2026年4月12日 Satoshi Onodera

USCIS審査遅延の実情と対策|2026年最新の処理期間・原因・解決方法を詳しく解説

アメリカ移民局(USCIS)の審査遅延は、2026年4月現在においても多くの申請者が直面する深刻な問題となっています。特にコロナ禍以降、処理期間の長期化が顕著となり、ビザ申請者やグリーンカード取得希望者に大きな影響を与えているのが現状です。

実際に、我々が支援するお客様からも「申請から1年以上経過しても何の連絡もない」「予定していた転職や転居ができない」といったご相談を数多くいただいています。このような状況は、申請者の生活設計やキャリアプランに大きな支障をきたしているのが実情です。本日はUSCIS審査遅延について詳しく見ていきましょう。

 

 

 
 

1. USCIS審査遅延の現状

1. USCIS審査遅延の現状

USCIS(U.S. Citizenship and Immigration Services)の審査遅延は、公式発表によると2020年以降急激に悪化しています。2026年4月現在、主要な申請カテゴリーにおける処理期間は大幅に延長されており、申請者にとって深刻な状況となっています。

 

 
 

主要申請カテゴリーの処理期間

現在のUSCIS処理期間は以下のような状況となっています。特に注目すべきは、従来よりも大幅に期間が延長されている点です。

 

申請タイプ 2019年処理期間 2026年処理期間 遅延倍率
I-485(永住権調整) 8-12ヶ月 18-36ヶ月 約3倍
I-130(家族請願) 10-13ヶ月 24-41ヶ月 約3.2倍
N-400(市民権申請) 10-14ヶ月 18-24ヶ月 約2倍
I-765(労働許可) 3-5ヶ月 8-18ヶ月 約3.6倍

 

 

※上記は、USCIS公式処理期間チェックツールに基づく2026年4月現在のデータです。

 

 
 

地域別の処理格差

さらに深刻な問題として、地域による処理期間の格差が拡大していることが挙げられます。アメリカ移民弁護士協会(AILA)の2026年報告書によると、同じ申請タイプでも処理オフィスによって大幅な差が生じています。

 

例えば、I-485申請の場合、ネブラスカサービスセンターでは平均22ヶ月であるのに対し、テキサスサービスセンターでは平均34ヶ月という状況です。この格差は申請者にとって非常に不公平な状況を生み出しています。

 

 

 
 

2. 審査遅延の主要な原因

2. 審査遅延の主要な原因

USCIS審査遅延の背景には複数の構造的要因が存在しています。これらの要因を理解することで、申請者としてどのような対策を講じるべきかが見えてきます。

 

 
 

コロナ禍による業務停滞

最も大きな影響を与えたのは、新型コロナウイルス感染症の拡大です。USCISの公式発表によると、2020年3月から2021年6月にかけて、多くのフィールドオフィスが閉鎖され、面接や審査業務が大幅に制限されました。

この期間中に蓄積されたバックログ(未処理案件)は約900万件に達し、現在もその影響が続いているのが実情です。リモートワークの導入により業務効率が低下したことも、処理期間延長の要因となっています。

 

 
 

人員不足と予算制約

USCISは他の多くの政府機関と同様に、慢性的な人員不足に悩まされています。国土安全保障省の2026年度予算要求書では、審査官の追加採用が必要であることが明記されていますが、実際の人員増強は遅れているのが現状です。

 

特に、経験豊富な移民審査官の退職が相次いでおり、新規採用者の研修期間を考慮すると、実質的な処理能力の回復には時間を要する見込みです。

 

 
 

申請件数の急増

コロナ禍からの経済回復に伴い、移民申請件数が急激に増加していることも大きな要因です。USCISの統計データによると、2023年度の新規申請件数は前年度比28%増となっており、処理能力を大幅に上回る状況が続いています。

 

 

 
 

3. 審査遅延への対処法と解決策

3. 審査遅延への対処法と解決策

審査遅延に直面している申請者にとって、ただ待つだけでは問題は解決しません。積極的な対処法を講じることで、状況を改善できる可能性があります。

 

 
 

Case Inquiry(ケースインクワイアリー)の活用

処理期間が公式処理期間を超過している場合、Case Inquiryを提出することができます。これは申請者の権利として認められている手続きであり、USCISに対して審査状況の説明を求めることができます。

