みなさん、こんにちは。代表の小野寺です。
2025年1月20日、ドナルド・トランプ氏が首都ワシントンにて第47代アメリカ合衆国大統領に再任され、トランプ大統領(第二次)が正式にスタートしました。
トランプ大統領が就任演説を行い、既に新政策について多くを言及しています。
「移民政策やビザ制度に大きな変化が起こるのでは?」とお考えの方・特にアメリカ移住を検討されている方はご不安な気持ちもあるかと存じます。
本記事では、主な政策変更やその影響を詳しく分析し、NY移民弁護士の見解も入れつつ、アメリカビザ取得や移住を検討する方が知っておくべきポイントを解説します。
トランプ氏はアメリカファースト政策
まず大前提として、トランプ氏はアメリカファースト政策であり、アメリカ国民を第一に優先するということを基本路線としています。
その上で、不法移民(Illegal Immigrants)を徹底規制し、自国民を守ると明確に宣言しており、移民関連の問題が大統領選の主要テーマとなる程深刻なアメリカにおいては、この点は大きく注目されていました。
トランプ大統領は就任演説で移民政策に関して次のように述べました。
“America first does not mean America alone, but we will protect our borders like never before.”
(アメリカ第一主義は孤立を意味しないが、かつてないほど国境を守る。)
(引用元: New York Times, 2025)
この方針は、移民流入の抑制と米国労働者の保護を目的としていますが、移住を目指す人々にとってはさらなる課題をもたらすことになります。
しかし同時にこのようにも述べています。
トランプ新大統領就任で、アメリカビザ取得が難しくなるんじゃないかと懸念される方もいらっしゃいますが、グレーなことせず、合法的にしっかりとしたプロセスで進めればまず問題ないです
“I’m fine with legal immigration. We need people. I’m absolutely fine with it.”pic.twitter.com/497gqBnB6m
— Satoshi Onodera 🇺🇸 (@satoshi_gfa18) January 21, 2025
“I’m fine with legal immigration. We need people. I’m absolutely fine with it.”
(正規移民に関しては、アメリカに必要であり、好きだ。彼らはもちろんOKだ。)
つまり、間違った形やグレーな方法を取らず、正規の形で申請すれば大きく心配することはないと考えます。
アメリカ国境警備強化と移民規制の厳格化
トランプ政権は、不法移民の流入を防ぐために国境警備を大幅に強化する方針を明らかにしています。
以下の具体的な政策が発表されています。
メキシコ国境の壁建設再開と、ドローンやセンサーなど新技術の導入
トランプ大統領は就任演説で次のように述べました。
“We will finish what we started – the great wall at our southern border will be completed, and our country will be safer than ever before.”
(私たちは始めたことを終える。南部国境の偉大な壁を完成させ、かつてないほど安全な国にする。)
(引用元: White House Official Transcript, 2025)
この発言を受け、アメリカ南部国境の壁建設プロジェクトが再開されるとともに、ドローンやセンサーを活用した最新の監視技術が導入される予定もあり、また、国境警備隊の増員と資金の追加拠出も行われる見込みです。
また、メキシコ国境に非常事態を宣言し、軍を配備する計画も進められています。この措置は、移民の流入を即時に抑制することを目的としています。
ビザプログラムの改革
本記事をお読みになっている方の一番のご関心は、ビザのケースかもしれません。具体的に解説いたします。
H-1Bビザの厳格化
まずトランプ政権は、H-1Bビザプログラムの改革を掲げています。このビザは高度な専門知識を持つ外国人労働者が対象ですが、次のような変更が検討されています。
年収要件の引き上げ:一定の収入以上でないと申請が認められなくなる可能性があります。
申請プロセスの複雑化:雇用主に対する審査が強化され、労働市場への影響をより厳しくチェックすることが予想されます。ビザ申請においては、この点が影響があることと思います。
ただ、H-1Bは元々その取得者の大半が、インドと中国からの方で、具体的にSTEMと呼ばれるコンピュータサイエンス・数学関連などの特殊技能を持った方が近年では多くの割合を占めているものです。
2枚の写真は、2016年と2020年の比較です。発給数は増え、インドと中国が変わらず多いことがわかります。
Googleやメタ、Amazonなどのビッグテックを支えているのは、これらアジアの国出身の優秀なエンジニアの存在であると、話題に上ることが多いのも事実です。日本人への影響も多少ある可能性があります。
まずこれにより、特にスタートアップ、中小企業における外国人雇用が困難になると懸念されています。
続いて、グリーンカードの代表例であるEB-5について。
EB-5投資家ビザの変更
EB-5ビザは、高額投資を通じて米国永住権を取得できるプログラムですが、最低投資額が(年々引き上げられており)さらに引き上げられる予定があります。また、地方プロジェクトへの投資に対する優遇措置が削減される可能性もあります。これにより、取得がより困難になるかもしれません。
トランプ政権、E2ビザへの影響は?
