業は、そのポジションに適した米国人労働者が見つからないことを証明しなければなりません。
ステップ2:PERM労働許可証の取得
スポンサー企業はDOLのFLAGシステムを通じてPERM(Program Electronic Review Management)を申請します。この過程で求人広告の掲載や米国人労働者の募集活動が義務づけられます。PERMの審査期間は通常6か月から18か月程度です。
ステップ3:I-140移民請願書の提出
PERMが承認されたら、スポンサー企業がI-140(Immigrant Petition for Alien Workers)をUSCISに提出します。プレミアムプロセッシングを利用すれば15営業日以内に審査が完了します。通常審査の場合は6か月から12か月ほどかかります。
ステップ4:優先日とビザ番号の待機
I-140が承認された後、国務省のビザブレティンで自分の優先日(Priority Date)がカレントになるのを待ちます。出身国によって待ち時間が大きく異なり、インドやフィリピン出身者は数年以上かかることがあります。日本国籍の場合は比較的短期間でカレントになる傾向があります。
ステップ5:I-485またはコンシュラープロセッシング
ビザ番号が利用可能になったら、米国内にいる場合はI-485(ステータス変更申請)を提出します。米国外にいる場合は在外米国大使館でのコンシュラープロセッシングを選択します。I-485の審査期間は8か月から14か月が目安です。
EB-3ビザ取得にかかる費用の内訳

EB-3ビザの取得には、政府への申請料と弁護士費用が主なコストになります。以下に主な費用の内訳をまとめます(2026年3月現在、1ドル=155円換算)。
政府申請料と弁護士費用
PERM申請自体には政府への手数料はかかりませんが、求人広告の掲載費用として2,000ドルから4,000ドル(約310,000円から620,000円)程度が必要です。I-140の申請料は715ドル(約110,825円)で、プレミアムプロセッシングを利用する場合は追加で2,805ドル(約434,775円)がかかります。
I-485の申請料は1,440ドル(約223,200円)で、これには指紋採取費用が含まれています。コンシュラープロセッシングの場合、国務省の移民ビザ申請料は345ドル(約53,475円)です。
移民弁護士の費用はケースの複雑さによりますが、PERM申請からグリーンカード取得まで一括で8,000ドルから15,000ドル(約1,240,000円から2,325,000円)が相場です。合計すると、EB-3ビザの取得には概ね15,000ドルから25,000ドル(約2,325,000円から3,875,000円)程度を見込んでおくとよいでしょう。
EB-3ビザ申請で知っておくべき注意点

EB-3ビザの申請を成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
スポンサー企業の安定性を確認する
EB-3の審査では、スポンサー企業がそのポジションの給与を支払う経済的能力があるかどうかが審査されます。USCISのポリシーマニュアルでは、企業の年間売上や純資産が基準を満たしているかを確認するよう求めています。申請中にスポンサー企業が倒産したり、ポジションがなくなった場合、申請は却下される可能性があります。
Prevailing Wage(一般賃金)の重要性
PERM申請の前に、DOLのOnline Wage LibraryでPrevailing Wage(一般賃金)の決定を受ける必要があります。提示する給与がこの金額を下回ると申請は認められません。一般賃金の決定には4か月から8か月かかるため、早めの申請が重要です。
転職時のリスクと対策
I-140が承認された後でも、I-485の審査が180日を超えていなければ転職にはリスクが伴います。180日を超えた段階でポータビリティが認められ、同一または類似の職種であれば転職が可能になります。計画的なキャリア判断が求められます。
まとめ

EB-3ビザは、専門職から非熟練労働者まで幅広い職種の方がアメリカ永住権を取得できる有力なルートです。PERM申請からI-140、I-485と複数のステップを踏む必要があり、全体で2年から5年以上の期間と15,000ドルから25,000ドル程度の費用がかかります。
成功のために押さえるべきポイント
申請を成功させるには、信頼できるスポンサー企業の確保、正確な書類の準備、そして経験豊富な移民弁護士のサポートが不可欠です。特にPrevailing Wageの決定やPERM申請の求人プロセスには時間がかかるため、早い段階から準備を始めることをお勧めします。
私たちReinvent NYでは、EB-3ビザをはじめとする雇用ベースの永住権に関するご相談を承っています。ビザの要件確認から信頼できる移民弁護士のご紹介まで、一貫したサポートを提供しています。まずはお気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。
※当社は移民法上の法的申請代理を行う法律事務所ではありません。当該業務は移民弁護士が担当します。


