Case Inquiryを提出する際のポイントは以下の通りです。

 

①処理期間の超過を明確に示す証拠の提出
②申請者の具体的な状況(就職、転居等)への影響を詳述
③緊急性がある場合は、その理由を具体的に説明
④過去の対応履歴がある場合は、その詳細を含める
⑤可能な限り弁護士を通じて専門的な文書を作成

 

 
 

Expedite Request(緊急処理要請)の検討

USCIS公式ガイドラインに基づき、特定の条件を満たす場合はExpedite Requestを申請できます。承認される可能性が高いケースには以下のようなものがあります。

重篤な病気や医療緊急事態、雇用機会の逸失リスク、人道的緊急事態、USCISの処理エラーによる遅延、政府機関からの要請などが該当します。ただし、単に「早く結果が欲しい」という理由では承認されないため、具体的な証拠資料の準備が重要です。

 

 
 

議員事務所への支援要請

アメリカでは、議員事務所が構成員の移民問題についてCongressional Inquiryを行うことが一般的です。居住地域を管轄する下院議員や上院議員の事務所に連絡し、審査遅延について支援を求めることができます。

 

多くの議員事務所には移民問題専門のケースワーカーが配置されており、USCISに対して公式な照会を行ってくれます。この方法は特に効果的で、通常のルートでは得られない情報を入手できる場合があります。

 

 

 
 

4. 法的手段と専門家の活用

4. 法的手段と専門家の活用

行政的な手続きで解決しない場合、法的手段を検討することも重要な選択肢となります。ただし、これらの手続きには専門的な知識が必要であり、経験豊富な移民弁護士の支援が不可欠です。

 

 
 

Writ of Mandamus(命令執行令状)

Writ of Mandamusは、政府機関に対して法的義務の履行を命じる連邦地方裁判所の命令です。USCISが合理的期間内に審査を完了していない場合、この法的手段を活用することができます。

成功事例として、2023年の連邦地裁判決では、I-485申請が3年以上未処理だったケースでMandamus訴訟が認められ、90日以内の審査完了命令が出されています。ただし、この手続きには高額な弁護士費用(通常15,000ドル~25,000ドル、約230万円~390万円)が必要です。

 

 
 

Administrative Appeals Office(AAO)への上訴

申請が却下された場合、Administrative Appeals Officeへの上訴を検討できます。AAOは独立した審査機関であり、一審の決定を覆す権限を持っています。

 

上訴期限は決定通知から30日以内であり、この期限を逃すと上訴権を失うため注意が必要です。上訴手数料は675ドル(約104,000円)(2026年4月現在、1ドル=155円換算)となっています。

 

 
 

専門弁護士の選び方

移民法は極めて複雑な分野であり、経験と専門性が成功の鍵となります。弁護士選択の際は以下のポイントを重視することをご推奨いたします。

まず、アメリカ移民弁護士協会(AILA)のメンバーであることを確認してください。AILAメンバーは最新の移民法改正情報を共有し、継続的な研修を受けています。また、類似ケースでの成功実績があるか、審査遅延対応の経験が豊富かも重要な判断基準となります。

 

 

 
 

まとめ

まとめ

USCIS審査遅延は、2026年4月現在においても申請者にとって深刻な問題として継続しています。処理期間の長期化は個人の生活設計やキャリアプランに大きな影響を与えており、積極的な対応策を講じることが重要です。

 

まず、公式処理期間を超過している場合は、Case Inquiryの提出を検討してください。緊急性がある場合はExpedite Requestの申請、さらに議員事務所への支援要請も効果的な手段となります。これらの行政的手続きで解決しない場合は、Writ of Mandamus等の法的手段を専門弁護士と相談の上で検討することをご推奨いたします。

重要なことは、一人で悩まずに専門家のサポートを受けながら、多角的なアプローチで問題解決に取り組むことです。我々も数多くの審査遅延ケースをサポートしてきた経験があり、個々の状況に応じた最適な対応策をご提案することが可能です。

 

USCIS審査遅延でお困りの方は、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。経験豊富な専門チームが、皆様の状況を詳しく伺った上で、最適な解決策をご提案させていただきます。