この点に関しては、ニューヨークで25年以上E2ビザ取得支援を行っている移民弁護士Yaniv氏、また同氏とともに2019年よりビザ取得を支援している当社の知見も踏まえてお話しさせていただきます。
まず、トランプ氏が掲げている不法移民の定義について、多くの場合、日本人は当てはまることが少ないと言えるでしょう。問題を多く起こしている特定の国・エリアに該当する国は他の国が主に挙げられています。この点、(不法なことをしていない限り)多くを心配しすぎる必要はないのではと思います。
ただし、どの国出身であるかにかからず、不正行為とされるものはより厳格に処理される可能性が高くなります。
次に、枠が狭くなるかというとそういったことも考えづらく、E2ビザとは、アメリカに「投資、雇用、納税」という3つの貢献をすることで取得できるものとなります。
詳細は以下の動画もご覧ください。
元々E2ビザにはH-1Bビザなどのような抽選もなく、発給数に上限がないことから、これらの点でもE2ビザへの影響は限定的と考えられます。
しかしながら、申請書類や面接、およびビザ取得に関するプロセス、また入国審査などにおいては、より厳格なセキュリティと審査(スクリーニング)がされることは可能性としてあると言えるでしょう。
この点、今まで以上に、しっかりとした対策が求められ、実態に即したビザ申請が必要となります。
当社では、250ケース以上のビザ取得支援をサポートしており、お困りの方はまず一度ご相談ください。
アメリカ出生における市民権取得の制限
トランプ政権は、家族を基盤とするビザ発行の見直しを進めています。
これまでは、合法的なビザで滞在する(E / L / O / B / F ビザなど)親がアメリカで子を出産する場合、その子はアメリカ国籍ならびに永住権を取得する権利が等しく与えられていましたが、これが早ければ2025年2月19日以降、廃止される可能性が高く出ています。
大統領令に署名がされており、基本この路線で議論が進められていきますが、申し立てが連邦裁判所に提出されています(そもそものアメリカでの出生時に市民権を取得できる権利が与えられることについては、アメリカ合衆国憲法修正第14条第1項で定められていました)
これには、元来からお子さんを出産する前にアメリカへ渡り、アメリカで出産。一部の国は、成人する際にアメリカ国籍を選ぶことで徴兵制を免れることができる、などのメリットもあり、特定国で業者らが広まった時期があった、と15年ほど前に私がアメリカ留学していた際から聞いたことがありました。
新政権は発行数の削減を提案しているということであり、これにより、家族再会を目的とした移住が難しくなる可能性があります。
また、直接日本には関係が少ないかもしれませんが、トランプ大統領は、難民プログラムの90日間の停止および、亡命申請をアメリカ国内ではなく地域処理センターで行う方針を発表しました。
これにより、迅速な審査が実現し、処理の迅速化を目指す一方で、却下率が上昇する可能性があります。また、収容施設の混雑緩和が予想され、国境付近の収容施設にかかる負担が軽減されるなど予想されています。
引用元:Whitehouse
アメリカ移住、今後の対策
以上のように、今後4年間はこれまで2020年から2024年までとは、変化があるものと考えられます。
まだまだ始まったばかりのトランプ新政権、より多くのことが変わっていくかもしれません。
入国に関しても、より厳格に審査される可能性があり、これまでエスタやビザなしで出張ベースで多く渡航していた方も、ビザの取得をおすすめいたします。(E2ビザ、Bビザなどご相談ください)
E2ビザに関しては、アメリカに貢献する限り、取得の可能性があります。
早めの行動、本当に必要で正しい情報の取得、そして計画的な対策を行うことでビザ取得は可能となります。
私は2019年、前回のトランプ政権下で、5年間のE2ビザを当時30歳で一発で取得しました。その際も困難はいくつかありましたが、今その経験を踏まえ、多くのお客様のアメリカ移住・E2ビザ取得をサポートさせていただいていることにとてもやりがいを感じており、取得まで、魂を込めご支援させていただきます。
アメリカ移住をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
<本記事の監修者>
Reinvent NY代表:小野寺 聡
NTTデータ、メルカリでの8年間の勤務を経て、2019年に当社創業。E2ビザ(投資家ビザ)を全額自己資本で取得し、NYに移住。2019年よりE2ビザ取得サポート、不動産事業を行う。在米9年目、ニューヨーク日本商工会議所特別運営メンバー。
パートナー弁護士:YANIV LAVY
イスラエル出身。イースト・ロンドン大学ロースクール卒業後、ロンドン、ニューヨークで弁護士として長く従事し、多くの企業の法律支援および移民弁護士として数多くの移民をサポート。E2ビザ、グリーンカード取得において20年超の圧倒的な実績があり、ニューヨークを中心とする強固なユダヤ教ネットワークを持つ。
アメリカ移民弁護士協会会員。2020年より当社とエクスクルーシブ提携し、日本を中心とするアジア地域の戦略的パートナー支援を共に行っている。
ビザ申請サポートメンバー:小田(東京)